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嫌いな減税政党候補と、いい自民党候補ならどっちに入れる??

2024年10月23日 | 政治・経済
今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。

~~~~~~~~~~~~~
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。

今日は、読者さんからのご質問にお答えします。
読者のYさまから、質問メールが届きました。

〈北野先生
いつも重要でためになる情報の配信をありがとうございます。
大変、勉強になっております。
数年にわたってメルマガを読ませていただきましたが、今回、初めてメールさせていただきます。
来る10月27日の衆議院選挙の投票について質問させていただきます。

私の住む小選挙区では、当選する有力候補は、現職の自民党候補、前回僅差の2位に迫った日本維新の会候補が有力とみなされています。
私も先生のおっしゃるとおりに石破政権の増税路線を止めたいと思っているのですが、
自民党候補が麻生派(おそらく保守系)なのです。

この場合、
(1)結局、自公連立で政権を取るだろうから石破政権内で対抗勢力になる麻生派議員であれば、そちらに入れた方が良い
(2)減税路線の維新候補に入れた方が石破政権増税路線へのダメージになる。
どちらの考え方が増税路線を止める方向に働くでしょうか?

個人的には維新はあまり信用しておらず、自民党の穏健保守派の方にシンパシーを感じる人間です。
ただ、今回は、どうにか増税路線を止めたいと思っておりまして、どちらの投票行動の方がより効果的なのか判断付きかねております。

もし似たような質問が多く届いているようでしたら、先生のお考えをご教示いただけますと助かります。
もし、掲載していただけるようでしたら、匿名希望でお願いいたします。

乱文、失礼いたしました。
先生のご活躍、心より祈念しております。いつもありがとうございます。
また官邸にも裏金問題よりも増税問題がより重要なのだとメールしておきます。〉
――――――

Yさんのご質問は
・保守系、麻生派の自民党議員
・減税路線だが、あまり信用できない維新の議員
どっちに投票するのが、「増税路線阻止に役立つか」ということのようです。

まず、ここまでの流れをざっくり復習しておきましょう。
「増税クソメガネ」と非難された岸田さんは、【 長い増税リスト 】を出してきました。

↓ @@@必読!長い増税リスト

私は、「裏金問題も大事だが、増税問題の方がもっと重要だ!」と考えました。
そこで、先の自民党総裁選では、「増税派でない人」を支持しました。
具体的には、「消費税減税」を掲げる青山さん、「増税ゼロ宣言」をされた茂木さん、「積極財政派」の高市さんです。

高市さんは惜しかったですが、結局【 大増税派 】の石破さんが勝利しました。
石破さんは、おそらく「長い増税リスト」を粛々と実行していくことでしょう。
さらに彼自身、「法人税」「金融所得税」の増税を公言しています。

さらに、9人の総裁候補の中で、ただ一人、【 消費税増税 】の可能性を否定しなかった人です。
石破政権が盤石になれば、「日本国民はさらなる大増税で〇される」という、深刻な危機感があります。

そこで私は、10月27日の選挙について、二つのことを提案しました。
・【 大増税派 】石破自民党と【 消費税率を5%から10%に倍増することを決めた男 】野田立憲民主党以外の政党に入れること。
・できれば、【 減税を掲げる政党 】に入れること。
そして、表メルマガで、減税を掲げている政党リストを載せました。

・維新 = 消費税の軽減税率を8%から段階的に3%に
・共産 = 消費税を5%に減税
・国民民主 = 所得税減税、消費税を5%まで減税
・れいわ = 消費税廃止
・参政 = 積極財政と減税

出所はこちら。(日経新聞)↓

もう一つ、
・日本保守党
も消費税減税を掲げています。

ここまでが基本路線です。
では、Yさんのご質問に戻りましょう。

Yさんのご質問は
・保守系、麻生派の自民党議員
・減税路線だが、あまり信用できない維新の議員
どっちに投票するのが、「増税路線阻止に役立つか」です。

想像してみましょう。
たとえば、高市さんはこんなことをおっしゃっています。

『時事』9月21日付。
〈高市早苗経済安全保障担当相は「需要が供給を超え、物価安定目標に向かう形ができるまで一切増税をすべきではない」と反対。
「財政金融政策で経済を刺激し、税率を上げずとも税収を拡大することを続けないとドツボにはまる」と訴えた。〉
――

高市さんは、「経済を成長させることで、税率を上げずに税収を拡大していく」のが基本方針です。
だから、高市さんが総理になっていたら、「大増税派の石破自民以外の党に入れましょう」みたいな主張は必要なかったわけです。

そんな高市さんは、奈良2区から出馬されています。
私は、「奈良2区にお住いの人は、高市さん以外の人に入れてください」とお願いするでしょうか?

もちろん、そんなことはしません。
むしろ、「高市さんが総理になれば、増税路線はなくなるので、高市さんに入れましょう」と呼びかけるでしょう。

ここから、一つの事実が浮かび上がってきます。
自民党も、高市さんを支持した【 反増税派 】と、石破さんを支持した【 大増税派 】に分かれているということです。

それで、Yさんのように悩まれたら、
「決選投票で高市さんに入れた事実上の【 反増税派 】議員には入れる」
「決選投票で石破さんに入れた事実上の【 大増税派 】議員には入れない」
ということで判断したらいいかと思います。

しかし問題は、決選投票で高市さんに入れたのか、石破さんに入れたのかわからない場合でしょう。
そういうケースは、しばしばあると思います。
ざっくり言うと、旧安倍派と麻生派(河野さん支持者以外)は、決選投票で高市さんに入れた人が「多い」。

第1回投票で小泉さんに入れた75人、旧岸田派の人は、石破さんに入れた人が「多い」。
ですが、派閥の縛りが緩くなったので、実際には誰が誰に入れたのか、公言している人以外はわかりません。

参考になりそうなのは、総裁選候補者9人の推薦人リストを見てみることです。↓

このページを見ると、各候補の推薦人がわかります。
「積極財政派」の高市さん、「増税ゼロ宣言」をされた茂木さんの推薦人議員ならむしろ「投票すべき」かと思います。

今回の総裁選では岸田前総理が、(自分と同じ大増税派の)「石破に入れろ!」と指令していたといわれています。
そうなると、岸田派の総裁候補、林芳正さん、上川陽子さんの推薦人は、「大増税派」といえるでしょう。

さらに、小泉進次郎さんは、石破さんと同じく菅元首相の支援を受けていました。
小泉さんグループは、決選投票で石破さんに入れた人がほとんどだったでしょう。
さらに、河野さんの推薦人も、石破さんに入れた人が多かったことでしょう。
石破さんの推薦人は、もちろん全員石破さんに入れたことでしょう。

こんな感じで、自民党議員でも「反増税派」の議員であれば、入れたらいいのかなと思います。
自民党でも、「増税派議員」が落選して、「反増税派議員」が増えれば、増税の可能性が低くなるでしょう。

Yさんの麻生派議員さんは、「増税派」でしょうか、それとも「反増税派」でしょうか?
わからない場合、議員さんの事務所にメールしたらいいと思います。

「石破総理は、法人税、金融所得税の引き上げを主張されていますが、〇〇議員はこの件についてどうお考えですか?」
「〇〇議員は、消費税率のさらなる引き上げについてどうお考えですか?」

反応があるかどうか、反応が丁寧かどうか、さらに反応の内容で、その議員さんのことがある程度わかるでしょう。

▼まとめ
長く、また複雑になったのでまとめます。
・現在の日本の最大の問題は、「裏金問題」ではなく、【大増税問題】です。
・石破さんは、岸田さんから引き継いだ【長い増税リスト】を実行していくでしょう。
・それだけでなく、石破さんは、法人税、金融所得税引き上げに言及しています。

・石破さんは、9人の自民党総裁候補の中で、唯一「さらなる消費税増税」を否定しませんでした。
石破政権が長期になれば、消費税率がたとえば15%になる可能性もあります。
・そこで10月27日の衆議院選挙では、【 大増税派 】石破自民党と【 消費税率を5%から10%に引き上げるのを決めた】野田立憲民主党以外に入れるのがいいと思います。
・しかし、総裁選決選投票で高市さんに入れた人は、「反増税派」なので、自民党でも入れたらいいと思います。

こんな感じになります。
もちろん、上記はすべて、私個人が「日本の国益」を考えた結果の意見です。
是非皆さんも、一人一人日本の国益、自分と家族の利益などを熟慮され、投票してください。
皆さんの一票が、日本を変える「バタフライ・エフェクト」になることを信じて。

---owari---
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