小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

算数で、なかなか引き下がらない子

2015-11-24 20:13:59 | 授業中の攻略法
5年生の算数。
「分数のわり算」で、「分数÷整数」を考える授業でのこと。

問題
4/5÷2 を、どう解く?
この問題に子どもたちは
「あ~はいはい」
と余裕な感じ。
すると、私の予想通り
4÷2 /5=2/5
「分数を整数で割ります!」
「同じです!」
これは、これ以前に学習してきた
「分数×整数」
のやり方が身に付いているから、自然とこういう計算をするものです。
このとき子どもたちは
「分母はそのままにして、分子に整数をかける」という方法を学んでいます。
だから割り算でも、こうする。
これ、正解なんですよね。
2/5は正解。
分子を割ればいいんです。
実際に図で表そうとしてみても、なるほど、分子を割る方法に結び付きます。
子どもたちのドヤ顔が教室中に広がっていました。
そこで私は
「なるほど~よく考えたね。よしじゃあその調子でもう一問」
「2/5÷3」
を出します。
「楽勝~」
なんて言葉もどこからか聞こえながら、ノートに向かう子どもたち。
すると、5秒もたたないうちに、一人目の子が顔を上げました。
困った表情で。
そして次々にその顔が広がっていき、教室中が騒々しくなってきました。

この景色を見て唯一喜んでいるのは、もちろん私。
楽しいものですよね。
子どもが問題につまずく場面って。
この「つまずき」が大事な意味をもつから、あえて問題の順序を今回のようにしているわけですが、言い方は悪いですが、子どもたちはまんまと私の術中にハマってくれました。
そこで、新しい解法を見つける必要性が出てきて、また子どもたちの活動が活性化する。
それをねらっていました。
もちろんこの場面では、いろんな方法を通して
「分子はそのままにして分母に整数をかける」
というところにたどり着きました。

たどり着きましたが、そこで終わらなかった今回の授業。
ある子が、まだ腑に落ちない表情でノートに向かっています。

しばらくして、急に明るい顔になり
「できました!」
と顔を上げました。
「先生、分数は、分母と分子に同じ数をかけても大きさは変わらないって習いましたよね!」
「はい、そうですが?」
「だから、ここでも分母と分子に同じ数をかけます!」
「ん?」
「分母の5と、分子の2に、どちらも6をかけます!」
「ほお」
「そしたら12/30になりますよね」
「うん」(あ)
ここで私は気づきました。
この子がやろうとしていることに。
この子はこだわっていたんですね。
最初に自分がやった方法に。

自信満々の表情で説明を続けます。
「そしたら、
12÷3 /30 =4/30
=2/15
です!
やっぱり分子を整数で割ればいいんです!」

「お見事。その通りですね。」
周りの子は、若干ぽかんとした顔の子が多かったですが、その子は満足そうな顔をしていました。

自分が見つけた発見にこだわり、それがいろんなところで適用させたいと思う。
その万能性を探りたくなる。
この探究心というか追究心というか、これは立派なものだと思いました。
「こだわり」
今の子たちはあまり見せなくなったもののようにも思えます。
この子のこの粘りは、一見授業をややこしくしているようにも見えますが、このややこしさをあえて経験することの意義って大きいと思います。

今回も子どもの意外ながんばりに、感謝する授業でした。

今日も私はスコップを持って体育館裏へ行き…

2015-11-20 22:22:00 | 雑談
今日も掃除時間に私は体育館裏に穴を掘っていました。
何をしていたかというと
「鳥の死骸を埋める穴掘り}
です。
みなさんの学校にはいませんか?
校舎の窓ガラスにぶち当たって死んでしまっている、もしくは気絶している鳥たち。
私の学校だけでしょうか。
これが非常に多いんです。
緑豊かな所にある学校だからでしょうか。
かなりの頻度で出没します。

そして、以前に私が偶然にもその現場によく出くわし、処理する役目をしていたものですから、いつのまにかこの担当になってしまい。笑

鳥の死骸を見つけたら、子どもたちも先生たちも、
「先生~ またあったよ~」
と、わざわざ教えに来てくれます。笑
(わざわざ教えてくれなくてもいいのに)

もちろんその姿たるや無惨なものです。
悲しいものです。

最初のうちは目をそむけながらやっていましたが、今ではもうすっかり慣れました。笑
しかし今日のはひどかった。
だれも気づかず、何日かそのままだったのでしょう。
死骸を動かしてみると、下にうようよと気味の悪い虫たちがいっぱい…

ずいぶん冷たくなった秋風に吹かれながら、体育館裏で穴を掘り、かわいそうな鳥を埋めながら、教務主任という仕事の大変さを改めてしみじみと感じていました。

…教務主任の仕事か??笑

研究授業間近の私に意外な言葉

2015-11-16 22:04:01 | 教師力UPの攻略法
本校は研究公開が間近です。
昨年度からのおよそ1年半に及ぶ研究です。
研修主任はとても熱心な先生で、ここまで見事にリーダーシップをとって研究を進めてくれました。
そしてその主任を中心として、みんなで組織的に進めることができていたように思います。
今度の公開も、きっといいものになるのではないかと期待しています。

さて
実は私、その公開時の授業者です。
教務主任をしていながら授業者をするなんて珍しいパターンだと思いますが、そうなってしまいました。
自分が受け持つクラスはないけれど、ある学級を借りて、算数の授業をする予定です。

ついこないだ、私が算数の授業を見ている5年生のある担任の先生がこう声をかけてくれました。
「先生、公開の授業の準備が大変でしょう。それまでのうちのクラスの算数の授業、全部私が見ようか?」
と。
思いがけない声かけに、心からうれしく思いました。
もう涙が出そうになるくらい。笑
「ありがとうございます先生。とりあえず今のところ大丈夫そうです。この先必要になったら、甘えさせてもらっていいですかね。ありがとうございます」
「いつでも言ってね」

逆はよくあります。
私が担任の先生たちに対してこういう言葉をかけて、実際に私が授業を見るという形は。
担任の先生が特段に忙しそうなとき、特に学期末の通知表作成の時期など、そうするようにしています。
しかし、今回のように、私が声をかけてもらうなんてことは、たしか、私が教務主任をしているなかでは初めてだったように思います。
だから、意外だったし驚いたし、その分、その心遣いがすごくうれしく感じました。

担任を助けることを心がけている自分が、担任から助けてもらう立場になりました。

声をかけてくれた先生は、自分にゆとりがあるだけでなく、他の人の忙しさにまで気を配ることができる先生なんでしょう。
こんな人と近くで仕事ができるということ自体が恵まれていると思えます。

今後、この先生に授業をお願いするつもりはありませんが、それでも、この言葉をかけてくれたことそのものが私の助けになっています。
だから、私もこの先生のために何かお返しにしてあげよう、そう思います。

どうも様子がおかしく、心配な先生がいます

2015-11-07 20:24:06 | 教師の仕事術の攻略法
ある先生のことを心配しています。
以前と様子が違っているんです。
何が違うかというと、やたらと職員室にいる時間が長くなっているんです。
私は教務主任で基本的に職員室にいるから、それがよく分かるんです。
もともと、職員室にいる滞在時間が長目の先生や、逆に短目の先生っていうのはそれぞれにいるものですが、この先生の場合
「以前と比べて長くなった」
というパターンです。

この先生はある学年の担任の先生で、以前はもっと自分の教室にいたのに…

始業前の朝、どの先生よりも教室にあがるのが遅くなった
休み時間ごとに、いちいち職員室に下りてくるようになった
時には授業のチャイムがなっても、まだ少しの時間の職員室に居座ることもある

こんな感じです。
私の目には、様子の変化がすぐに分かりました。

どうしちゃったのかな…

考えられるのは、
「学級がうまくいっておらず、教室にいるのが苦痛になってきた」
これが真っ先に心配されることですが、これなら私なり管理職なり、周りの職員がすぐにでも相談にのり、サポートに当たりたいところです。

「体調が優れず、落ち着いた環境を求めている」
これもあり得るでしょう。
にぎやかな学級にいると体力的にも精神的にも疲労がありますから。
しかし、この先生の場合、見た目には体調が悪そうには見えないような。

「仕事がたまっていて、職員室でそれに向かっている」
学級にいる時間をほんの少しでも削ってたまっている仕事をしているのかもしれません。
これも辛いことです。
先生もですが、子どもたちにも残念です。

この件について、この先生とまだ直接話をしたことがないので、どんな原因で極端に職員室にいる時間が長くなっているのか分かりませんが、私の立場上、それが知りたいところです。
上にあげたいずれの原因にしろ、早く改善したいものです。
しかし、こういうときの切り出しかたって、難しいものです。
気付いたからって、すぐに声をかけられるかというと、そうではありません。
デリケートな話題ですから。
いつ、だれが、どんな風に 話しかけるかが重要になってきます。
今、そこを私なりに考えているところです。
場合によっては
「そっとしておいてほしい」
ということだってあるでしょう。

あまり時間が経ちすぎて、より辛い状況にならないうちに、考えられる最善のアプローチをしてあげたいと思っています。

体験的な算数にしようとしたら余計なオチが

2015-11-07 19:51:09 | 授業中の攻略法
しばらく更新が滞ってしまいました。
私はブログの更新はいつも
「スマホ+ワイヤレスキーボード」
というツールでやっています。
これが一番手軽だと思えるので。
ところが最近これが不調になってしまって。
突然スマホとキーボードの接続ができなくなり、原因も分からず、回復もできず、ブログがストップしてしまいました。

しかしこのたび、新しいワイヤレスキーボードを購入したところ、それとの接続はできるようになりました。
よかったよかった。
以前のキーボードよりはるかにタイピングしやすいし、今キーボードを打っていて、非常に快適です。

また随時ブログを更新していこうと思います。

さて
6年生の算数でちょっとおもしろいことがおきました。
単元は「比」で、この時間は単元後半で
「比を利用して、実際に測れない長さを求めてみよう」
というものでした。
教科書には例題として、木の高さを求める問題がありましたが、これをやっただけで
「比って便利だね」
なんて言えない言えない。笑

やっぱり実際にやってみなくては!

「ということで、外に行きましょう」
と私がきりだすと
「よっしゃ~!」
と張り切る子たちと
「え~」
とめんどくさがる子たちといましたが、そんなのもちろんお構い無し。笑
メジャーを5本もって天気のいい運動場に出ました。

「今から 影計測部隊 を組織する!」
声高らかに宣言し
「はい、そこの5人、きみたちは 学校で一番背の高いあの木の影の長さを計測せよ!」
「きみたちは南校舎の影!」
「きみたちは北校舎の影!」
「きみたちはあの給水塔の影!」
「きみたちは… ジャングルジムの影!」
「え、先生、ジャングルジムは直接測れるんじゃ…」
「だまって行きたまえ!」

こうして子どもたちに影を測らせました。
そして肝心な、基準となる1m定規の影を測る役目を、ある子にさせました。
「この1m定規に何mの影ができるかが、比の基準になるからね。頼むよ」
そして計測する子ども。
「先生…」
「どう!?影の長さ!?」
「…1mです」
「な!?」

各地で影の長さを計測して帰ってくる子ども部隊たち。
「結構大変でしたよ」
「よし、先生、比の式で実際の長さを求めましょう!」
「実物:影 の比はいくつなんですか!?」
「諸君、今、1m定規で確認したところ、比は… 1:1だ」
「は~!」
「本当に~!」

ということで、測った影の長さがそのまま実物の長さになりました。笑
11時ごろだったでしょうか。
太陽の位置が絶妙なタイミングで計測を行ってしまったようです。笑

せっかくの体験的な算数に、余計なオチがついてしまいました。