※ 本日、最後の記事です。
ドル・円は上昇、株価下げ渋りや日本経済の弱さ意識-110円前半
野沢茂樹東京外国為替市場の。新型コロナウイルスの感染拡大が米欧にも波及するとの懸念を背景とした世界的な株安の勢いが鈍化したことを受け、ドル買い・円売りが優勢になった。
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市場関係者の見方
あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長
- ドル・円は米国の株価や金利が下げ渋り、仲値では輸入企業などの買いも入ったことで下げが一服した
- 日米の景気を比べると米国の方がかなり良いので、新型ウイルス絡みのリスクオフが生じなければ緩やかな上昇基調だろう。国内機関投資家のドル買いが支えとなっており、110円前後が1つの下値めどか
- ただ、アジア株の下げは続いており、欧州ではイタリアでの感染拡大のインパクトが大きい。今後発表になる米ISMや雇用統計、日米欧の消費者センチメント系の指標には注意したい
SMBC信託銀行の佐溝将司マーケットアナリスト
- 新型ウイルスの感染拡大を巡る「米国一強」的な流れの巻き戻しとなり、株安と日米金利差の縮小が進んでいるが、きょうは株価の下げ渋りがドル・円を下支えしている
- 110円前後から110円30銭程度の水準で踏みとどまれるなら、相場の方向感はまだ上だろう
- 足元の関心は金利の高低より各国の景気格差。日本は米中などと比べて政策対応の余地が乏しいという弱さがあり、リスク回避局面でも積極的な円買いは盛り上がらない
背景
- 米当局、市中感染は時間の問題-ブラジルで初の陽性なら5大陸目に
- イタリアも景気後退か-経済中心地で感染拡大、最大0.4ポイント下押し
- 日経平均株価は一時、前日比400円超下げる場面も同179円22銭安で取引を終了。米株価指数先物の下げは一服、中国株は下落
- 25日は新型ウイルスの感染拡大への懸念から米欧株が急落。米S&P500種株価指数は昨年12月5日以来の安値、米10年物国債利回りは一時1.3055%と過去最低を付けた