教頭先生に
「先生,悪いけど,この会に行ったくれない?どうも出席者が少ないみたいで…」
と声をかけられ,
(やらなきゃいけない仕事は山ほどあるんだけどなぁ)
とは思いながら,了解して行ってきました。
「シンポジウム」というもので,なかなか大々的にしているようなのですが,出席者が少ないとはさびしいものです。
最近増えましたよね。
シンポジウムとかフォーラムとか。
そんな感じで,特になんの期待もしないまま,少し遠し会場へ電車で向かいました。
立派なホールが会場でしたが,さすが,直前に出会をお願いされるぐらいのシンポジウム,会場の半分は空席でした。
さらに私の期待感も半減。
最初の「基調講和」が始まりました。
「眠らないでくださいね」
と始めた講師。
(眠らせないでくださいね)
と思っている参加者。
どんな人が講和するのかも特に気にしていないほど,私のテンションは↓だったのですが,ここで目が覚めました。
この講和が,意外にも,大変おもしろかったのです。
1時間の講和だったのですが,結果的に,1時間どっぷりと聴き入りました。
聴いたことは今でも強く心に残っています。
なぜこの講和がおもしろかったのか。
私も忘れないうちにまとめておきたいと思います。
1 古い話と新しい話をバランスよくする
…古い話は終戦時の帝国議会の話を熱く語り,新しい話は最新の教育事情をおしみなく紹介していました
2 専門的な詳しいデータをちょいちょい挟む
…現場の先生は知らない,役人さんしか知らないような最新データで興味ひいていました
3 自分のプライベートを垣間見せる
…教員としての思い出話だけでなく,自分の実生活をさらけだすことで,聴く人は親しみを感じました
4 失敗談を語る
…おえらいさんがおもしろおかしく失敗談を語れば,会場は一気ににこやかな雰囲気に変わりました
5 方言でしゃべる
…常にではありませんが,熱が入った時に方言になっていて,これも親しみを覚えることになりました
6 しゃべり方に抑揚がある
…低いトーンと高いトーン,ゆっくりとスピーディ,客観的にと主観的に,真剣な表情と笑顔と, 幅広く使い分けていました
7 間がうまい
…1時間を淡々と同じペースでしゃべられることこそ,何より強烈な睡眠薬なんです。適度に間をとって,1時間のマンネリ化を防いでいました
8「伝えたいことがある」と,うれしそうにしゃべる
…義務的に講演するのではなく,「自分が伝えたいことがあるからしゃべる!」という熱意が常に伝わってきました。
9 何といっても,話す人の人柄がいい
…これが一番ですね。やっぱり言葉は「何を話すか」よりも「だれが話すか」だということを強く感じました。この人と親しくなりたいと思える講師でした。
こんな感じだったと思います。
「我が県にもこんな人がまだいたんだ」と,そこまで思えるほど,魅力的な講師でした。
同時に,「こんな先生に教えてもらったら,子どもたちもうれしいだろうな」と感じましたね。
自分はどんな風に人に話をし,子どもたちに話をしているのかな。
改めて省みる機会になりました。