今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

シリーズ塔(中国・四国地方)6-2<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2024年09月19日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(中国・四国地方)6-2<三重塔・五重塔・多宝塔他>
岡山県(本山寺、国分寺、宝福禅寺、遍照院、長福寺<追加>、西大寺、福生寺<追加>
山口県(瑠璃光寺)
徳島県(霊山寺)
香川県(志度寺、善通寺)
愛媛県(石手寺)
高知県(竹林寺)

34 岡山県
34-01 岩間山 本山寺(岡山県久米郡美咲町定宗)
三重塔(重要文化財)



江戸時代初期の承応元年(1652年)津山藩主森忠政によって建造された



檜皮葺で三重塔としては岡山県下最大









34-02 日照山 国分寺<備中国分寺跡>(岡山県総社市上林)
五重塔(重要文化財)






岡山県内唯一の五重塔



南北朝時代に奈良時代の七重塔(推定高さ50m)を焼失したのち、1821年(文政4年)に位置を変えて再建
弘化元年(1844年)ごろに完成、高さは34.32m



この塔は、 屋根の上層と下層がほぼ同じ大きさの細長い造りで相輪も短い



当初は三重塔で計画されたのを五重塔に変更したとされ、3層まではケヤキ材、4・5層まではマツ材が主体






34-03 井山 宝福禅寺(岡山県総社市井尻野)
三重塔(重要文化財)
総高18.47m
寺伝によれば弘長2年(1262年)鎌倉幕府の執権・北条時頼が寄進して建立したといわれていた



しかし、昭和42年(1967年)に行った解体修理の際、永和2年(1376年)の墨書銘が発見
実際にはもう少し時代が下った南北朝時代の建築であることが確認された















34-04 神遊山 神宮寺 遍照院(岡山県倉敷市西阿知町)
三重塔(重要文化財)
開山智空上人が寛和元年(985年)に創立後、応永23年(1416年)に智海僧正が再建したものである



建物は和様形式を主体とした方三間(=四方三間)本瓦葺きで屋根の相輪は青銅製
柱は総て円柱、高さは22.25m



内陣の須弥壇上には、本尊として金剛界の大日如来を祀る
この塔は、大正14年に国宝に指定、制度の改正に伴い、昭和25年に重要文化財に指定された






<追加>
34-05 真木山 長福寺(岡山県美作市真神414)
三重塔(重要文化財)






棟札の銘から鎌倉時代の弘安8年(1285年)に大工棟梁・藤原国右衛門尉によって建立された



昭和26年(1951年)真木山上から現在地に移築された。昭和55年(1980年)保存修理が完了



岡山県最古の木造塔建築物だという



平成27年6月には、杮葺きの屋根が葺き替えられた



「うまく撮れますか」と塔の近くに住むという男性に声を掛けられた
幼い頃、祖父から、真木山上から解体された木材を手で運んだということを聞かされていたそうだ
平成27年6月、杮葺きの屋根が葺き替えられた際には、近くで進捗状況をスマホで撮り、記録していたと話してくれた






34-06 金陵山 西大寺(岡山県岡山市東区西大寺中三丁目8番8号)
三重塔(岡山県指定文化財)



延宝6年(1678年)の建立
塔身と相輪とのバランスもよく、和様を基調としながら一部に禅宗様を取り入れている



「胎蔵界大日如来」を安置している









<追加>
34-07 大滝山 福生寺(岡山県備前市大内999)
三重塔(重要文化財)
山の尾根にぽつんと建っている塔は私の経験では初めてだ






寺伝では嘉吉元年(1441年)室町幕府6代将軍 足利義教の命によって建立された



塔周辺は狭くて足場も悪く、油断すると崖から落下する恐れもある
塔全体を撮るために、瓦礫が積まれている場所によじ登る



国宝・重要文化財の塔巡りは私の旅の大きな目的の一つ
今回の旅で新たに一つ加わった
写真から塔周辺の狭さと危険さを再認識(汗)







35 山口県
35-01 保寧山 瑠璃光寺(山口県山口市香山町)
瑠璃光寺五重塔(国宝)
五重塔は応仁の乱(足利義満との戦い)で亡くなった大内義弘の霊を弔うため、弟の盛見が嘉吉2年(1442年)に建築した
大内文化の最高傑作と称され国宝に指定されている



京都の醍醐寺、奈良の法隆寺、そして山口の瑠璃光寺と、日本三名塔の1つに数えられている















現在、約70年ぶりの檜皮葺屋根葺き替え工事が行われている
次の世代へ引き継ぐための保存修理と、文化財建造物の保存修理を支える伝統技術継承の場ともなっている
このような姿はこの先数十年見ることができないと思うので追加掲載した



令和8年(2026年)3月までが工事期間であるが、それまで元気でいられるかどうか心配だ



36 徳島県
36-01 竺和山 霊山寺(徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻)
<多宝塔>



額には「五智如来」  応永年間(1394年 - 1428年)の建造



五智如来像を安置している



37 香川県
37-01 補陀洛山 志度寺(香川県さぬき市志度1102番地)
五重塔
高さ33m 昭和48年(1973年)から着工され、昭和50年(1975年)5月に落成



地元出身の実業家竹野二郎によって寄進された



本尊:胎蔵大日如来坐像<木造如来形坐像>(香川県指定文化財)



37-02 七宝山 持宝院 本山寺(香川県三豊市豊中町本山甲1445番地)
五重塔(三豊市指定文化財)
明治43年(1910年)再建立。14年間の歳月を経て落慶に至る
礎石から相輪先端までの高さ31.75m









37-03 屏風浦五岳山 誕生院 善通寺 <東院>(香川県善通寺市善通寺町 3-3-1)
五重塔(重要文化財)
基壇から相輪までの高さが約43mの五重塔は、国内の木造塔として3番目の高さを誇る
創建以来いくたびかの倒壊、焼失により再建を繰り返し、現在の五重塔は、4代目となり明治35年(1902年)に完成した



密教思想の中心的存在である五智如来(五仏)が安置されている



一般的な木造多層塔とは異なるふたつの特徴
1 五層、すべての階の天井が高くつくられ、人が立って歩けるようになっている
2 善通寺の五重塔の心柱は、地面(基礎の礎石)から浮いている「懸垂工法」



毎年、ゴールデンウィークには1階と2階の内部が特別公開されている



38 愛媛県
38-01 熊野山 虚空蔵院 石手寺(愛媛県松山市石手2丁目)
三重塔(重要文化財)
鎌倉時代末期の建立。高さは24.1m












39 高知県
39-01 五台山 金色院 竹林寺(高知県高知市五台山)
<五重塔>
もともと三重塔があったが、明治32年の台風で倒壊、昭和55年(1980年)に五重塔として再建された



高さ31.2m、間口4.8m、総檜造。鎌倉時代初期の様式





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シリーズ塔(北陸地方)3<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2024年09月18日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(北陸地方)3<三重塔・五重塔・多宝塔他>
新潟県(五智国分寺<追加>乙宝寺、酒呑童子神社、本成寺)
富山県(国泰寺、日石寺<追加>
石川県(那谷寺、妙成寺、不動寺 )
福井県(明通寺<追加>、金前寺)

15 新潟県
<追加>
15-01 安国山 五智国分寺(新潟県上越市五智)
三重塔(新潟県指定文化財)


















寛政6年(1794年)の焼失後の安政3年(1856年)に再建を着工
慶応元年(1865年)に棟上がされたが高欄等は未完成である






三重塔周辺の木々が生長し塔全体を撮ることが難しくなっている






15-02 如意山 乙宝寺(新潟県胎内市乙
三重塔(重要文化財)
塔内安置仏は普賢菩薩で、辰年と巳年生まれの守り本尊というから縁を感じる


















15-03 酒呑童子神社(新潟県燕市国上)
<五重塔>
平成9年(1997年)分水町の大工が「趣味」で数年の歳月をかけ手作りで完成したという






15-04 法華宗陣門流総本山 長久山 本成寺(新潟県三条市西本成寺)
多宝塔(三条市指定文化財)



多宝塔は本来、下層部が方形で上層部が円形になっている
この建物は上下層ともに方形



明和7年(1770年)に再興された



16 富山県
16-01 摩頂山 国泰寺(富山県高岡市太田)
<三重塔(利生塔)>
利生塔とは南北朝時代に設定された寺院制度の一つ
元弘以来の争乱による戦没者の弔霊と天下太平を祈願するため、全国に寺院1宇と塔婆1基を建立することが定められた



幕府の要請によって、それらの各国の寺、塔に対してそれぞれ「安国寺」「利生塔」と称することが勅許された



利生塔は68基が設置され、形式は五重塔と三重塔で、仏舎利各2粒が奉納された



<追加>
16-02 大岩山 日石寺(富山県中新川郡上市町大岩163)
三重塔(上市町指定文化財)
富山県内で最も古い木造の三重塔(江戸時代後期)高さ15m
回りに壁が無く、心柱など丸見え状態である



建造時の財政難で省略したためと考えられているが、これがこの塔の特徴となっている
私自身全国の塔巡りをしているが、初体験である









17 石川県
17-01 自生山 那谷寺(石川県小松市那谷町)
三重塔(重要文化財)



堂内には仏像が安置されている
「胎蔵界大日如来」 1338年新田義貞の軍によって焼かれ、白山衆徒の手で火中より運び出された



元は那谷寺根本堂の本尊
昭和16年(1941)に国宝指定を受け、昭和25年(1950)に重要文化財に新指定されたという



寛永19年(1642年)建立
(加賀三代 前田利常公が後水尾帝の勅命により再建)









17-02 金栄山 妙成寺 (石川県羽咋市滝谷町)
五重塔(重要文化財)
底辺4.85m四方、高さ34.27m















17-03 倶利伽羅山 不動寺 山頂本堂(石川県河北郡津幡町倶利伽羅)
<五重塔>
室生寺の五重塔が屋外に建つ最小の塔と思っていたが高さ8m、室生寺16mのちょうど半分






18 福井県
<一部追加>
18-01 棡山 明通寺(福井県小浜市門前)
三重塔(国宝)















文永7年(1270年)建立 初層平面方三間(4.18m)総高 22.12m、桧皮葺木造三重塔婆
鎌倉建築を代表する建造物









18-02 誓法山 金前寺(福井県敦賀市金ケ崎町1-4)
五重塔
私の大好きな塔だが違和感がある
相輪が無いのだ



平成17年(2005年)の建立
工事費は、平成12年~平成17年の寒修行托鉢による市民の尊い浄財積立金を充当






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シリーズ塔(中部地方)4-2<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2024年09月17日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(中部地方)4-2<三重塔・五重塔・多宝塔他>
岐阜県(横蔵寺、日吉神社、真禅院<追加>、圓鏡寺、新長谷寺、日龍峰寺、飛騨国分寺)
愛知県(興正寺、龍泉寺、妙厳寺<通称:豊川稲荷>、日泰寺)

21 岐阜県
21-01 両界山 横蔵寺(岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲神原)
三重塔(岐阜県指定文化財)












<一部追加>
21-02 日吉神社(岐阜県安八郡神戸町大字神戸)
三重塔(重要文化財)
現存のこの塔は正世年間1500年の初め、斎藤利綱(春日局の伯父)が再建
約70年後の天正13年(1585年)に稲葉一鉄(春日局の叔父)が修造したもの












相輪頂上までの高さ 24.6m
室町時代後期(1467年 - 1572年)の建立






<一部追加>
21-03 朝倉山 真禅院(岐阜県不破郡垂井町宮代)
三重塔(重要文化財)
寛永19年(1642年)建立
明治初年に南宮神社境内から移築


















草創:天平13年(741年)、寛永19年(1642年)の再建



南宮神社造営文書によると、京都の石材商 久保権兵衛が日本初の請負工事で落成させたという
高さ 25.38m



21-04 池鏡山 圓鏡寺(岐阜県本巣郡北方町北方)
三重塔
平成1年(1989年)の建立






21-05 吉田山 新長谷寺(岐阜県関市長谷寺町)
三重塔(重要文化財)
「境内全域撮影禁止」という珍しい寺



21-06 大日山 日龍峰寺(岐阜県関市下之保)
多宝塔(重要文化財)



室町時代、応仁の乱によって多宝塔を残し堂宇の大半を焼失した
この多宝塔は将軍家建立になる唯一の建造物









21-07 醫王山 飛騨国分寺(岐阜県高山市総和町1-83)
三重塔(岐阜県指定文化財)
天平の大塔の後、斉衡元年(854年)五重塔を再建
寛政3年(1791年)の烈風で吹倒。その後、文政4年(1821年)現在の三重塔が完成した



屋根は柿萱であったが、大正11年(1922年)塚越斧太郎居士の寄進で銅萱に改めた
白木造りの雄姿は山都高山の風物詩になっている



本尊に大日如来を安置し、心柱には仏舎利を納めている



23-1 愛知県
23-01 八事山 興正寺(愛知県名古屋市昭和区八事本町)
五重塔(重要文化財)
東海地区に現存する唯一の木造五重塔



文化5年(1808年)に建立され、高さは30m



初回訪れた時が大雨だったので晴れた日を選んで訪れると様子が変わっていた



釈迦牟尼大仏(平成大仏) 平成26年9月に「国家安穏」の祈りを込めてこの地に安置された









23-02 松洞山 大行院 龍泉寺(名古屋市守山区竜泉寺)
<多宝塔>
大日如来像を祀っていたが長久手合戦の際焼失
慶長3年から復興され、更に明治年間に大修理






23-03 円福山 豊川閣 妙厳寺<通称:豊川稲荷>(愛知県豊川市豊川町)
<三重塔>






23-04 覚王山 日泰寺(愛知県名古屋市千種区法王町)
<五重塔>



塔が好きでたくさんの枚数を撮ってきたが、このように「青空に白い雲」という好条件で撮った記憶がない



1997年(平成9年)完成。高さが30m、中には写経が納められている









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シリーズ塔(関西地方)5-3<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2024年09月15日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(関西地方)5-3<三重塔・五重塔・多宝塔他>
大阪府(叡福寺、慈眼院)
兵庫県(鶴林寺、福祥寺、斑鳩寺、一乗寺<追加>、如意寺、伽耶院、太山寺、石峯寺、
    温泉寺、朝光寺、柏原八幡宮、高源寺<追加>

27 大阪府
27-01 磯長山 叡福寺(大阪府南河内郡太子町太子)
宝塔(重要文化財)
承応元年(1652年)の再建
本尊は東面に釈迦・文殊・普賢の三尊像、西面に金剛界の大日如来を安置












27-02 大悲山 願成就寺 慈眼院(大阪府泉佐野市日根野)
多宝塔(国宝)
6つある国宝の多宝塔の一つ









文永8年(1271年)建立
高さ約10mで、屋外にある木造多宝塔で国宝・重要文化財に指定されているものの中では日本最小



石山寺、金剛三昧院の塔とともに日本の多宝塔の三名塔の一つとされる
内部には大日如来坐像(大阪府指定有形文化財)を安置




28 兵庫県
28-01 刀田山 鶴林寺(兵庫県加古川市加古川町北在家)
三重塔(兵庫県指定文化財)
室町時代の創建だが、江戸時代に大修理が行われている












28-02 上野山 福祥寺<須磨寺>(兵庫県神戸市須磨区須磨寺町)
<三重塔>
弘法大師1500年御遠忌、当山開創1100年、平敦盛卿800年遠忌を記念して昭和59年に再建された。(旧塔は400年前の文禄大地震の際に倒壊)









28-03 斑鳩山 斑鳩寺(兵庫県揖保郡太子町鵤)
三重塔(重要文化財)
室町時代後期、永禄8年(1565年)赤松政秀によって建立






法隆寺創建から斑鳩寺が法隆寺を経済的に支えてきたと以前 住職から聞いたことがある


















28-04 法華山 一乗寺(兵庫県加西市坂本町)
三重塔(国宝)
承安元年(1171)長吏法印隆西、一和上仁西の勧進により造立



承安4年(1174)額田部武末の屋根瓦寄進によって完成



















一乗寺の魅力はこの三重塔を上から下まで任意の高さから拝観できることだ



高さ21.8mの「相輪」を他ではこのように撮ることはできない






塔身部の逓減率(初重から三重に向かって小さくなる率)の大きい点が特色である



28-05 比金山 如意寺(兵庫県神戸市西区櫨谷町谷口)
三重塔(重要文化財)
常行堂と対面した三重塔は元和5年(1619)の修理の際に発見された龍車という相輪の刻銘により、
南北朝時代、至徳2年(1385年)に建立されていたことが分かった






本瓦葺、高さ21.33m



純和様の建造物で各層各階にはそれぞれ大日・釈迦・多宝如来を安置して法華教と密教思想の融合を表している









28-06 大谷山 伽耶院(兵庫県三木市志染町)
多宝塔(重要文化財)
正保4年(1647)小倉城主源忠真の寄進により建立






相輪を失っていたが昭和60年に復元



弥勒菩薩を安置






28-07 三身山 太山寺(兵庫県神戸市西区伊川谷町前開)
三重塔(兵庫県指定文化財)
心柱宝珠柱の銘と棟札 から、江戸時代前期の貞享5年(1688) の建立とされる









大日如来像と四天王像安置






28-08 岩嶺山 石峯寺(兵庫県神戸市北区淡河町神影)
三重塔(重要文化財)
室町時代、銅板葺、高さ24.41m






この時代に造られた三重塔のなかでも最も大きい塔の一つと案内板に書かれていた



823年(弘仁14年)、嵯峨天皇の勅願により三重塔を建立したとの伝えもある









28-09 末代山 温泉寺(兵庫県豊岡市城崎町湯島)
多宝塔(豊岡市指定文化財)









28-10 鹿野山 朝光寺(兵庫県加東市畑)
多宝塔(兵庫県指定文化財)












<追加>
28-11 柏原八幡宮(兵庫県丹波市柏原町柏原3625)
三重塔(兵庫県指定文化財)



応仁2年(1469年)に創建されたが、本殿と同様に焼失・再建を繰り返す
現存する塔は江戸時代後期 文化12年(1815年)に彫刻師中井権治が中心となって再建された
三間三重塔婆、本瓦葺、檜皮葺、総高23m



神社に塔が残っている事例は全国で18例のみであり極めて珍しい



<追加>
28-12 瑞巌山 高源寺(兵庫県丹波市青垣町桧倉514)
三重塔(多宝塔)
寛政2年(1790年)頃、弘巌玄猊禅師の建立
中は「輪蔵」という造りで、経典を納めている



周辺を歩いてみたが、塔全体を撮ることができるのは、この場所のみ



正面には三国伝来の印度昆須鳩摩の作と伝えられる開運「毘沙門天」を祀る












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シリーズ塔(関西地方)5-2<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2024年09月14日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>5-2(関西地方)
京都府(仁和寺、神護寺、清凉寺、円隆寺<追加>、智恩寺、金剛院、淨瑠璃寺、岩船寺、
    海住山寺、東寺、醍醐寺、穴太寺)

26 京都府
26-01 大内山 仁和寺(京都府京都市右京区御室大内)
五重塔(重要文化財)
寛永21年(1644)建立。塔身32.7m、総高36.18m









26-02 高雄山 神護寺(京都府京都市右京区梅ケ畑高雄町)
<多宝塔>



26-03 五台山 清凉寺(京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町)
<多宝塔>



<一部追加>
26-04 慈恵山 円隆寺(京都府舞鶴市引土)
多宝塔(京都府指定文化財)
宝暦元年(1751年)の建立
三間多宝塔、本瓦葺












地元の大工・林田伝之丞房章などの手によるもの
多宝塔の亀腹を瓦葺にするなど独創的な建築として価値が高い



以前訪れた時、周囲の木々の枝が伸びすぎて建物が隠れてしまい、うまく撮ることができなかった
今回は光にも恵まれた感じがする






26-05 天橋山 智恩寺(京都府宮津市字文珠)
多宝塔(重要文化財)



明応9年(1500年)、府中城主 延永修理進が自分の病気全快を感謝し、一の宮の別当大聖院の智海に託して建立寄進したもの









26-06 鹿原山 慈恩寺 金剛院(京都府舞鶴市鹿原)
三重塔(重要文化財)
本尊の波切不動明王の力により白河天皇の病気が平癒されたことを喜び、荒廃していた当山を復興し三重の塔を建立、「慈恩寺」の寺号を下賜された






眞如親王像
平城天皇第3皇子、世の無常を感じ仏門に入り、法名を眞如と称し、弘法大師の十大弟子の一人として仏法の隆盛に尽くした
さらに法を求めて天竺に向かい、途中消息を絶った















26-07 小田原山 法雲院 淨瑠璃寺<九体寺>(京都府木津川市加茂町西小 札場)
三重塔(国宝)
「浄瑠璃寺流記事」によると治承2年(1178年)京都の一条大宮から移建したとある
どこの寺院にあったものかは不明である
浄瑠璃寺に移築された後、初層内部に仏壇を置きその上に薬師如来像(重文、秘仏)が安置された


















26-08 高雄山 岩船寺(京都府木津川市加茂町岩船上ノ門)
三重塔(重要文化財)






三間三重塔婆の本瓦葺、高さは約18mで本堂南側山手の境内阿字池の奥まった高台に東を正面として建つ



寺伝によると「智泉大徳」入滅のあと10年が過ぎて、承和年間(834~847年)に仁明天皇が智泉の遺徳を偲んで宝塔を建立した



承久三年(1221年)の承久の乱で兵火を被った
現存する塔は、室町時代の嘉吉2年(1442年)に建立されたもの






29-09 補陀洛山 海住山寺(京都府木津川市加茂町例幣海住山境外)
五重塔(国宝)
全国に9塔ある国宝の塔の一つ(他は羽黒山、東寺、醍醐寺、法隆寺、興福寺、室生寺、明王院、瑠璃光寺)



鎌倉時代の五重塔の貴重な遺構であり、総高17.7mと、室生寺に次いで小さい



貞慶が舎利を安置するために建立を始め、その没後建保2年(1214)に完成






初層の屋根の下に裳階と呼ぶ庇を設けている
裳階をもつ五重塔としては法隆寺五重塔の例があるが、現存する平安 - 鎌倉時代の五重塔では海住山寺のみである






29-10 東寺<教王護国寺>(京都府京都市南区九条町)
五重塔(国宝)
雷火や不審火で4回焼失、現在の塔は5代目で、寛永21年(1644年)建立
高さ54.8m(木造塔としては日本一の高さ)


















29-11 醍醐山 醍醐寺 (京都府京都市伏見区醍醐東大路町22)
五重塔(国宝)



醍醐天皇のご冥福を祈るために、第一皇子・朱雀天皇が承平6年(936年)に着工し
第二皇子・村上天皇の天暦5年(951年)に完成した



高さは約38mで屋根の上の相輪は約13mあり、相輪が塔の三分の一を占め、安定感を与えている



京都府下で最も古い木造建築物



高さ12.8mの相輪



応仁の乱で伽藍はほぼ全焼し、その後も焼失と再建を繰り返しているが、五重塔は創建当時のまま現在に残っている






29-12 菩提山 穴太寺(京都府亀岡市曽我部町穴太東辻46)
多宝塔(京都府指定文化財)
文化元年(1804年)再建
三間の多宝塔で柱は全て円柱



軒は下重に二軒繁垂木、上重に二軒扇垂木として変化を持たせている



多宝塔を借景として取り入れ、これに合わせて築山を設け、石組みを配している






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シリーズ塔(九州・沖縄地方)7<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2023年09月29日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(九州・沖縄地方)7<三重塔・五重塔・多宝塔他>
長崎県(西教寺<新規>

42 長崎県
42-01 高野山 最教寺(長崎県平戸市岩の上町1206番地1)
三重大塔
三重大塔は、最教寺が弘法大師の1150年御遠忌を記念して、奥の院本殿横に建立した
相輪までの高さは33.5m









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シリーズ塔(中国・四国地方)6-1<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2022年09月27日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(中国・四国地方)6-1<三重塔・五重塔・多宝塔他>
島根県(清水寺)
広島県(佛通寺、西國寺、浄土寺、厳島神社、耕三寺、向上寺、明王院)

32 島根県
32-01 瑞光山 清水寺(島根県安来市清水町)
三重塔(島根県指定文化財)



戦国期の城郭を思わせる石垣。高さ33.3m












33 広島県
33-01 御許山 佛通寺(広島県三原市高坂町許山)
多宝塔(登録有形文化財)



昭和初期の建築で、軒周辺の材料に反りをもたせせ、整った塔姿が特徴の近代の多宝塔






33-02 摩尼山 西國寺(広島県尾道市西久保町)
三重塔(重要文化財)
永享元年(1429年)室町幕府6代将軍足利義教の寄進により建立された



案内板によると、三間三重塔婆・本瓦葺の記載がある






復古式建築の純和様の重量感ある美しい塔






33-03 転法輪山 大乗院 浄土寺(広島県尾道市東久保町)
多宝塔(国宝)
鎌倉時代末期、嘉暦3年(1328年)建立






 











33-04 厳島神社(広島県廿日市市宮島町)
五重塔(重要文化財)






応永14年(1407)の建立。総高29.3m












多宝塔(重要文化財)






33-05 潮聲山 耕三寺(広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田)
<五重塔(大慈母塔)>
奈良・室生寺五重塔(国宝)を模している












多宝塔(国登録有形文化財)
滋賀県大津(近江)の国宝石山寺の多宝塔を原型としている



塔内には本尊の大日如来坐像を安置



33-06 潮音山 向上寺(広島県尾道市瀬戸田町)
三重塔(国宝)
永亨4年(1432)に建てられ、 国宝の三重塔の中では最も新しい









この塔の特徴は組物に入れられた 装飾彫刻との説明書きがある












33-07 中道山 円光寺 明王院(広島県福山市草戸町1473番地)
五重塔(国宝)
国宝に指定されている五重塔は9基(羽黒山、東寺、醍醐寺、海住山寺、法隆寺、興福寺、室生寺、明王院)
三重塔(13基)、多宝塔(6基)も回っているので、今回の明王院で目標を達成した



貞和4年(1348年)の建立 高さ29.14m
法隆寺・室生寺・醍醐寺・海住山寺に次ぐ5番目の古さを誇り、中世密教寺院における現存唯一の遺例といわれている



相輪の刻銘には、この塔が当時の繁栄した草戸千軒の経済力を背景に、ささやかな民衆の浄財を募って建立されたことが明記されている












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シリーズ塔(関西地方)5-1<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2022年09月27日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(関西地方)5-1<三重塔・五重塔・多宝塔他>
三重県(大宝院)
滋賀県(西明寺、金剛輪寺、石塔寺<一部追加>、石山寺、常楽寺、園城寺、延暦寺、総見寺、宝厳寺、長命寺<追加>

24 三重県
24-01 恵日山 観音寺 大宝院(三重県津市大門32番)
<五重塔>
平成13年(2001年)三重県下初の木造五重塔が完成






25 滋賀県
25-01 龍應山 西明寺(滋賀県犬上郡甲良町大字池寺)
三重塔(国宝)
総高23.7m 檜皮葺き 鎌倉時代後期の建立で釘が使われていない



相輪は銅製とすることが多いが、本塔は鉄製である









25-02 松峯山 金剛輪寺(滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺)
三重塔(重要文化財)
寺伝では鎌倉時代の寛元4年(1246年)の建立



塔の扉が開かれ、大日如来が安置され拝観することができた



 





<一部追加>
25-03 阿育王山 石塔寺(滋賀県東近江市石塔町)
石造三重塔<伝・阿育王塔>(重要文化財)
奈良時代前期建立。石造層塔としては日本最古であり、石造三重塔としては日本最大。高さ7.6m



境内には、阿育王塔と呼ばれる石造三重塔を中心に、数万基の石塔や石仏が並ぶ



著名人の感想
司馬 遼太郎 「最後の石段をのぼりきったとき、眼前にひろがった風景のあやしさについては、わたしは生涯忘れることができないだろう」
瀬戸内 寂聴 「思わず声をあげた自分に気がつき、雨の降りかかるのも忘れて、塔の方へ駆けよらずにはいられなかった」



<追加>


長保3年(1003年)に唐に留学した比叡山の僧・寂照法師は、五台山に滞在
五台山の僧から、「昔インドの阿育王が仏教隆盛を願って三千世界に撒布した8万4千基の仏舎利塔のうち
2基が日本に飛来しており、1基は琵琶湖の湖中に沈み、1基は近江国渡来山の土中にある」と聞いた



寂照は日本に手紙を送ってこのことを知らせた
3年後の寛弘3年(1006年)、播州明石の僧・義観僧都がこの手紙を入手し、一条天皇に上奏
一条天皇の勅命により、塔の探索を行ったところ、石塔寺の裏山に大きな塚を発見し阿育王塔が出土した



伝承のうち、「インドの阿育王」云々が後世の仮託で
実際には奈良時代前期(7世紀)頃に、朝鮮半島系の渡来人によって建立されたとみるのが通説

写真家土門拳氏によると彼ら亡命者たちは、与えられた異境の山野で開拓に従事した
そして生活も安定したとき、敬虔な仏教徒であった彼らは石塔を造営したのであろうと述べている



25-04 石光山 石山寺(滋賀県大津市石山寺)
多宝塔(国宝)
源頼朝の寄進で建久5年(1194)建立。年代の明らかなものとしては日本最古の多宝塔












現在、国宝に指定されている多宝塔は、石山寺を含め6塔ある
慈眼院(大阪府泉佐野市)、長保寺(和歌山県海南市)、金剛三昧院(和歌山県高野町)、根来寺(和歌山県岩出市)、浄土寺(広島県尾道市)



多宝塔の初重内部は須弥壇を設け、仏像を安置するのが原則で、石山寺多宝塔のように大日如来を本尊として安置する例が多い
快慶作の大日如来像(重要文化財)






25-05 阿星山 常楽寺(滋賀県湖南市西寺)
三重塔(国宝) 
室町時代建立。三間塔婆本瓦葺



塔は本来仏舎利を安置する建物だが、天台宗では法華経を仏舎利の替わりに安置している






ここでは目線の高さで塔を見ることができる







 

25-06 長等山 園城寺<三井寺>(滋賀県大津市園城寺町)
三重塔(重要文化財)
三間三重塔婆 本瓦葺 室町時代



奈良県の比曽寺にあった塔を豊臣秀吉が伏見城に移築したものを、慶長6年(1601年)、徳川家康が再度移築させた



 


25-07 比叡山 延暦寺<横川>(滋賀県大津市坂本本町)
<根本如法塔>









25-08 遠景山 総見寺(滋賀県近江八幡市安土町)
三重塔(重要文化財)
享徳3年(1454年)建立。高さ19.7m












25-09 巌金山 宝厳寺 (滋賀県長浜市早崎町)
三重塔
平成12年5月、当寺では江戸時代初期に焼失したと言われている「三重塔」を、約350年ぶりに復元












<追加>
25-10 姨綺耶山 長命寺 (滋賀県近江八幡市長命寺町157)
三重塔(重要文化財)
高欄擬宝珠銘から慶長2年(1597年)の再建















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シリーズ塔(関東地方)2-2<三重塔・五重塔・多宝塔他>

2022年09月24日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔(関東地方)2-2<三重塔・五重塔・多宝塔他>
千葉県(新勝寺、福聚院)
東京都(浅草寺、本門寺、寛永寺)
神奈川県(川崎大師<追加>

11 千葉県
00-01 成田山 新勝寺(千葉県成田市成田)
三重塔(重要文化財)











  



<平和の大塔>
1984(昭和59)年に建立された平和の大塔は、真言密教の教えを象徴する総高は58mの塔



根来寺の大塔の大きさに驚いたことがあったが、さらに20mも高い



11-02 天応山 観音教寺 福聚院<芝山仁王尊>(千葉県山武郡芝山町芝山)
三重塔(千葉県指定文化財)












12 東京都
12-01 金龍山 浅草寺(東京都台東区浅草)
<五重塔>






12-02 長栄山 大国院 本門寺(池上本門寺)東京都大田区池上)
宝塔(重要文化財)
日蓮聖人御入滅の折の御荼毘所









円筒形の塔身に宝形屋根を載せた宝塔形式の塔で、内部空間を有するものは他にほとんど類例がないそうだ



五重塔(重要文化財)
桃山時代・慶長13年(1608)建立。高さ31.8メートル
空襲による焼失をまぬがれた貴重な古建築の1つ












12-03 東叡山 寛永寺(東京都台東区上野公園)
旧寛永寺五重塔(重要文化財)



五重塔は上野動物園内にあるため、600円の入園料(拝観料)を払った






寛永八年(1631)に初建されたこの塔は、第五層のみが銅板葺で、他は瓦葺、高さは地上から先端の宝珠まで36m
現在の塔は寛永十六年(1639)の再建



14-01 金剛山 金乗院 平間寺<川崎大師>(神奈川県川崎市川崎区大師町)
<追加>
八角五重塔(中興塔)
昭和59年の当山吉例大開帳ならびに弘法大師1150年御遠忌を記念し落慶された
境内と諸堂宇との調和を考慮し、さらに真言の様式にかなうよう華麗にして格調ある「八角」としている
八角は最も円に近い建造物の形といわれ、「包容力」「完全性」を象徴している



祈りと平和の像と八角五重塔



やすらぎ橋と八角五重塔



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シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>5-6(関西地方)

2021年03月24日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>5-6(関西地方)
和歌山県(金剛三昧院、道成寺、青岸渡寺、根来寺、紀三井寺、浄妙寺、長保寺、高野山

30 和歌山県
30-01 高野山真言宗 別格本山 金剛三昧院(和歌山県伊都郡高野町高野山)
多宝塔(国宝)
高さ15m。屋根の一辺はおよそ9m。内部の須弥壇には仏師運慶作の秘仏 五智如来像が安置されている



建立は貞応2(1223)年、高野山で現在残っている、もっとも古い建立物
北条政子が夫・源頼朝の逝去に伴い創建した禅定院の規模を拡大し、金剛三昧院と改めたときに造営することになった



滋賀県大津市の石山寺に次いで二番目に古い



金剛三昧院は高野山内117ケ寺(52ケ寺は宿坊)塔頭寺院として唯一、世界遺産に選ばれた寺院



<追加>















30-02 天音山 道成寺 (和歌山県日高郡日高川町大字鐘巻)
三重塔(和歌山県指定文化財)
江戸時代 宝暦14年(1764年)再建












30-03 那智山 青岸渡寺(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字那智山)
<三重塔>









 


30-04 一乗山 大伝法院 根来寺(和歌山県岩出市根来)
大塔(国宝)
正式名:大毘廬遮那法界体性塔(だいびるしゃなほっかいたいしょうとう) 通称:大塔



高さ40m、幅15mの木造では日本最大の多宝塔



本尊・胎蔵大日如来












30-05 紀三井山 金剛宝寺 護国院<別称:紀三井寺>(和歌山県和歌山市紀三井寺)
多宝塔(重要文化財)
室町時代・文安6年(1449)建立  



和様を基調としつつ、唐戸、花頭窓などを用いている









30-06 醫王山 浄妙寺(和歌山県有田市宮崎町)
多宝塔(重要文化財)
「何と美しい多宝塔だろう」が第一印象


















30-07 慶徳山 長保寺(和歌山県海南市下津町)
多宝塔(国宝)
本堂・塔・大門と三つ揃って国宝の寺は「法隆寺」と「長保寺」だけ



正平12年(1357年)の建築。本瓦葺






多宝塔は真言宗の寺院に多いのだが、この塔はこの寺が真言宗に改宗された時期に建立されたという



<追加>
30-08 高野山 <壇上伽藍>(和歌山県伊都郡高野町高野山)
根本大塔
金堂とともに壇上伽藍の中核となる堂塔で、高野山のシンボルになっている



空海は高野山開創にあたり、真言密教の根本道場として、この大塔を建立した
落慶は空海入定後の貞観18年(876年)頃



根本大塔は空海が唐から伝えた日本最古の多宝塔といわれる
落雷などで5度も焼失し、その都度再建されてきた
現在のものは昭和12年(1937年)に再建されたもの
高さ48.5m、幅30m 鉄筋コンクリート造り



堂内では、本尊の胎蔵界大日如来、その周囲を金剛界の四仏がとり囲んでいる
塔内の16本の柱には「16菩薩」、四隅の壁には密教を伝えた「八祖像」が描かれ……
堂内そのものが立体曼荼羅となっている



東塔
大治2年(1127年)初代創建、尊勝仏頂尊と不動明王・降三世明王を祀る



弘法大師入定1150年御遠忌記念事業で昭和59年(1984年)に再建



西塔(重要文化財)
空海の伽藍建立計画の『御図記』に従い、第二世・真然が大塔に続いて、仁和3年(887年)初代塔を建立



根本大塔(胎蔵界)と西塔(金剛界)を二基一対として建立された



現在の塔は5代目で天保5年(1834年)の再建
高さ27.27m 擬宝珠(ぎぼし)高欄付多宝塔 本瓦型銅板葺






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シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>5-5(関西地方)

2021年03月23日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>5-5(関西地方)
奈良県2(法隆寺、法輪寺、談山神社、當麻寺、壺阪寺、久米寺、岡寺)

29 奈良県
29-08 聖徳宗総本山 法隆寺(奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内)
五重塔(国宝)
木造五重塔として現存世界最古 高さは31.5m



初重から五重までの屋根の逓減率が高いことがこの塔の特色で、五重の屋根の一辺は初重屋根の約半分である







 







29-09 妙見山 法輪寺(奈良県生駒郡斑鳩町三井)
<三重塔>
当時国宝の三重塔は、昭和19年(1944)7月、落雷で焼失、全焼のため国宝指定も解除された



独力の再建となり住職が二代にわたり全国勧進行脚したが、再建は困難を極め、停滞した



地元の方々、作家の幸田文をはじめ全国の方々の支援で、宮大工 西岡常一棟梁のもと
昭和50年3月、三重塔は創建当初の様式にて竣工し、同年11月、落慶法要が勤修された



29-10 談山神社(奈良県桜井市多武峰)
十三重塔(重要文化財)   
中臣鎌足の死後の天武天皇7年(678年)、長男で僧の定恵が唐からの帰国後に
父の墓を摂津安威の地(阿武山古墳)から大和のこの地に移し、十三重塔を造立したのが発祥である






現在の塔は、享禄5年(1532)の再建で、木造十三重塔としては、世界唯一のもの
唐の清涼山宝池院の塔を模して建てられたと伝えられている。高さは約17m


















29-11 二上山 當麻寺(奈良県葛城市當麻)
西塔(国宝)
三重塔で、総高(相輪含む)は東塔よりやや高い25.2m
様式からみて、東塔よりやや遅れ、平安時代初期の建築と推定される



奈良時代から平安時代初期建立の2基の三重塔(東塔・西塔)が残る日本唯一の寺としても知られる



東塔(国宝)
三重塔で、総高は24.4m。細部の様式等から、奈良時代末期の建築と推定される



初重が通常どおり3間(柱が一辺に4本立ち、柱間が3つあるという意味)であるのに対し、二重・三重を2間とする
日本の社寺建築では、柱間を偶数として、中央に柱が来るのは異例である



三重を2間とするのは法起寺三重塔に例があるが、日本の古塔で二重目の柱間を3間でなく2間とするのは當麻寺東塔のみ 



29-12 壺阪山 南法華寺<壺阪寺>(奈良県高市郡高取町壺阪)
三重塔(重要文化財)



室町時代の明応6年(1497年)再建












<多宝塔>






29-13 霊禅山 久米寺(奈良県橿原市久米町)
多宝塔(重要文化財)



万治2年(1659年)に京都の仁和寺より現・大塔跡に移築



昭和62年(1987年)に解体修理された際に現在地に移される






29-14 東光山 岡寺<龍蓋寺>(奈良県高市郡明日香村岡)
<三重宝塔>
古来三重宝塔は旧境内地に建っていたが、文明4年(1472年)大風により倒壊
昭和61年に514年ぶりに再建された






平成6年より三重宝塔の荘厳として扉絵・壁画・琴などの作成に着手し、平成13年に完成



軒先に荘厳として琴が吊るされている


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シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>5-4(関西地方)

2021年03月22日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>5-4(関西地方)
奈良県1(如意輪寺、長谷寺、室生寺、法起寺、朝護孫子寺、薬師寺、興福寺

29 奈良県
29-01 塔尾山 椿花院 如意輪寺(奈良県吉野郡吉野町吉野山)
<多宝塔>









29-02 豊山 神楽院 長谷寺(奈良県桜井市初瀬)
<五重塔>昭和29年戦争殉難者檀信徒慰霊及び世界平和を祈願して建立






29-03 宀一山 室生寺(奈良県宇陀市室生)
五重塔(国宝)
800年頃の建立で、木部を朱塗りとする
屋外にある木造五重塔としては法隆寺塔に次ぎ、わが国で2番目に古く、国宝・重要文化財指定の木造五重塔で屋外にあるものとしては日本最小である
高さは16メートル強、初重は1辺の長さ2.5メートルの小型の塔で、高さは興福寺五重塔の3分の1ほどである






五重塔は、1998年台風7号の強風でそばの杉(高さ約50メートル)が倒れた際に屋根を直撃、西北側の各重部の屋根・軒が折れて垂れ下がる大被害を受けた
しかし、心柱を含め、塔の根幹部は損傷せずに済み、復旧工事を1999年から2000年にかけ行った















29-04 岡本山 法起寺(奈良県生駒郡斑鳩町岡本)
三重塔(国宝)
706年頃の完成とみなされている。高さ24メートルで、三重塔としては日本最古である






休憩所で休んでいると寺のポスターが貼ってあり三重塔が写っていた
さっそく撮影したであろう、その場所に立ってみるとやはり独特の雰囲気がある






29-05 信貴山 朝護孫子寺(奈良県生駒郡平群町大字信貴山)
<三重塔>



<多宝塔>



元禄2年(1689)に建立、明治15年(1882)に修復






29-06 法相宗大本山 薬師寺(奈良県奈良市西ノ京町)
<西塔>東塔と対称的な位置に建つ。旧塔は享禄元年(1528年)に戦災で焼失



現在ある塔は1981年に伝統様式・技法で再建された






東塔(国宝)
約110年振りの東塔の解体修理が一般公開「東塔水煙降臨展」
<水煙>









<九輪と擦管>


 
九輪は縦に連なる九枚の輪。下から「一の輪」…、と数える
九という数には「永遠」「尊い」などの意味がある
写真は「六の輪」までであるが一輪の重さは①92.5Kg ②97.5 ③104.6 ④98.3 ⑤90.5 ⑥76.3Kgとなっている。 ⑦58.5 ⑧78 ⑨65.5Kg



<追加>
東塔(国宝)
天平2年(730年)に平城京にて新築されたとする説が通説
総高34.1(東寺五重塔、興福寺五重塔、醍醐寺五重塔に次ぎ、4番目の高さ)



平成の解体修理にあたり、9割の木材は再利用され、残りは補修または新材を利用






六重の塔に見えるが、下から1・3・5番目の屋根は裳階である






29-07 大本山 興福寺(奈良県奈良市登大路町)
五重塔(国宝)
天平2年(730年)創建、現存の塔は応永33年(1426年)頃の再建
高さ50.1m(日本で2番目の高さ)















<追加>





三重塔(国宝)



興福寺最古の建物という三重塔は康治2年(1143年)崇徳天皇の中宮・皇嘉門院聖子によって創建された
現在の塔は建築様式から大火後まもなく再建された鎌倉建築と考えられている



高さ19m、本瓦葺の三間三重塔婆である
高さ50mの五重塔を観た後だけに小さく感じる



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シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>4-3(中部地方)

2021年03月14日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>4-3(中部地方)
愛知県(大樹寺、甚目寺、観音寺、密蔵院、知立神社、三明禅寺、性海寺、萬徳寺)

23-2 愛知県
23-05 成道山 松安院 大樹寺(愛知県岡崎市鴨田町広元)
多宝塔(重要文化財)
天文4年(1535)松平清康が建立した。室町末期の様式を示している






何らかの理由で枝葉が払われていた。この木の枝で塔の1/3は隠れていた









23-06 鳳凰山 甚目寺(愛知県あま市甚目寺東門前)
三重塔(重要文化財)





高さ28mで、三重塔としては日本有数の高さを誇る



江戸時代の初め 寛永4年(1623年)9月の建築
名古屋両替商 吉田半十郎政次の寄進による









23-07 浄海山 圓龍院 観音寺<荒子観音>(愛知県名古屋市中川区荒子町)
多宝塔(重要文化財)






天文5年(1536年)の再建。名古屋市内に現存する最古の建物



23-08 醫王山 薬師寺 密蔵院(愛知県春日井市熊野町)
多宝塔(重要文化財)
境内にあった説明によると、この塔は室町時代のもので、何回も修理されたが昔の姿をとどめているという









23-09 知立神社(愛知県知立市西町神田)
多宝塔(重要文化財)
社伝では、嘉祥3年(850年)に慈覚大師円仁が神宮寺を建立した際に2層の塔を建立



現在の遺構は室町時代後期の永正6年(1509年)重原城主山岡伝兵衛によって再建されたもの



廃仏毀釈を生き延びた神社における仏塔は全国的にも数少ない






23-10 龍雲山 妙音閣 三明禅寺(愛知県豊川市豊川町波通)
三重塔(重要文化財)
初層を三間四方とし、杮葺の高さ15m程の塔



解体修理に際して発見された墨書により、享禄4年の建立と知られる
初層・二層を和様、三層を唐様とし、外観に変化を持たせている






23-11 大塚山 性海寺(愛知県稲沢市大塚南)
多宝塔(重要文化財)
性海寺の中興開山である良敏上人により、建長5年(1253年)に建立されたと伝えられる
様式的には室町中期の建築と考えられる






桁行3間、梁間3間、昭和42・43年の修理で、隣接する愛染堂から分離された
瓦葺から銅板葺に改められ、木部には丹彩が施された






23-12 長沼山 萬徳寺(愛知県稲沢市長野3丁目)
多宝塔(重要文化財)
様式・技法等から室町時代後期の建築と推定
下層を三間四方、内部に二本の円柱を立て来迎柱とし、前に仏壇を置く









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シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>4-1(中部地方)

2021年03月11日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>4-1(中部地方)
山梨県(久遠寺)
長野県(大法寺、安楽寺、前山寺、信濃国分寺、新海三社神社、貞祥寺、若一王子神社)

19 山梨県
19-01 身延山 久遠寺(山梨県南巨摩郡身延町身延)
<五重塔>






20 長野県
20-01 一乗山 大法寺(長野県小県郡青木村当郷)
三重塔(国宝)






この三重塔はその美しさから、近くを通る東山道の旅人がふり返りふり返り塔を眺めたことから「見返りの塔」の名でも親しまれ、日本一美しい塔とされている






この塔は丘にあるため、自分の好みの高さから拝観することができる












20-02 崇福山 安楽寺(長野県上田市別所温泉)
八角三重塔(国宝)
日本に現存する近世以前の八角塔としては唯一のものである






全高18.75メートル。構造形式は八角三重塔婆、初重裳階付、こけら葺である



四重塔にも見えるが一番下の屋根はひさしに相当する裳階である












20-03 獨股山 前山寺(長野県上田市前山)
三重塔(重要文化財)
「未完の完成の塔」と云われている
塔には、一層にも二層にも三層にも、縁と勾欄がついているものだが、この塔には二層、三層にはなく…



何かの理由でやめたようで、その他にも各所にやりかけと思われる所がある



和様・禅宗様の折衷様式。建立年代は不明だが、様式から室町時代と推定されている



三間三重で高さ19.5メートル、屋根は杮葺き












20-04 信濃国分寺(長野県上田市大字国分)
三重塔(重要文化財)






三重塔古心柱
信濃国分寺の三重塔は室町中期ころの建立とされ、昭和の解体修理で心柱も取り換えられた
この心柱が創建当時のものとすると600年近く経った古材









20-05 新海三社神社(長野県佐久市田口)
三重塔(重要文化財)






社伝によると嘉祥2年(849)東隣にあった神宮寺の塔として建立された



室町期のものと認められ、全高約20m、和様を主とするが唐様(禅宗様)も混在
初重(唐様)と二、三重(和様)の垂木の方向の違い等にそれが見られる



明治初年の神仏分離では、新海神社三社神社の三重塔も破壊される予定だった
神社が「これは塔ではなく倉庫である」と申し出たところ、それが認められたという












20-06 洞源山 貞祥寺(長野県佐久市前山)
三重塔(長野県指定文化財)















20-07 若一王子神社(長野県大町市大町)
三重塔(長野県指定文化財)



三間三層の柿葺。宝永8年(1711)に木食故信法阿の勧進によって建立された



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シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>2-1(関東地方)

2021年03月05日 | 塔(三重塔・五重塔・多宝塔他)
シリーズ塔<三重塔・五重塔・多宝塔他>2-1(関東地方)
茨城県(来迎院、虚空蔵堂、小山寺、薬王院、楽法寺)
栃木県(西明寺、圓通寺、日光東照宮)

08 茨城県
08-01 箱根山 宝塔寺 来迎院(茨城県龍ケ崎市馴馬町)
多宝塔(重要文化財)



室町後期の建築物と思われ、関東以北唯一の古塔



三間多宝塔で、屋根は杮葺き
初層内部は後方寄りに来迎柱を立て、須弥壇を設ける



08-02 村松山 虚空蔵堂(茨城県那珂郡東海村村松)
奥之院(多宝塔)



50年に一回の開帳記念として、昭和9年(1934)に建立された



三重塔



再興百年記念事業として享保4年(1716年)建立の塔を平成10年(1998)に再建した



塔の高さが21m、大日如来が安置されている



08-03 施無畏山 宝樹院 小山寺<富谷観音>(茨城県桜川市富谷)
三重塔(重要文化財)






寛正6年(1465年)に多賀谷朝経が旦那となり、大工宗阿弥家吉とその息子によって建立された






08-04 椎尾山 薬王院(茨城県桜川市真壁町椎尾)
三重塔(茨城県指定文化財)
大工棟梁桜井瀬左衛門安信により宝永元年(1704年)に完成した



安信はその後、成田山新勝寺の三重塔も建立している






08-05 雨引山 楽法寺<雨引観音>(茨城県桜川市本木)
多宝塔(茨城県指定文化財)
730年 聖武天皇の后、光明皇后の造建が始まり



寺の歴史を読むと当初は三重塔を再建する予定だったものが、事情により多宝塔になったようである






09 栃木県
09-01 独鈷山 善門院 西明寺 (栃木県芳賀郡益子町益子)
三重塔(重要文化財)



天文7年(1538年)の建立






09-02 大澤山 虎渓院 圓通寺(栃木県芳賀郡益子町大沢)
一切経塔(重要文化財)
江戸時代1809年に再興された趣深い建物









09-03 日光東照宮(栃木県日光市山内)
五重塔(重要文化財)












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