1 ディスペンセーション主義者たちが主張する秘密携挙のシナリオ
秘密携挙のシナリオはおおよそ、次のような展開です。
ダニエル書第9章25節に出てくる70週の最後の週に該当する1週(7日)、すなわち7年間にキリストがそれぞれ異なるかたちで二段階にわたって再臨される。最初は7年の患難が始まる直前に秘密裡に空中降臨され、復活した義人と生きているクリスチャンたちを、誰にも知られずに、空中へ引き上げる秘密携挙がある。
そして、地上に反キリストが現れ、祭祀制度を回復させ、再建されたエルサレム神殿に座り、自らを神と称する卑劣な行為を働き、7つの災いを引き起こす。これに刺激を受け、アラブとアフリカの同盟勢力が起こり、ロシアとその同調勢力が介入して対決する。こうして危機が高まった状況の中で、ついにユダヤ人たちが回心し、キリストの元へ戻り、ヨハネの黙示録に出てくる14万4千は福音伝道者として世に出て、キリストを信じない異邦人たちの心を振り向かせる大きな歴史的展開が起きる一方、ハルマゲドン戦争が起こり、危機が最高潮に達する。
この時、イエス様が公に地上に再臨され、戦争を終わらせ、再びユダヤ人を主とする千年王国をこの地上にたてられる。
これが、ディスペンセーション主義者たちが教える終末論のシナリオです。
このような秘密携挙論には次のような8つの主張が含まれています。
2 秘密携挙論に含まれる8つの主張
1)物音ひとつ立てずに起きる携挙
キリストが空中で教会を携挙されるとき、この出来事は救われない大多数の人には気づかれない状態で起きる。すなわち、キリストは秘密裡に空中再臨されるので、携挙は物音ひとつ立てずに起きる。
2)不可視的に起きる携挙
携挙は秘密裡に起こるため、目で見ることができない状態で行われる。
3)生き残った悪人たち
キリストが教会を携挙なさるとき、悪人たちは地球で生きて存在する。
4)患難前に起きる携挙
神様は義人を保護するため、最後の時代の患難が起こる前に義人を携挙される。
5)キリスト再臨の二段階論
キリスト再臨は二段階で起きるが、最初の段階は見えも聞こえもしない秘密携挙であり、二段階目はキリストが実際に栄光の姿で公に地上に降臨される。
6)7年の間隔
二段階に分かれたキリストの再臨の間には7年という間隔がある。
7)キリストによる秘密携挙後、反キリストが地上に現れる
キリストによる秘密携挙は反キリストが現れる前に成し遂げられ、その後反キリストが現れ、世界を掌握した後、7年間の患難に突入する。
8)悪人たちのために、二度の機会が与えられる
携挙のとき、悪人たちは地上に残されるが、悔い改め、キリストに心を捧げて救いを受けることのできる二度目の機会が与えられる。
これらの8つの主張が、神様のお言葉である聖書によって確証を得られるかどうか、順番に聖書と照らし合わせながら見ていきましょう。