まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

能登の今を訪ねる(1)

2024-10-30 19:22:01 | 建築まち巡礼中部 Chubu

かみさんの ● ● 歳の誕生日は、今の能登を見たいという本人の希望に沿ったものになりました。

七尾線輪島駅を起点に能登の旅が始まります。

とはいえ、七尾線、今は穴水が終点。2001年に廃線になりました。

駅から朝市通りのある海辺の方を目指します。早速飛び込んでくるのが、倒壊した住宅です。右側の建物の1階が崩壊し、2階が地面に近いところにあります。元あった位置は、屋根の切妻の形状が3階建て建物の壁にきれいに残っています。まだまだ、解体作業も進んでいないようです。

町を歩くと、3階建ても目立ちます。比較的新しい建物だと思いますが、大きな被害を受けていない場所もあります。1層目の下屋の軒がそろい、基本的には切り妻、妻入りの町家(風)建築の並ぶ、落ち着いた街並みだったことが分かります。

こんな理容室もあります。どんな髪型にしてくれるのでしょうか。楽しそうです。

平面的には、間口が狭く奥行きの深い町家の形状で、3階建ての建物もあります。坪庭もあります。なかなか見事です。とは言え手前は空き地になっています。

鉄骨で梁を補強している家屋も倒壊しています。1層目がせん断力で倒壊したのでしょう。

海をめざして少し歩くと、テレビで何度も見た、五島屋ビル。7階建ての地上部は、元の姿をとどめています。

反対側から見ても、地上部は大きな構造的損傷がないことが分かります。

報道で伝えられているように、杭と基礎構造であるフーチングが分離したのが転倒の要因でしょう。下写真で見るように1階柱脚とフーチングも離れているようです。地中梁を見ると、主筋は異形鉄筋ですが、スターラップなどは丸鋼で、被りも極めて小さいことが分かります。

 

朝市の通りは、下記のよう。震災から10ケ月経っているのに、まだまだ復旧の緒についたばかりのようです。

本当に、大変な状況です。言葉を重ねても、どうしようもありません・・・・。

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko TAKATANI

architecture /urban design

 



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