小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

初めて「算数大会」たるもので司会をしました

2015-06-27 18:00:54 | 教師力UPの攻略法
初めて
「県算数数学大会」
たるものに出会しました。
私が自主的に申し込んだ訳ではなく、
主催者側からの依頼でした。
公開授業後の研究会の司会をしてほしいと。

「なぜ、おれ?」

これしか頭に浮かびませんでした。
学校では算数の少人数指導を担当していますが、私自身何も算数の専門性はなく、算数の研究会等に身を置いたことも、参加したこともありません。
ましてや県規模の大会なのに、その主催者に名を知られているはずがないのですが、何がどうなってご指名を受けたのでしょうか??

県下全職員対象にくじ引きでもしたのでしょうか。

うーん、まったく不可解。

さすがに断ろうかとも思いましたが、おもしろそうなので、引き受けてみました。

さて、当日。
とある学校を会場に公開授業があり、その後の研究会。
ここで私の出番です。
県の大会だけあって、参加人数も多かったです。
こんなときの司会者が一番心配するのは、やっぱり
「フロアから意見が出なかったらどうしよう」
というものです。
そんなときに司会として、うまく発言を促すようなテクニックが必要となってくるわけですが、ここでそんな場面になったら、どうしようかと思っていました。

が、そんな心配はまったくいりませんでした。
協議の間中、発言の声が途切れることはないくらい、みなさん熱心に、積極的に意見を出していました。

それは司会として助かったのですが、同時に、私が驚かされたのが、そこで出される意見の中身の濃さです。
どの意見も、非常に専門的。
非常に鋭い。
非常に厳しい。
司会をしながら
(あ、そうか。ここは算数の専門の人たちの大会だった)
と、はっとさせられるほどでした。
ここの会場の中では算数初心者の私には、これらの意見が
「マニアック」
とさえ聞こえるほどでした。
理解するのでやっとというものも。
いつのまにか、私は自分の司会者という立場も忘れて、そういった意見に対して、眉間にシワをよせながら聞き入ってしまっていました。

わけも分からないまま参加したこの大会でしたが、結果としてすごい刺激を受けることができました。
算数の勉強になったのは当然でしたが、こんな世界があるということを知ったこともまた私にとってはおもしろいものでした。
ときにはまったく畑違いの場に身を置いてみるのもいいものですね。
マニアックな部分に触れることは、この仕事の奥深さを見ることになり、自分の未熟さを痛感できるいい機会になります。

5年前のことでまさかのクレームが!

2015-06-21 22:14:33 | 雑談
6年生の担任の先生がお休みをとり、私がこのクラスの補教に入りました。
補教に入ると算数以外の授業をすることにもなり、私には新鮮なものです。
今回はなんと校外学習。
教室で算数ばかりしていた私には、羽を伸ばせるうれしい機会となり、わくわくしながら臨みました。
学年全員、中庭に集合して、出発前の確認。
さすが6年生。
話を聞く態度も落ち着いています。
と、ここで懐かしいものを発見しました。
子どもたちの中で何人か、「探検バッグ」を持っています。
そう、これは一年生のときに購入して、生活科とかでよく使っていた、バインダーとポケットが一体となって、首から下げるタイプの、あれです。
感心なことに、6年生になった今でもそれをちゃんととっておいて、こんな活動のときに利用している子がいました。
「お~ これ、一年生のときの、探検バッグでしょ。よく持ってたね~」
なんて声をかけていると、ある子が
「先生、これ見てください」
と。
その子が指し示したのは、その探検バッグに書かれた自分の名前でした。
「やまだはなこ」
一年生の使っていたものらしく、ひらがなで書いてありました。
私には
「それがどうしたの?」
って感じでしたが、その子は声を大きくして言うのです。
「見てください!このきったない字!」
「え? …たしかにきたない字だけど、一年生のときに書いた字だろうから、こんなもんでしょ」
「先生が書いてくれなかったから、こんな字なんですよ!!」
「は?」
「まだほとんど字も書けなかった私たちに、先生は「もう一年生なんだから自分で書きなさい」って言って、無理矢理私たちに書かせたんですよ!!」
「 …あ、あ~」
「普通一年生の担任の先生って、こんなものには一人一人名前を書いてくれるもんでしょ!!実際隣のクラスの子たちは書いてもらってたんですよ!!もう!私たちだけですよ!こんなきったない字!」
「はいはいはい!!思い出した!!あはははっははははははは」
確かに隣のクラスだった子たちのは、いかにも先生が書いてくれたきれいな記名が。
爆笑してしまいました。
そう、私は5年前、この子たちが1年生だったときの、担任だったんです。笑
私の教員人生においては極まれな1年生担任。
毎日がパニックだったのをよく覚えています。笑
そのパニックの中、まだちっちゃな子たちに、探検バッグの記名を「自分で書け」と命じたのは、確かに私でした。笑
いや~
なんと不親切な。笑
なんと乱暴な。笑
かわいそうに、その子たちの探検バッグは、今でもその字が残っていました。笑

5年越しに、クレームを受けました。笑

「ごめん。これは先生が悪い。謝ります。あははは」
謝っても笑いが止まりませんでした。

もし今後一年生担任をすることがあったら、気を付けようと思います。笑

算数の授業の転換を図っています ~分数のわり算 後半~

2015-06-16 22:00:17 | 授業中の攻略法
教職員バレー大会、今年は準優勝でした~
初戦から決勝戦の1セット目まで難なく勝ち進み、優勝を確信していたのですが、2セット目に流れが変わり、あと1点というところで優勝を逃してしまいました。
めっちゃ悔しかったです。
でも、今年もチームみんなで熱くなれて楽しかったです。

さて
バレー練習などで更新が滞っていましたが、「算数の授業の転換」後半の実践です。
6年生の「分数のわり算」
第3時は
「帯分数のわり算」
ここでは仮分数に直してから計算することを学ぶわけですが、ここもやはり習熟度別で上位のクラスの子たち。
導入で試してみた問題に対して、100%、仮分数に直していました。
だから、この子たちへの要求を変えました。
「なぜ仮分数に直す必要があるのか」
として、ここではその必要性を説明させる活動に転換しました。
子どもたちは、まず自分で例題を作りました。
もちろん帯分数を含むわり算の例題です。
そして、その例題に対して二通りの解き方を示します。
A 帯分数のまま計算
B 仮分数に直して計算
そして出てくる商の違いを示して、「帯分数のまま計算するのは誤り」「仮分数で計算するのが妥当」ということを説明しようとしました。

ここでは説明の方向性が分かれたことがおもしろかったです。
「帯分数のままわり算することは不可能」
とする子が何人かいました。
整数部分と分数部分を分けてわり算をしたり、組み合わせてわり算をしたり…
という計算自体が「?」という結論にたどり着き、計算を諦めるパターンでした。
もう一つは
「計算はできるが、出てくる商が不適切」
と論じるパターンでした。
この子たちはなんとか我流で帯分数のまま計算してみせ、
「仮分数の答えと違うから」
「1より大きい数で割っているのに、答えがもとの数より大きくなっているから」
などといった視点から、その不適切さを指摘していました。
さらに興味深かったのは、
「図で示す」
ということにチャレンジした子がいたことです。
これはかなり難しそうでした。
仮分数、帯分数のわり算をそれぞれ図で示して、その違いを示そうとしていたのですが、結局時間内には完結しませんでした。

第4時は
「分数のわり算の適用」
です。
いろんな文章題に対して立式をして商を求める場面ですが、ここでは
「わり算の性質をとらえ、分数のわり算の問題を作ろう」
としてみました。
この第4時までくると、
「また先生が難しいことを要求してくる」
ということを子どもたちが分かってきていて、最初から前のめりで構えている子たちがいました。
まず「わり算の性質をとらえる」ということで、
6÷2=3
について
「この状況になるように、○○○○○○○ ←6つの○のどこかに線を入れなさい」
という簡単な問いからスタートしました。
すると予想通り
○○/○○/○○

○○○/○○○
の2つに答えが分かれました。
この時点で子どもたちは
「え?」
と、自分と違う答えに興味を示していました、なぜそう線を引いたのかというお互いの説明を通して、
「等分除」と「包含除」について理解しました。
そこから本時の問い
「では、分数を使って、等分除と包含除、両方の問題を作ってみよう」
としました。
もちろんシチュエーションは自由。
ジュースの問題だろうが、ケーキの問題だろうが。
ここで難しいのは「包含除」の方です。
基本的に「いくつ分」を問う問題になるので、出てくる答えが整数である必要性があります。
そうなると、登場させる分数を工夫する必要があります。
ここで子どもたちは自然と「逆算」をすることになります。
問題作りは算数の授業で時折出てくる活動ですが、等分除と包含除を要求していること、分数を使うこと、この2点がハードルを高くして、またこのクラスの子たちにはのめり込む活動になりました。

思いきった授業の転換を図っています

2015-06-05 22:16:44 | 授業中の攻略法
私が受け持っている6年生算数で、いわゆる習熟度別クラス編成による授業をスタートしました。
担任の先生が、理解の遅い子たちが集まるクラスを。
そして指導法改善の立場にある私が、理解の進んでいる子たちのクラスを受け持つようにしました。
人数比でいくと、担任側に1/3で私側に2/3ほどです。
平均的には学力のなかなか高い学年なので、こうなります。

学力の高い子たちを受け持つ私の目標は、より発展的な力を身に付けさせることです。
昨年度から、いわゆる「活用力」というところも強く意識しながら、授業の改善を試みていましたが、今年もそのシーズン2といったところです。

6年生の「分数のわり算」という単元がスタートしここで、少々思いきった授業の転換を図ろうと思いました。

第1時
ここでは、分数÷分数においては逆数をかけることを学習する場面で、本来なら
「分数÷分数はどのように計算するのだろうか」
のような学習のめあてが立つところですが、変えました。
「分数÷分数では、なぜ逆数をかけて計算するのか、説明できるようになろう」
としました。
というのも、さすがこのクラスの子たち、既に逆数をかけることを知っていることがほとんどだったからです。
授業の最初でそれが確認できたので、問いを変えました。
問いが変われば、当然授業も変わります。
ゴールは「逆数をかけて計算できるようになる」ことではなくて、「逆数をかけて計算する意味を説明できるようになる」こととしましたがから、みんなそれを理解するために必死になっていました。
数直線や式の変形から、どうにかそれを理解しようと、子どもたちの本気度が高まっていたのを肌で感じ、今回の授業の転換に手応えを感じだしました。

第2時
ここでは、分数÷分数のわり算においても途中で約分できることを学ぶ場面で、本来なら「計算を簡単にする工夫を考えよう」あたりのめあてが立つのでしょうが、変えました。

「分数÷分数の計算において、途中で約分をしなかったらどうなるのだろうか」

授業の出だしで約分が含まれる問題を試しに1問解かせてみると、全員が途中で約分できることに気付いて、すでに教える前から約分していました。
前のかけ算の学習が生きているわけです。
「そうだね、途中で約分すると計算が簡単になるので、次からの問題でも約分を見落とさずにやってみよう」と続く授業では、この子たちは飽きてしまうことが私には簡単に予想できたので、ひねりました。
「途中で約分したくないという子がいました。この子は途中の約分がめんどくさい、最後に答えを約分するほうが簡単だと言っています。さて、この子に、途中の約分を勧めたいのですが、あなたならどうやって勧めますか」
そして、子どもたちには自分で「例題」から考えさせ、そして「解説」を考えさせました。
すると子どもたちはまたまたいい顔つきでノートに向かいました。
問題すら与えられておらず、問題すら自分で考えるこの活動に、本気で脳みそをフル回転させています。
要するにここでは、途中の約分をせずに商を出してしまうと、莫大な大きさの商が出てきてしまい、それを約分するのは相当大変である、というその「相当大変である」状況をうまく表すことができるかというところです。
どうじに、同じ例題において途中で約分をすれば、なんともスッキリとした商がでてくることも示し、両方をもって説得力を出したいところです。
これまた子どもたちもおもしろそうに取り組んでいました。
できた子からどんどんノートを交換させて、◎ ○ △と評価をさせるとまた盛り上がりました。
そして推薦させ、上手なものをテレビで紹介し「どこが上手なのか」
という問いをすると、いろんな視点から意見が出て、私としてもおもしろいと感じました。

なるほど、この子たちにはこのほうが合っている、こんな問いに飢えていたのだろうと、思わされました。

そして第3時以降も、思いきった転換を図る授業を続けました。
(次回へ続く)