まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

サステイナブルシティの市街地像を求めて

2008-08-11 17:30:51 | 建築・都市・あれこれ  Essay

●東北公益文科大学 公益ビジネス研究ニューズレター

2007年12月号にて下記の海外研究報告をしました。

 

サステイナブルシティの市街地像を求めて

―ヨーロッパの先進都市調査―

記事:「ronbun0709.pdf」をダウンロード

目次

 

1.   コンパクトシティの概念

 

 

 

2.   サステイナブルシティの都市像

 

 

 

3.   カールスルーエモデル

 

 

 

4.   ストラスブールのトラムデザイン

 

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani

 

(Key word)

コンパクトシティ 都市機能の密度 用途の近接・複合 中世都市イメージ 都市間競争 少子高齢化 成熟社会 地域と鉄道 トラムの特性 交通手段選択 デザイン 開放的なトラム 複数の交通手段


風景の構築にむけて

2008-08-11 14:52:58 | 建築・都市・あれこれ  Essay

●東北公益文科大学 公益総合研究所 公益ビジネス研究プロジェクトの2008年度報告書に次のような論文を掲載しました。

風景の構築にむけて ―まちづくり分野からの報告―

論文:「ronbun0803.pdf」をダウンロード

目次:

 

1.   はじめに

 

 

 

2.   経験としての風景

 

1)経験の場としての都市空間

 

2)地方都市の景観―20世紀都市計画の残したもの―

 

3)帰属できる風景の構築へ―風景を捉える視点―

 

     持続性・連続性をもつこと

 

     営みと営造物の生きた関係が表出して感じ取れること

 

     土地の特性との応答が反映されていること

 

     時間の中の風景

 

 

 

3.   時間と精神の営みが紡ぎだす風景―手向(とうげ)

 

1)手向の街並みの特徴―修験道文化と景観

 

2)手向の風景から学ぶこと

 

 

 

4.   中心部における帰属できる風景

 

1)中心の街並みの持つ意味―カールスルーエ・ストラスブール―

 

2)古い木造建築に新しい営みが表出する風景―松文産業跡地構想―

 

3)もうひとつの風景(Alternative Vision)―ロンドン、コインストリート―

 

 

 

5.   おわりに―風景へのまなざし―

 

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani

 

 

 

 

 

(Key word)

 

まちづくり高谷研究室 内川再発見プロジェクト 羽黒 西郷コミュニティセンター 大山街並み ()まちづくり鶴岡 身体性 経験の場 空間の履歴 郊外 高度成長 憧れの風景 土地 営造物 いとなみ 人 記憶 焼畑商業 自己の定位 環境との応答 安らぎ 閉ざされた風景 生活の表出 シャッター街 共感 どこにでもある風景 ル・コルビジェ 安部公房 ルドフスキー 古びた風景 時間の消去 交換可能 時間の蓄積 山岳修験 出羽三山 宿坊 冠木門 場所の差異 価値観 意味・物語性 カールスルーエモデル トラム ロラン・バルト アルド・ロッシ 中心部 集団的記憶 アイデンティティ ドレスデン 鶴岡 松文産業跡地構想 小屋組 映画館 コインストリート Alternative Vision 社会的企業 藤沢周平 故郷の風景 高速道路


都市の愉しみ

2008-08-09 20:50:28 | 建築まち巡礼東京 Tokyo

●表参道にある河合楽器の小さなコンサートホールで、Senzoku Music Showcase @表参道を聴きました。マリンバ・パーカッションの山澤洋之他の出演でワールドミュージックツアー-カリブ海からブラジルまで-というプログラムです。

●ホールは2階にあり、表参道のケヤキが目の前に見えます。120席のホール規模はビールを飲みながら音楽を楽しめるという点とあわせて大変好ましいものでした。

●大都市には音楽を楽しむさまざまなスタイルが用意されています。深夜まで仕事をする毎日ですが、たまには、都市の愉しみを経験しなければ、楽しい建築空間を発想できくなってしまいそうです。

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani

 


鶴岡中心部と都市観光

2008-08-03 19:30:02 | 建築・都市・あれこれ  Essay

私(高谷)は鶴岡市にある東北公益文科大・大学院でまちづくりの研究・実践を院生・市民・行政の皆さんとともに行っています。そもそも私が鶴岡に初めて関わったのは93,94年の2年度に渡る中心市街地整備基本構想(馬場町地区を対象)の検討会です。小沢明先生、佐藤滋先生たちの指導の下で市職員の皆さんと基本構想をまとめました。

久しぶりにその報告書をひらいてみると、当時の熱い議論が思い起こされます。また同時に今なお通用する大事な議論がそこでなされていたことに気づきます。例えば今でこそ珍しい言葉ではありませんが、「都市観光」という言葉も使っています。観光計画の専門家である熊谷圭介氏(ラック計画研究所代表)によれば、90年代前半での「都市観光」への着目は、早いほうの事例ではないかとのこと。

そんなこともあって、当時書かれた内容を、ここで振り返ってみようと思いました。以下に再録します。

<観光地として馬場町地区をどのように捉えるか>

現在の「名所観光」「団体観光」を前提とする限り、馬場町地区を観光地として位置づけることは好ましいことではない。しかし、次に述べる新しい形態の観光としてこの場所を捉えていくことに意味を見出すべきではないか。

●名所観光から都市観光へ

余暇時代、ゆとりの時代の進展にあわせ、観光のあり方も変わろうとしている。すなわち、点在する名所を点から点へと移動していくことから、名所を含む都市そのものを味わう方向への転換である。

中心市街地にはカトリック教会、致道館、丙申堂などの歴史文化施設が城下町としての風情と、豊かな自然とともに健在である。それらの存在する町そのものが他都市の人にゆっくりと見てもらう価値のあるものである。この町には、点(スポット)型から、都市型・滞在型への質的転換を実現する条件が整っている。

●団体観光から個人観光へ

名所観光は評価が定まり、定型化された対象を定まった様式により鑑賞することに意味がある。そのため多くの人と体験を共有することが目的にかなう。観光バスによる団体観光はこの目的を満たすものである。

これに対し、都市観光は多様な対象を多様に見ていくことに意味がある。価値観を共有する少人数或いは単独で自由に対象を取捨選択しながら、また個人的な評価を下しながらまちを体験していくことがその目的にかなう。

前項の名所観光から都市観光への移行は、団体観光から個人観光への移行と併行した現象である。

●観光地としての対象地区

新しい観光のあり方を前提とした場合、観光地として地区を位置づけることは観光バスの駐車場を設けたり、観光客にぞろぞろとまちを歩かれることを甘受することを意味しない。

むしろ観光客が訪れるということは外部の人の目を通してそのまちを多角的・客観的に判断する機会をもつことであり、また異なった価値観・経験をもつ人たちとの交流の場を持つということである。

また「名所観光から都市観光へ」「団体観光から個人観光へ」という方向性は、「観光客」の求めるものとそこに住む「住民」の求めるものの境界を限りなくあいまいにするものである。豊に住むための都市空間の質の向上が、訪問者にとっての魅力の増大となっていくのである。

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