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安心安全の国ニッポン

2021年01月31日 | 政治・経済
今、アメリカでは「金持ち村」と「貧乏村」が出現しています。拡大する貧富の差と人種問題がそういう目に見える形になって出てきています。

富裕層が集まり金持ち村ができるのは通勤にも便利なニュータウンで、「ゲーテッドコミュニティ」と呼ばれています。
文字通り周囲をグルリと塀で囲み、ゲート(門)をくぐらないと出入りできないようにしています。

私もワシントン郊外の金持ち村を見に行ったことがありますが、ゲートにはものものしくガードマンが立っていて、出入りをチェックしていました。アメリカにはそうした金持ち村が二千か所もあるらしいのですが、そこまで露骨になれば金持ち村に住む人たちはますます孤立していく一方ですし、貧乏村のほうは治安が悪化の一途をたどり、社会全体が殺伐となっていくのも当然でしょう。

ちなみに、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は日本の軽井沢に大豪邸を建設しているらしいですね(ネット情報では、軽井沢にある吉永小百合さんの別荘が周辺にあるとのことでした)。

彼なら世界中、どんなところにでも別荘を持てるはずですが、日本の軽井沢を選んだのは、彼にとって日本という国自体がゲーテッドコミュニティに思えるのでしょう。

それは、ビル・ゲイツ氏に限ったことではありません。日本に来た外国人はみな、日本では女性が夜でも平気で出歩いているのにビックリします。
また、財布を落としても中に入ったお金ごと戻ってくると聞くと、信じられないという顔をします。

これほど安心安全な国は世界を探しても見つかりません。ビル・ゲイツ氏がそんな日本に別荘をつくりたいと思うのは当然のことかもしれません。

(日本人を見て感動したアメリカ兵)
あるアメリカ人が、私に対し、こんなことを聞いてきました。
「アメリカ人は、日本のアニメや黒澤明の映画を見て学び、そこからヒントを得て、ディズニーにしろ、ハリウッドにしろ、多くの作品をつくってさんざん儲けた。それなのに、なぜ、訴えて金を取らないんだ」

そこで私は答えました。
「日本人にとってそんなことはどうでもいいんだ。自分たちはおもしろいものをつくりたい。それができたのだから満足しているんだ。金を取ろうなんて思うものか。日本人は新しいものを創る喜びを知っている。金になるかならないかなんて二の次で、そこは自然の成り行きでいいんだ」

それを聞いたアメリカ人はしばらく考えてからこう言いました。
「ウォルトディズニー・カンパニーは、もはやクリエイティブな存在ではなくなった。多くのクリエーターをクビにして、弁護士を百何十人も揃えて、類似している映画やキャラクター商品を見つけては、それは真似(まね)だと訴えて儲ける会社になってしまった。アメリカ人はそれを残念だと思っている」と――。

「日本出動」と言っても、別に華々しく出ていくということではないのです。アニメや黒澤作品のように、いいものをつくり、それを自然に浸透させていく。それが「柔よく剛を制す」ということですが、それはもう昔から始まっていたのです。

また、東日本大震災のときのことです。あのとき、「トモダチ作戦」でアメリカ兵がたくさん来て手伝ってくれました。
それを見た日本人はアメリカ兵に深く感謝しました。その一方で、実に多くのアメリカ兵が日本人の姿を見て深く感心すると同時に驚嘆して帰ったのです。

たとえば、こんなことがあったそうです。
あるおばあさんはなんとか九死に一生を得ましたが、津波でたくさんの人が死んでしまうのを目の当たりにしました。そのおばあさんが、アメリカ兵に「洪水は百年に一度来るそうだが、それが私のときでよかった。もしも孫のときであったら孫が可哀想(かわいそう)だ」と話した。それがアメリカ兵の心を強く打ったというのです。

それこそ日本人の深い心なんです。つまり自分も孫も一緒だと考えている。命というものを縦に繋(つな)げて考えている。個人主義じゃないんです。

このような日本人の発想は、英米人にはなかなか理解しにくいものでしょう。これまでの英米人の考えでは、そんなことでは勝ったことにならないと思うでしょう。

でも、そういう日本人の深い心がアメリカ人にも伝わって影響を与えているのです。

(日下公人著書「『日本大出動』トランプなんか怖くない(2016年6月発刊)」から転載)

---owari---
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