小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

宿題の量が「多い」とか「少ないとか」

2013-08-31 20:57:12 | 学級生活の攻略法

宿題の量についてはいろんな所で話しになります。

子どもからの意見は,ほぼ一方的で
「宿題が多いです~ 減らしてください~」
という類のものばかり。(笑)
これに対しては,
「コツコツがんばれば実を結ぶから」
と励ましたり
「だめ~ それ以上言うと2倍にしま~す」
と笑って返したり。

保護者から意見をもらうこともあります。
この場合,2通りに分かれます。
「宿題が少ないと思うのですが。」
「宿題が多いのではないかと思うのですが。」
同じ量の宿題に対しても,意見が真っ二つに分かれるので,難しいところです。
「多い」とも「少ない」とも断定できないということです。
これは,もちろん宿題に取り組んでいる子ども,(取り組ませている保護者)に違いがあるから,こう意見が分かれるわけです。
学力が高くてスイスイ終わらせてしまう子。
低くて時間がかかってしまう子。
集中力があってパッと済ませてしまう子。
なくてダラダラと時間をかけてしまう子。
宿題に対してやる気のある子。
ない子。
また,学習塾等の習い事が大変忙しい子も増えています。
この子たちは宿題とは別に,学校の外でたくさんの学習をしています。
一方で,なんの習い事もなく放課後を暇に過ごしている子ももちろんいます。
こんな感じで,放課後の子どもの様子はいろいろといるわけで,宿題の量について一概には言えません。
だから,保護者から「多い」とか「少ない」とか指摘されたときは返事に困りますね。
「実態はいろいろで,私としても最も適した量だと思って課しています。」
こんな返事になってしまいますが,保護者の方はこれでは腑に落ちない様子です。

先生たちの間で話題になるときは,
「宿題のチェックって大変だよね」
ですが,管理職から伝達があるときは
「家庭学習の時間をしっかり確保させるように」
という旨のものばかりです。
最近は「家庭学習の充実」がよく言われるようになりました。
それにともなって,その時間もたっぷりととらせるように,繰り返し上から言われます。
「1年生だと○○分」
「6年生だと○○分」
のように,基準が示されるようになりました。
この基準に,クラス全員が達するように(今までの宿題でもヒーヒー言ってたような子たちにだって)バカみたいに大量の宿題を出す,これ自体は簡単なことです。
「宅習ノート○ページやってきなさい。」
「プリント○枚やってきなさい。」
この指示1つなのですから。
しかし,なかなか簡単にそうでいないのは,もちろん理由があります。
まずは,さっき挙げたような,宿題に苦戦している子たちに,一律にさらなる宿題を課すことはかわいそうな気がします。
この子たちにとって,毎日の宿題が(もちろん本来ためになるものではあるが)相当のストレスになってしまうでしょう。
大量の宿題を簡単に出せないもう1つの理由は,それをチェックする側の問題です。
宿題を課すからには,それをしっかりと全部見届ける必要があります。
させっぱなしで,見届けないのであれば,大変無責任なことですから。
しかし,担任1人が,チェックできる宿題の量には限界があります。

こんなふうに,宿題の量については,宿題を出す方にも出される方にも,すっきりとしない問題を含んでいることが多いです。
そんな中でも,保護者の声や,管理職の指導を受け止めて,なんとか現状を改善したいとは常々思っています。
ではどうすればいいか。
大事なことは,「家庭学習の習慣化」のために「全員の子に一定の家庭学習時間を確保する」ことだと思います。
この一線だけはなんとかクリアしたい。


そこで,私も考えてみたのですが・・・
一律に,全員に同量の宿題を出しても,それに取り組む時間には差が生じてしまう。
ならば,個々の実態に応じた宿題の量を調整するしかない。
そのために,まずは個々の実態を把握することだ。
1週間,曜日ごとの家庭学習の時間を報告させよう。
学習塾などがある子は,それも家庭学習の時間とカウントさせる。
これで,今の宿題の量にどの子がどれくらい時間を使っているか,習い事も含めた家庭学習の実態が分かる。
正直に報告させるために,保護者記入とした方がいいだろうか。
それをもとに,個別に宿題の量を指定していく。
例えばAくんは,今の宿題の量だけで苦労していて,めいっぱい時間を使っているなら,今のまま。
Bさんは,早く済ませて時間が足りないようならプラスα。
Cくんは,月水金は学習塾のようだから,火木はプラスα。
このとき,「プラスα」した宿題が重要だ。
この分まで担任が見届けるのは難しい。
しかしさせっぱなしはよくない。
となると,だれか別の人に見届けてもらえないだろうか。
だれか?=「クラスの隣の子?」「おうちの保護者?」
そこらへんだろうか。
担任がチェックするより,見る目は弱くなりそうだが,そこは勘弁してもらうしかない。
保護者に印鑑を押してもらうだけでも,子どもにとっては緊張感が出て,意味がありそうだ。
じゃあ,その点をお願いして,理解をもらう必要がある。
次に,「プラスα」の宿題の内容はどうするか。
前提は「保護者が簡単にチェックできる」ものであることだ。
特別なプリント等の準備は難しい。
となると,あるものを活用するしかない。
予習的な宿題,復習的な宿題,自由課題,教科書の音読・・・・・
そういったものが思い浮かぶ。
これらを,足りていない時間分「ノート○ページしてくる」とか「○分呼んでくる」というのを,個別に指定すればどうだろうか。。。。。。

と,ここまでが現在の私の頭に浮かんでいることです。
個別に宿題の量を変えるなんていうことは,今までは実践したことはありません。
もしやってみるとなれば,今回が初めての試みです。
他の先生方には経験のある方もいますでしょうか。
もう少し検討を重ねてみて,管理職や同学年,学期初めのPTAで保護者と相談して,決定していきたいと思っています。