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オーガスタナショナルGC(7,435ヤード パー72)
決勝ラウンド
第4日目 最終日
タイガーの再来・記録ずくめ「史上最年少21歳8ヶ月」でメジャー初優勝。
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ジョーダン・スピース
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初日からコース記録に迫る「64」から独走を続けるスピースは、完全優勝での
メジャー初制覇に王手をかけ挑んだ最終日は、後続2位、J・ローズに4打差つけ、
強豪のひしめく中で重圧に耐えながら、決勝ラウンドに入った。
一進一退で堅実なゴルフを繰り返し、耐えながら首位の座を守り、21歳8か月の若者が、
72ホール終了時点で、通算270ストローク、18アンダーに伸ばし、単独首位を堅持し、
大会新記録で4日間を走る続け、タイガーウッズに次ぐ、最少ストローク記録に並んだ。
J.スピースは、バックナインの11,12,13番に「魔物の棲むと言われるホール」でも、
確実にスコアーを伸ばし、初優勝を飾った。
ジョーダン・スピースが綴った記録は、タイガーと同じ、最少スコア18アンダーに並び
初日からの4日間トップを守る完全優勝は、60年のパマー、72年のニクラウスらに続く
5人目、4日間での、バーディー数28は、ミケルソンがマークして25を更新、まして
20歳で参戦した昨年は2位、あの昨年からオーガスタのコースで、8ラウンド連続で、
イーブンパーで回ったのも前例はないという。さまざまな記録の快挙を成し遂げ、
両親の見守る中、最終グリーンに戻ってきた。
史上最少記録は、タイガーに次ぐ二人目の大記録で初の優勝を手にし、昨年の覇者
B・ワトソンから、栄光のグリーンジャケットを贈られ、袖を通し万全の笑顔を見せた。
優勝獲得賞金180万ドル(2億1600万)を獲得、メジャー初優勝、米ツアー3勝目。
何が起きるか判らないのもオーガスタだが、
今年女神は21歳の若き獅子、タイガーの再来、J・スピースに微笑んだ。
ジャスティン・ローズ
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単独首位を走るスピースの16アンダーと単独2位12アンダーの4打差で、逆転を狙った
J.ローズの攻防は一進一退、二人は差を詰められないまま、最終18番をバーディ
を奪ったものの、4打差つめきれず逆転優勝は夢と消えたようだ。
後続のP.ミケルソンと並び、通算14アンダー2位タイでフィニッシュ。
フィル・ミケルソン
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もしかしたら,ミケルソンなら逆転優勝もと思えたが、J・スピースは強かった。
首位スピース、16アンダー、ミケルソン10アンダー、差は僅か5アンダー、21歳の
若者と強豪ミケルソンとの戦いで、調子を取り戻したミケルソンが、何処まで詰め
られるか、何が起こるかわからない、オーガスタの期待させる雰囲気で挑んだ
ミケルソンではあったが、惜しくも首位のスピースには4打差届かず、ジャスティン・
ローズと共に14アンダー、2位Tで今年のマスターズを終えた。
何が起こるかわからないのがメジャーだ。とりわけオーガスタのサンデー・バックナイン
では、信じられないようなドラマが起こるとはいえ、11打の差はあまりにも大きい。
追い付く可能性、挽回できる可能性はゼロではないが、限りなく小さく、優勝には
初日の6打差が最終日まで尾を引いたようだ。
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不調とはいえ苦しみながらも、粘り強いプレーを展開するマスターズの強豪、
3日目、首位とは10打差6アンダーで5位タイに並んだが、史上6人目の4大メジャー
制覇がかかるロリー・マキロイと、久々に参戦した、オーガスタを庭とする、タイガー・
ウッズ等は、勢いで独走する若きジョーダン・スピースを、脅かす事は出来なかった。
J.スピースは、ロリー・マキロイに6打差、タイガーには13打差の大差で、強豪たちも
涙を飲んだ大会だった
タイガーの参戦で、往年を思わせる、時折見せたプレーには、オーガスタのパトロンたちを
大いに喜ばせた大会でもあったが、途中9番でのアクシデントには驚かされた、木の根を
叩いたようで、棄権することなく20度目のマスターズは無事に終えたが、まだタイガーの
完全復調には時間が必要なようだ。、
松山英樹
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マスターズ4度目の出場でも昨年は予選落ち、その不安の中で挑んだ、初日から
苦しみながら、初日71、 2日 70 、3日 70、と思うように伸ばせない3日間だったが。
最終ラウンドは、5アンダーで、スタートした英樹は、前半の1番から耐えながら
7番までのホールで、1パットパーを決めながら、パープレーを拾う我慢の展開。
8番(パー5)は、セカンドをグリーン手前から、ピン右をかすめ、2日連続かと思わせた
チップインイーグルのボールは、ピン1mにつけ最初のバーディを決めて6アンダーとし、
折り返す後半の、バックナインに入ると、10番では、ピンまで残り207ヤードの第2打を、
ピンそば60cmにベタピン、続くアーメンホールの難関11番でも、8mを沈めて
連続バーディを決め8アンダーとすると、12番でのバーディーパットは、カップを
かすめパー、圧巻は13番(パー5)で右サイドから、放ったアイアンでの2打目の
フェードボールは、英樹の思い描いた、軌道に乗せた一打、ピン左4mにピタリと付けて、
会心のイーグルパットを、難なくボールがカップに吸い込まれた瞬間、英樹は右手の
拳を力強く振り下ろした。一挙に4つ伸ばして10アンダーとし4位タイに浮上。
最終ホール18番では、打ち上げの2打目をピン奥3mにつけ、バーディパットを、
沈めると、あのオーガスタ独特の、パトロンの万雷の拍手が降り注いだ。
日本を飛び出した23歳の英樹が、世界トップクラスの選手として、オーガスタの
パトロンたちに認められた瞬間でもあった。
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最終ラウンドを終え、スタート時、5アンダーの10位タイから出た松山英樹は、
1イーグル、4バーディ、ノーボギーは、ロリー・マキロイと並ぶ、この日のベスト
スコア「66」は、日本人で大会史上最少スコアーをマークした、通算11アンダーでの
単独5位フィニッシュ。
このマスターズでは、12位タイまでに入った選手に、付与される特典で来年のマスターズ
大会の出場権の獲得と、獲得賞金40万ドル(4800万円)120ポイントを獲得した。
2013年「全英オープン」の6位を上回るマスターズ5位は、自身のメジャー最高順位と
なり今年のマスターズを見る限り、日本人史上初のメジャー制覇、優勝も近い将来、
夢でもなさそうだ。
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だが、松山英樹の言うように、PGAで優勝するには、今日のようなプレーが「2日3日目」
に出来なければ、ダメだという事を強く感じたようだ。それは「パット&メンタル」
メジャーという、マスターズの大舞台で、前半耐え忍んだ「1パットパー」の重みは
決して忘れる事の出来ない、貴重な経験として、これからの舞台で生きて来るだろう。
さぁ優勝も、手の届くところまで来たようだ。今後の英樹の試合、楽しくなってきた。
最終日 順位と成績(決勝ラウンド)
1位 18アンダー 64 66 70 70 270 J・スピース
2位 14アンダー 67 70 67 70 274 J・ローズ
2位 14アンダー 70 68 67 69 274 P・ミケルソン
4位 12アンダー 71 71 68 66 276 R・マキロイ ランキング1位
5位 11アンダー 71 70 70 66 277 松山英樹
6位 9アンダー 70 67 73 69 279 D・ジョンソン
6位 9アンダー 69 68 74 68 279 P・ケーシー
6位 9アンダー 73 72 67 67 279 I・ポールター
9位 8アンダー 67 68 71 74 280 C・ホフマン
9位 8アンダー 72 72 68 68 280 Z・ジョンソン
9位 8アンダー 75 70 68 67 280 H・メイハン
12位 6アンダー 74 66 70 72 282 K・ナ
12位 6アンダー 70 70 70 72 282 K・ストリールマン
12位 6アンダー 69 71 72 00 282 B・ハース
12位 6アンダー 74 66 73 00 282 R・ムーア
12位 6アンダー 73 72 70 67 282 R・ファウラー
17位 5アンダー 73 69 68 73 283 T・ウッズ 5連覇を狙う
17位 5アンダー 68 74 71 70 283 S・ガルシア
19位 4アンダー 72 69 71 72 284 L・ウーストハウゼン
19位 4アンダー 73 73 70 68 284 H・ステンション
21位 3アンダー 68 74 72 71 285 R・ヘンリー
松山英樹の、次戦の予定は2週休んで、
4月29日(水)開幕の「WGC キャデラックマッチプレー」(カリフォルニア州
TPCハーディングパーク)で復帰する予定のようだ。