事務所を京王多摩川近くに引っ越してからは、時々河原を散歩をします。
先日も書きましたが、多摩川の気持ちよい眺めにはよい「景観の構造」があります。
一つには手前(東京側)から、対岸へと水平伸びやかな要素の重なりがあること。手前から広い緑(サッカーグラウンド)、川、対岸のみどり、道路(水平な一本戦にしか見えないところがいい)、そして多摩丘陵(万葉集にうたわれた「多摩よこやま」)、空へと重なっています。最後が空に「抜けている」というところもポイントです。決して高層マンションの並びで視線が止まるということがないということが重要です。
それから、前回は忘れていましたが、多摩川の水平の動き(右から左)と京王線の動きがちょうど対偶の関係で交差しているというのも、景観を面白くしています。また、緑や川の自然的要素に対しての鉄橋や電車のメカニカルな要素の対比も面白いですね。
さらにサッカーグラウンドに人の動きがあれば、もっと面白い景観の構造が見られたと思います。
高谷時彦
建築・都市デザイン
Tokihiko Takatani
architect/urban designer
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます