母が暮らしていた家。正確には母が暮らしている家。おそらくこの家で生活を取り戻すのは難しい。病院を退院してもここでは暮らせない。母は91歳。もう何十年とも暮らしてきた家の片隅にたくさんの花が咲いていた。金柑はたわわに実をつけていた。一つ手にとって口に入れた。ほのかな甘みが口に残った。
一度掲載したがこの砦また上に伸びていた。ごしごしとのこぎりの音が聞こえ、脚立の上で作業をされていた。元は瀟洒な住宅。それを囲むように砦が作られ武者人形のような様相になり、ますます拡張を続けている。一度訪ねてみたいが、中に入る勇気がない。