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日本も世界も、どんどんよくなっているという現実

2021年04月27日 | 政治・経済
今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。

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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。

私は、リアリストですが、世界の未来については楽観的です。
なぜそうかというと、実際に世界がよくなっているからです。

100年前の世界を考えてみてください。
当時、世界のほとんどは、欧米列強の植民地でした。
今は、どこかの国の政治家が「植民地をつくろう!」と発言する姿すら想像もできません。

アメリカのことを考えてみましょう。
オバマさん、170年前のアメリカに生まれていたら、合法的奴隷です。
それが、今では、世界最強国家の大統領になれる。

メーガンさんも同じ。
黒人と白人のハーフが、イギリスの王子と結婚する?
170年前とはいわず、30年前でも想像できませんでした。
(ちなみに、1997年に亡くなったダイアナ妃は、エジプト人の彼の子を妊娠したから殺されたという陰謀論があります。)

長期的に見ると、世界は、「より自由に」「より平等に」なっていることがわかるでしょう。
(@「より平等に」というのは、「人権面」の話で、金銭面では、不平等が拡大しているという現実があります。これも、いずれ解決にむかいはじめるでしょう。)

(ロシアの若者たち)
皆さんご存知のように、私は1990年から2018年まで、28年間モスクワで暮らしていました。
行ったときは、ゴルバチョフの時代。
その後、エリツィン、プーチン、メドベージェフ、またプーチンの時代を生きてきました。
ロシアは、ソ連崩壊後の90年代、いったん自由になりました。

ところが、プーチンの時代になって、再び不自由になってきた。
2014年3月、ロシアがクリミアを併合した時の熱狂は、ものすごかったです。
ロシア国民は、「世界が反対している」ことにまったく気づいていなかった。
ロシア人は、「エカテリーナ2世の時代から、クリミアはロシア領」と信じているので、
「クリミアが戻ってきた」と大歓迎したのです。

私は、「これから制裁されて苦しくなるのに、わからないのかな」と、ある面驚きました。
実際私の周りでは、99%ぐらいがクリミア併合を大歓迎していました。

しかし・・・。
モスクワ大学のある先生から、驚くべき話を聞いたのです。
その先生は、クリミア併合について、「冷めてる子が多いですね。支持している学生は、半分ぐらいじゃないですか」といったのです。

私は、「そうか、若い世代は違うんだ」と思いました。
そう考えながら日々暮らしてみると、ロシアの上の世代と下の世代では、全然違うことに気がつきました。

上の世代は、プーチンが大好きで、ヴォッカを飲み、テレビニュースを見て洗脳されています。
下の世代は、プーチンが嫌いで、ヴォッカを飲まず、ビールを飲む。
テレビニュースを見ずに、ネットで情報を収集しています。

そして、若い世代は、より民主的で、勤勉で、礼儀正しい。
普通の公務員でも、警察官でも、上の世代と下の世代では全然違います。
若い人たちは、礼儀正しく、欧州人みたいなふるまいなのです。

考えてみると、プーチンは、FSB(旧KGB)の長官まで務めた男。
それで、ソ連時代と同じ手法で、国を治めている。
ですが、ソ連を知る人たちはどんどん天国に行き、ソ連を歴史の教科書でしか知らない世代がどんどん育ってきている。

ソ連を知らない世代が、政権の中枢に入るようになれば、ロシアも変わるでしょう。

これは、おそらく中国でも同じです。
習近平がやっていること、たとえば
・ウイグル人100万人を強制収容し、ウイグル女性に不妊手術を強制。事実上の「民族絶滅政策」をしている
・「南シナ海は全部俺の物」と勝手に決め、埋め立て、軍事拠点化している
・インド領に侵攻し、中印戦争を起こす(2020年5~6月)
・「尖閣は我が国固有の領土で核心的利益である」とウソの主張をし、侵略準備をしている

これらすべては、ヒトラーがやっていたことと変わりません。
あまりにも時代遅れで、滅びは必至です。
中国も「毛沢東を崇拝している習近平世代」があの世に行く頃、変わりはじめることでしょう。

(日本も変わっている)
日本に戻ってきて2年半。
私は28年日本にいなかったので、昔の日本と今の日本の違いを実感をもって感じることができます。

私が子供の頃、学校で体罰は普通でした。
そのことが問題視されることはなかった。
今、先生が子供を叩いて発覚すれば、全国ニュースにでます。

私が子供の頃、担任の先生は、教室でタバコを吸っていました。
今それをやったら、首でしょう。

私が日本にいたころ、日本人の男性は、朝から晩まで仕事をし、家庭を顧みることがありませんでした。仕事の後は、頻繁に、上司、同僚、部下と酒を飲んでいた。
今の若い人たちは、酒を飲まず、さっさと家に帰って家事をします。

私が日本にいた頃、都会は車の排気ガスのにおいが満ちていました。
今は、都会でも、「排ガスのにおいで息をするのが苦しい」と思うことはなくなりました。

日本の人も世界の人も、健康とか環境に配慮するようになり、若返り、健康寿命が延びています。
ちなみに「サザエさん」の波平さんは、54歳です。
本当に「おじいちゃん」で、今の感覚だと70~80歳にみえるでしょう。

私は、何がいいたいのでしょうか?
短期的に見ると、「世界と日本はますます悪くなっている」と思うかもしれません。
しかし、視点をもっと長期にすれば、実は日本も世界もどんどんよくなっているのです。

だから、私は、日本と世界の未来に希望を持っています。

「希望はいいものだ。多分最高のものだ。素晴らしいものは決して滅びない。」(映画「ショーシャンクの空に」から)
唐突ですが、「でも今希望がない」という方は、「ショーシャンクの空に」がお勧めです。

---owari---
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