2022年 5月11日 水曜日 晴れ
縄文を訪ねてのツーリングは二日目であります。
あれです、本当は二泊三日で長野まで足を伸ばす予定だったんですが三日目の天気予想が芳しく無く、仕方が無いので一泊二日に端折り新潟県の火焔街道にした次第であります。
まっ、今の自分は縄文の香りがすればなんでも幸せって感じなんで長野の大御所の土偶に会えなかったのは楽しみが先延ばしになったってことで良いことなのであります。
さて、新潟県は長岡市の駅前の格安ビジネスホテルで快適に目覚めた私は無料で付いてくる朝飯を食べ8時半にチェックアウトであります。
いや、行き先は長岡市内の馬高縄文館なんですが開館が9時ってことで早すぎてもダメなんであります。
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MT-07と縄文式掘っ建て小屋
いや、開館の10分前に着いちまいまして、そー言うことならと公園内に建つ茅葺の掘っ建て小屋を見学した次第であります。
余談ですが、素晴らしい環境と言いますか、そして理想的な縄文時代の掘建て小屋でして私ゃここに住み込みたいと本気で思ったのでありました、いやマジですぜ!!!
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明るく開放的な屋内
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柱の組み方が見事 釘やワイヤー不使用
なんと申しましょうか、丸木を石斧で切り倒したら平らな筈が無いのに他の施設の復元ではノコギリで切った綺麗な断面でありました。
が、ここのは違いまして、成る程なぁ、こうなるんだよなと納得させられる作りで縄文人が力学的に強度を考慮し木組みを使っていたことを学ばせて頂いた次第であります。
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縄文後期の土器にしては装飾が質素かも?
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縄文後期中葉の茶漉しかな?
いや、ここの掘立柱の家を見て何故に掘立柱式なのか見当がつきました!!!
あれです、石で土台を作って柱を乗せる形では垂直と柱の平衡を取るのが難しいと思うんですが、掘立柱なら土の堀具合や埋め戻しでどーとでもなるからでは無いかと思いついたんですが、まっ、いいでしょう。
で、展示されている土器なんですが、当然多数の火焔土器が展示されているんですが、自分が興味を引いたのは地味目の実用品だったと思われる土器の類でありました。
茶漉し風のものや蓋つきの土器ってのは珍しいと思うんですが、これを見て想ったのは、やっぱし普段使いがこれだとすると立派な土器は祭祀用なのであろうか、ってことであります。
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中の煤け具合は正に七輪でありましょう
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個性的な火焔土器も多数展示されてます
あれです、ここに展示された火焔土器は内側が煤けたものが多いのと、さらに内と外側の両方が煤けたものもあるわけで、七輪的使い方と焚き火の中の土台とした使い方、そして小さなものは手あぶり用の火鉢や鍋の保温用に使っていた、なんてことを思ったんですが、まっ、いいでしょう。
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僕は君に会いに来たのかも なんちゃって
いや、もともと土偶フェチの自分ですが、だからって国宝だから好きとか有名だから好きってことでは無いのであります。
が、私ゃこの土偶には惚れちまいました。
まっ、造形的には男かもしれませんがどー言うわけか今まで見て来た土偶の中で一番気持ちが通じたのであります、なんちやって。
そんなわけで朝一番に拝観させて頂いた馬高縄文館は中身の濃い、学ぶ所の多い施設ってことで自分の中では五つ星でありましたが、いつまでも見ていたかった土偶「ミス馬高」に別れを告げ、次の資料館である「新潟県立歴史博物館」に向かったのでありました。
いや、これが直ぐ近くでしてバイクで2分の距離なんでありますが、県立博物館を訪れて馬高縄文館の展示がなぜに個性的なのかが分かりました。
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建物が巨大すぎて全容は収まりません
ここの施設の見ものははっきり言ってジオラマであります。
それは何処にでもある理想と夢想を無理に詰め込んだドラえもん的ジオラマでは無く、実物大にして然もありなんと納得させられる設定なのであります。
あれです、難しい言葉の説明書きを読んでも直ぐに忘れますがここのジオラマを見たら四季折々の、しかも山の民と海の民や村での暮らし向きが目に焼きつくわけでして、縄文好きなら是非とも訪れるべき施設であると思った次第であります。
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雪の季節は山でイノシシ狩りを
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海辺の民は魚の干物を
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村では女たちが土器を作る
あれです、やっぱし実物大ってのが全てでありましょうか?
私ゃ時を超えて縄文の村を訪れた気になり、呆然としてしまった次第であります。
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家の立て方と木組みの解説
いや、この説明を読んで馬高縄文館の掘立柱式茅葺き屋根の家が正統派の縄文時代の建物であると納得がいきました。
あれです、シロートを相手に観せるのだと言う細やかな気遣いを感じるわけでして、さらに彼方と此方は意識的に違えた内容なのだなと納得した次第であります。
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多彩な火焔土器の展示
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ほほう、リアルですね
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ならば、これはアレでしょうね?
いや、縄文人は寿命がとても短かったらしいんで繁殖のための行為はかなり積極的であった、とものの本で読んだわけです。
だとすると、やっぱし石柱にシンボルを掘り込むなんてのもその表れだったと理解できますが、男身を飾っても女身は今まで見たことがなかったので、そっちは土偶ってことなのか、と思ったんですが、ここで出会っちまって心の整理がつきました、なんちゃって。
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縄文人のアートか落書きか?
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ああ森合さん、どーしてここに?
なんと申しましょうか、新潟の縄文人は大らかと言いますか、洒落の通じる民であったと私ゃ思うんでありますが、ひょっとすると縄文人は皆して陽気だったのかって思うんですが、まっ、いいでしょう。
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縄文晩期の繊細な作りの土器
と、言うことで巨大な施設に実物大のジオラマで度肝を抜かれ、展示物の的確で細やかな説明に納得して博物館を出た時には1.5時間が経過しておりました。
あいやぁ・・・あと2軒の予定だが周れるべか? と心配しつつ長岡北スマートICから巻潟東ICまで関越道に乗り、すでに昼飯時を過ぎていたので栄PAでカツカレーなどを食し次の予定地「新潟県埋蔵文化財センター」に急いだ次第であります。
が、どーしてこの手の施設って辺鄙なところにあるのでしょうか、と思いますが、まっ、いいでしょう。
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ご自由になので無料です
いや、ここはアレです、発掘した物を学術的にナニする施設のようで展示物は淡白だったと言ったら叱られますかね?
なんと申しましょうか、新潟県立歴史博物館のジオラマや展示が圧倒的だったからかとても普通に見せている埋蔵文化センターが地味に見えちまうのは否めないと思うんであります。
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私ゃこれらの土偶に会えただけで満足です
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1時間でも見飽きませんが・・・
と、言うことで、もしもここを最初に見たとしたら驚きの眼で火焔土器群を眺め、そして愛らしい土偶に溜息を漏らしていたはずであります。
いや、新潟県の縄文遺跡とその関連施設は世界遺産の中核をなす青森県にも負けていないとしみじみ思いつつ、最後の目的地である「阿賀町郷土資料館」に向かった次第であります。
新潟西ICから高速に乗り磐越道に入って阿賀町を目指すもスマホナビをセットしなかったために下りるインターを一つ間違え手前で降りて乗り直しするヘマをしまして5分のタイムロスであります。
あれです、午後6時までには家に帰りたいとなると遅くても3時半には帰りの高速に乗りたいんですが、既に3時なのでありました。
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廃校になった中学が資料館に
あれです、青森県にも廃校を利用した資料館がありましたが、できれば縄文の部屋で一泊などのオプションがあったらと思いますが、まっ、いいでしょう。
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ああ大木式土器なんだ、と
いや、同じ新潟県ですが阿賀町は信濃川火焔土器ルートからは外れていまして、文字通り阿賀野川の町なのであります。
で、阿賀野川といえば昔から水運で会津地方との交易が盛んでして経済圏が東北なのであります。
だから出土する土器も大木式が多いらしく、それでも新潟なんで火焔土器も出土すると言う、少し変わった事情があるようでした。
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ああなんて可愛らしい土偶たち!!!
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そんなに見つめないで!!!
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うん、また今度来るからね、なんちゃって
いや、土偶の可愛らしさといったらここは他の何処にも負けていないんですが、新潟特有では無く南東北の影響下なので火焔土器のネットワークに入っていず圏内の他の施設とは異質でありました。
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南東北風と火焔土器が混合で
いや、阿賀町郷土資料館も立ち寄って良かったとしみじみ思わせる内容でして大満足でありました。
惜しむらくは時間が無く、本当ならば大木式風土器からそこはかとなく感じた火焔土器の走りみたいな造形をもっとじっくり観察したかったんですが、また今度って土偶と約束もしたのでここは潔く帰り道についた次第であります。
阿賀町郷土資料館を出たのが3時45分でして、相当本気で走らないと6時の到着は無理・・・まっ、距離はインターから家まで220キロなので100キロ走行でピッタシ到着なんですが、70キロと80キロ区間も長いので計算通りに行ったら神業であります。
が、日没近くから急激に冷え込んで寒さに震え、トイレも我慢して走り続け、宮城インターの手前でガス欠危険表示が点滅して肝を冷やしつつも家に着いたのが6時05分でして、まぁ、予定通りでありました。
と、言うことで、今回の縄文めぐりツーリングはお終いであります。
走行距離 360キロ
ガソリン 17.26リットル 2799円
入場料と昼飯代と饅頭等 3100円
総走行距離 820キロ
ガソリン トータル 20.66リットル 4983円
高速代 トータル 約11500円
宿代等 経費計 13900円
総経費 30383円
あー楽しかった、と。