小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

自ら発表できる子に育ってほしい!そんなとき…

2009-11-30 22:58:53 | 授業中の攻略法
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バックナンバーで,「発表しない子たちを元気よく発表させる攻略法」としていくつか紹介してきました。

○超簡単な発問をしてあげる

○テンポよく発問する

○一人だけでなく,複数人を当てる技もある

○たまには手を挙げていない子を当てる

といったことです。

これらは,授業の流れづくりの上でも基本となると思います。

子どもをしっかりと授業に参加させる。

心地よい授業のリズムを生み出す。

そのためにも,上に紹介したような工夫を繰り返し,授業を活性化していく必要があります。

ただし,ここで紹介した攻略法は,「答えるのが容易な発問」に関するものに限られていました。

要するに,しっかりと先生の発問を聞いていれば,多くの子が難なく答えられるような発問です。

「この文章題の中で,太郎君はアメをいくつ配りましたか?」

「このグラフの縦軸は何を表していますか?」

といったことです。

こういった発問が授業づくりの上で重要なことは,繰り返しお話している通りですが,授業の山場ともなると,こういった簡単な発問のみでは済まされなくなります。

より発問の内容が難しくなるのです。

「今回の,塩酸で物を溶かす実験から分かることは?」

「海の中でついに出会ったクエを,主人公はなぜ仕留めなかった?」

答えが簡単には出ない,一言では言えない,そんな難しく,そしておもしろい発問です。

こういった発問に対しては,上のような攻略法を一辺倒に使うわけにもいきません。

じっくりと時間をかけて,考えて,そして答えを出してほしいです。

そして,こうして子ども一人一人が導き出した答えも,ぜひ自ら発表できるようになってほしいと願います。

しかし,問題が難しいし,答えの内容も複雑なので,こんな場面では,発表しようとする子の数もぐっと少なくなってしまいがちです。

自分の答えに,自信がもてないのです。

「ほら,どんな答えでもいいんだよ。言ってみよう!」なんて先生の励ましも,イマイチ。

ここでも,やはりいくつかの攻略法が必要です。

まずはこれ!

答えは必ず書かせる!

これを基本としましょう。

ノートにでも,ワークシートにでも,必ず書かせることです。

問題が難しかったから,子どもたちは頭の中でいっぱい考えたはずです。

頭の中だけでなく,友だちや先生との会話を通して考えた子もいるでしょう。

その活動の中で,なんとか自分なりの考えが出てきた。

しかし,それをいきなりそのまま発表しなさいというのは,これはとても難しいことです。

大人でも,頭の中で整理のついていないことを,人に伝えるための言葉にまとめて言うことは難しい。

だからこそ,答えをまとめるためにも,書かせることは基本です。

書くことさえ難しいかもしれませんが,それを経ないと,発表はもっと難しい。

こういったことも繰り返しの訓練です。繰り返してできるようになっていく学力です。

だから,子どもたちに難しい発問を投げかけて,その解決に向けて取り組ませるときは,考えたり話し合ったりする時間とともに,必ず「書いてまとめる」時間も保証するようにしましょう。

発表させる前には「必ず,自分の答えはノートに書きましょう。」「あと2分で発表です。ちゃんとノートに書いていますか?」と声を掛けてあげましょう。

そしてがんばって書けたら,あとは発表となっても,とりあえずはそれを読めばいいのですから,子どもにとってもハードルが低くなり,発表しやすくなります。

また,ノートに書けたということが,自分なりの答えが形になったということだから,自信がもてるようになるでしょう。

自ら進んで発表させるためには,まず答えは書かせることです。

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こんなとき教師はどこに立つ!?(番外編)

2009-11-28 17:44:33 | 「教師-子ども」関係の攻略法
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教室内での教師のポジションをいろいろと考えてきました。

整理すると、

1 真剣なメッセージを伝えたいときは正面に立つ

2 子どもが黒板に注目するときは斜め前に立つ

3 子どもが前で活躍するときは見る子どもの中に立つ

4 子どもたちが自治的な活動をしているときは一番後ろに立つ

5 子どもたちがじっくりと何かに取り組んでいるときはウロウロする

場面に応じて、使い分けていきていものです。

はじめに書きましたが、いつでもどんな場面でも同じところにばっかりいる先生では、そのポジションがマンネリ化してしまいます。

立ち位置も、一つのボディランゲージですね。

クラスの雰囲気を左右するし、伝わるメッセージも変わってきます。

このシリーズ最後の今回は、番外編です。

教室内でのポジションばかりを考えきましたが、ときにはこんなところもいいのではないでしょうか。

ちょっとした息抜きや、空気を変えたいときは廊下から見る!

教室から出てしまいました。

廊下です。

廊下から、自分のクラスの活動を眺めたことがあるでしょうか。

授業参観での保護者や、時折通る他の先生方、校長先生などは、廊下から教室を見ますね。

ときには、担任の先生だって客観的に廊下から見てみましょう。

すると、また普段は見えない子どもたちの細かな様子や、クラス全体の雰囲気が見えるかもしれません。

「どんなときに廊下に出るのか」というのは、ちょっと難しい気もしますが、ほんの息抜きをしてみたいときや、ちょっとクラスの雰囲気を変えたいときなど、いかがでしょうか。

例えば

卒業文集作成の意義を、先生が熱く熱く語ったのち、子どもたちがグループになり話し合いをし、しかもどのグループも話し合いが楽しそうになされているとき

先生がクラスを散々叱ったのち、子どもたちが反省しながら、休み時間をすごしているとき

こんなとき、ふっと教室から先生が姿を消してみると、子どもたちもはっとするでしょう。

先生と子どもたちの距離を空けた方がいい場合もありますよね。

そんな空気を敏感に感じ取って、廊下に出ましょう。

こんな場面はそう多くはないと思いますが、だからこそ、たまに先生が廊下に出る時には、特別な時間が教室内には流れるでしょう。

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こんなとき教師はどこに立つ!?(5)

2009-11-25 21:47:19 | 「教師-子ども」関係の攻略法
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「どこに立つ!?」シリーズも5回目になります。お付き合いありがとうございます。

今日はこれから算数の単元末の練習問題に取り組む時間です。

単元での一通りの学習を終え,この時間にできるだけたくさんの問題に取り組み,習熟を図りたいところです。

授業の始めに,今日取り組む問題と,やり方を説明しました。

そして,子どもたちはコツコツと問題に取り掛かり始めました。

感心なもので,みんな集中してがんばっているように見えます。

しかし,時間が経つにつれて,色々な様子が見えてきました。

得意気にどんどん問題を解いていく子

少し困った顔をしてなかなか先に進めない子

あきらかに集中できていない子

他の子へのちょっかいをねらっている子  ・・・

個人差は当然ですね。

さあ,そんな様子にも気が付きながら,こんな風に,何かにじっくりと子どもたちを取り組ませたいとき,先生は教室のどこにいるべきでしょうか。

やはり,ここはこうでしょうか。

子どもにじっくり取り組ませるときは,教室内をウロウロする!

ウロウロする,とは言葉がよくないようですが,いわゆる机間巡視です。

「どこに立つ」と固定的にならず,教室内のいろいろなところに行き,いろいろなところを眺めましょう。

上に挙げたように,同じ課題に取り組んでいても,子どもたちの実態,様子は様々です。

そんな子たちに個別に,場合によっては何人かまとめて対応しなくてはいけません。

そのためには早期発見が何よりです。

教室内をウロウロすることで,子どもたちの様子がいろいろな距離・角度から見えて,早期発見ができます。

どんどん進む子には「新たにこのプリントに挑戦してみようか」

困った顔をしている子には「なかなか難しいよね。お手伝いしようか」

集中できていない子には「とおるくん。4番まで解いたら手を挙げて教えてください」

ちょっかいを出す子には「たけるくん。1回目の注意をします。2回目は怒ります」

適切な支援をしてあげましょう。

コツは,教室内をウロウロしながらも,近くにいる子を見て声をかけるばかりでなく,歩きながら遠くにいる子を見て,その子に声をかけることです。

そうすることで,近くにいる子は先生の存在を感じれるし,しかも遠くにいる子も先生の目が届いていることに気付く。(先生すげぇな…)

結果,どこを歩いていも,教室のかなり広い範囲を治めることができます。

もう一つ。

この「ウロウロする」には気配りが必要です。

あまりスピードをあげてセカセカ動くのは子どもにとって目障りです。

また同じコースばかり歩いているとマンネリ化します。

適度なゆっくりとした速度で,コースをランダムに変えながらいきましょう!

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こんなとき教師はどこに立つ!(4)

2009-11-23 14:59:15 | 雑談
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6年生クラス。

卒業も意識しだしたこの時期に,ある女の子2人組が先生のところへ来ました。

ちょっとはにかんだような笑顔を見せながら,

「先生!ちょっと,聞いてほしいことがあるんですけど…!」

珍しい申し出で,先生も少しびっくり。

「どうしたんですか?愛の告白なら,先生はもう結婚してるから…」

「違いますよ!そんなわけないじゃないですか!あの,クラスで冬休みの前に,クリスマス会をしたいなぁって,考えてるんですけど…」

「おぉ,クリスマス会ですか。いいですね。」

「ね!先生,いいですか!?」

ちょうど,先生としても2学期最後のお楽しみ会を考えていたところなので,ちょうどいい申し出でした。

ここは,せっかく子どもたちが自分たちから申し出てきたことだし,6年生ということも考えて,企画から運営まで,子どもたち主体でさせてみようと思います。

「よし,じゃあやってみなさい。絶対に楽しいクリスマス会にしようね。」

「やったー!!ありがとうございます。」

「では,今日の帰りの会でみんなに提案してみましょう。」

そして,帰りの会になり,女の子二人が前に出てきて提案をします。

さあ,今回のこの場面。こんなときの,先生の立ち位置は!

クラス全体が自治的な話し合いや活動を進めるときは,教室の一番後ろでじっと見守る!

教室の一番後ろです。

教室の中では,一番出番のないところへ来てしまいました。

これは,学年や子どもたちの能力から,先生抜きで,自分たちでやれるという力が備わっている,期待できることが前提となります。

もしくは,そんな力を育てたいという場合です。

今回はこのクリスマス会自体を子どもたちの運営に任せます。

しかし,すべてを放っておくわけではありません。

先生は見守るのです。

もし横道にそれそうなときは修正してあげます。

アイディアに困っているときはアドバイスします。

内容がふさわしくない場合は注意します。

そして,そういったことがない限り,温かい視線で見守ります。

そんなどっしりとした安心感と同時に,ちょっとした緊張感を与えるポジションが,この教室の一番後ろでしょう。

たまに,子どもたちの話し合いだからと,自分は教室前の教卓に座って見ている先生もいますが,ここにいると,子どもたちは先生の顔色をうかがってしまいます。

会の運営に関して,先生に頼ろうとしてしまうかもしれません。

なので,子どもたちの一切の視界から外れていたほうがいいでしょう。

子どもたちも「先生が後ろに行ったときは,ぼくたちに任せるときだ」と知り,しっかりしようとはりきってくれるといいですね。

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こんなとき教師はどこに立つ!?(3)

2009-11-22 22:10:41 | 「教師-子ども」関係の攻略法
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これから,3班のみんなが,社会科の授業で「テレビ局の工夫」について調べたことを発表してくれます。

3班のメンバー5人が教室の前に並びました。

手には,調べてきたノートや資料,ポスターなどを準備しています。きっと,前の時間までにみんなで協力してがんばって調べてきたんですね。

発表しようという5人には少し緊張気味の笑顔が。

そして,発表を聴こうとするクラスのみんなは,どんな発表があるのかワクワクした顔があります。

この発表の間は,クラス全体が発表内容に集中したいところです。

そうなることで,とても実のある授業となるでしょう。

教師としては,どんな発表であれ,しっかりと発表内容を受け止めてあげたい。

そして適切な評価をして,おおいにほめてあげたいところです。

さあ,子どもが前に出て活躍するこんな場面。

今回もテーマは「教師の立ち位置」です。

どこから,子どもたちの発表を見守りましょうか。

これでいきましょう!

子どもが前で活躍する場面では,それを見る子たちの中に交じり,子どもたちと同じ方向を向く!

ようするに,観衆と一体化してみましょう。

教室の中央に少し腰をかがめて位置するのもいいし,席が空いている5班のいすの一つに腰かけるのもいいでしょう。

集中して聴けなさそうな子の横にそっといて,一緒に見てあげるのもいいですね。

そして,他の多くのクラスメイトともに,その子たちの発表をじっくりじっくり聴いてあげましょう。

ここでは,先生としての上から目線ではなく,ワクワクしながら聴いている他の子たちと同じ顔をして,同じ気持ちで聴きます。

そして時折,

「おぉ,なるほど…」

「へぇ,それは知らなかったな…」

「もうちょっと,ゆっくり話してもらえるかな」

などと,愛の手を差し伸べるつぶやきをしてあげましょう。その声は,先生としての声というより,観衆の一部から出ているような声になり,自然です。

このポジショニングをとることで,発表する子たちは,真剣に聴いてくれる友だちにも,そして先生にもがんばって伝えようとするでしょう。

先生が子どもたちに紛れているので,このときだけは,先生よりも賢そうに,堂々としようと努めるかもしれませんね。それはいいことです。

また,聴いている子たちにとっても,先生と一体になれるので,先生が真剣に聴くんだったら,ぼくたちも聴かないわけにはいきません。

気持ちがそろえば,クラス全体が,教室前の発表者へ向けて視線と集中力をそそぐことになります。すばらしいクラスの雰囲気です。

もしこんな場面で,先生も発表者の横にいると,やはり先生の雰囲気が強くなってしまい,発表者が薄れてしまいます。(発表者にサポートが必要な場合は,いてあげた方がいいですが)

また,教室の端や一番後ろにいると,「子どもたちと一緒に聴いている」という感じが弱いです。監視しているような形になってしまいそう。

やはりここでは,活躍する子どもたちを引き立てて,そこから学ぶ子たちと一体化するようなポジショニングが一番ですね。

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