2 患難を過ごした義人
秘密携挙論を主張するディスペンセーション主義者たちは、過去の聖書の歴史においても、たびたび、義人が患難を神様の恩恵によって免れたため、最後の時代にも義人は秘密携挙を通じて最後の患難を免れると唱えています。本当にそうでしょうか?イスラエルの民が、エジプトから出るのを許さなかった王のせいで、エジプトに降りかかった10の災いについて考えてみましょう。神様はイスラエルの民を患難の中でどのように扱われたでしょうか。最初の3つの災いはイスラエルの民を含め、エジプトに暮らす全ての人たちに降りかかりました。そして残りの7つの災いから自身の民を守るために、彼らをエジプト国境外に連れて行かれませんでした。10の災いがすべて終わった後、紅海を裂くという奇跡が起こり、イスラエルの民は出エジプトできたのです。
同様に、最後の時代においても、7つの災害を避けさせるため、キリスト教会を天へ携挙させることはなさらないのです。義人は神様の言葉を忍耐して守ることによって、患難の中で守られ、7つの災いと患難が終わった後で、空中に昇天させられるのです。義人も災いの中である程度影響を受けますが、そのせいで信仰を諦めたり、挫折したりすることはありません。彼らは「聖徒の忍耐」を持ち、神様の言葉を守ることによって獣の印を拒否し、患難を通過し、勝利するのです。「ここに、神の戒めを守り、イエスを信じる信仰を持ちつづける聖徒の忍耐がある」(黙示録14:12)。
神様が義人を患難の中で守ってくださった例を見てみましょう。創世記6章~8章にはノアの洪水の話が出てきます。神様はノアの家族を天へ携挙される代わりに、洪水の中で保護されました。ダニエル書3章には、神様がダニエルの3人の友達を保護される話が出てきます。神様は炉の火という患難自体をなくすことによって、彼らを救おうとはされませんでした。炉の火の中で彼らと共にいて、彼らの髪の毛一本も燃えないように守られました。ダニエル書6章には、ダニエルを獅子の穴から救われる話が出てきます。この時も、ダニエルが獅子の穴に入らないようにすることによって、ダニエルを救うのではなく、穴の中で獅子の口を塞ぐ奇跡を起こし、ダニエルを守られました。