大掃除で棚から懐かしい資料-圧迫感と天空遮蔽率に関する武井教授の研究-を発見しました。
捨てる前に要点だけメモしておきます。
低層の住宅地の中に大きなマンションが建つことで数多くの近隣紛争を生んできました。
基本的には地域ごとに高さや建築形式、規模などについての共通イメージがありそれがルール化されていることが望まれますが、中々そうなっていないのが現状です。
この現状の中で、武井正昭教授(東京理科大)は心理的な感覚である圧迫感を、天空遮蔽率(1から天空率を引いたもの)に関係付ける研究をしています。
もちろん人によって圧迫感の感じ方は違います。また環境条件によっても違います。路地のようなところは天空遮蔽率が相当高いわけですが、とくに圧迫感は感じない人が多いのではないでしょうか。また、大きな建築物が遠くにある場合と、小さなものが近くにある場合では天空遮蔽率が同じでも相当圧迫感には差がありそうです。当然建築外壁のの質感、色などによっても感じ方にはばらつきがあることは想像されます。
ですから、武井教授の研究は低層住宅地に1棟だけ大型建築が20mから40m程度離れて建つ場合という条件で、圧迫感と天空遮蔽率の関係を研究しています。
次の論文を読めば、凡その内容が把握できます。
「建築群から受ける圧迫感の計測に関する研究」日本建築学会学術講演梗概集1977.10
「建築群から受ける圧迫感の計測に関する研究-その2」日本建築学会学術講演梗概集1978.9
「圧迫感の計測に関する研究・4-許容値の設定並びに日影との対照-」日本建築学会論文報告集310号1981.12
「周辺建築物の影響を考慮した大規模建築物から受ける圧迫感と許容限界値に関する研究」日本建築学会大会学術講演梗概集1990.10
また天空率の測定方法としては次の文献。大変実践的なパンフレットで、魚眼レンズの補正表などもついています。
『日本建築学会設計計画パンフレット24 日照の測定と検討』 彰国社1977.8
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