小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

本校研修主任の一風変わった研修手法

2016-07-26 20:55:25 | 学級生活の攻略法
今年,本校はとあるテーマを掲げて研修を進めています。
7月に入り,いよいよ本格的にそれが動き出す時期となりました。
私も教務主任の立場から,今年の研修がどのように進み,どのような成果をあげるのか,気になるところです。

そして,いよいよ事実上のスタートとなる研修の時間。
もし私が研修主任だったら,スタートとなるこの時間には,できるだけ綿密な計画を示すと思います。
ゴールに向けて,この1年どのような内容,方法,組織で研修を進めていくか。
加えて,目標や仮説,構想等も示し,理論的な部分の共通理解を図ることを優先するだろうと思います。

それにしても,今年の研修主任から事前に相談や打ち合わせがなく,私も管理職も
「大丈夫かな?」
という感じでいたので,誰も今回の中身を知りませんでした。
「今日は重要だ。どんな研修になるのかな…」


…意外な形でした。
私が想像していた「計画立案」的な中身は一切なし。
研修主任からは簡単な説明があっただけで,それ以降は
「では各学年で話し合い,さっそく始めてください。」
というものでした。
「え?始めてくださいって…?」
と思ったのは私だけではないようで,少しとまどいを隠せない感じの先生たち。
しかし,とりあえず係の指示通り,各学年は作業を始めました。

とはいえ大丈夫だろうか?
ちょっと不安に思った私は,黙っていられず研修主任に話をしにいきました。
「先生,これで大丈夫でしょうか?もっと…」
という私の話に,余裕の表情の研修主任。
「まず,いきなりやらせてみるのさ」
「?」
「そしたら,できないことを自分たちで見つけるはず」
「ほぉ」
「もっと必要な情報とか,理論的な部分とか,今回の研修でできることとできないこととか,そういったものが分かるでしょう。」
「なるほど」
「それが今回のねらいだよ」
「へぇ~」
「今回の研修の最後に,そういった声を各学年から出してもらって,それをもとに今回の研修の構想を立てていこうと思ってるよ。どう?」
どう?と聞かれても,うなずくしかできませんでした。
この研修主任なりの意図がしっかりあったわけです。
子どもの授業のように,研修も問題解決的な形で進めていこうとしている意図が。

これは私にとって新しい刺激になりました。
私だったら責任者としてできるだけのレールを敷くことに必死になっていたところを,この先生は,他の先生を主体として動かせる工夫を考えていたわけです。

研修とは,そもそもそうあるべきですね。

私にとって一番の褒め言葉

2016-07-23 18:01:47 | 学級生活の攻略法
職員室内に,やたらと
「キー キー」
という耳障りな音がするので,何かと思ったら,先生たちの椅子の音でした。
椅子を動かすときに,あのコロコロがさび付いてて嫌な音がしていました。
私は倉庫から
「CRC」
を持ってきて,ちょっとした時間に,音のする椅子を調べてコロコロにシューッとして回っていました。

すると,ふと校長が職員室に現れました。
机の下にかかみこんで何やらやっている私に気付いて
「何してるの?」
と尋ねてきました。
「いすにCRCしてます。うるさかったので」
答えると,校長は
「ほー。まったく,先生は何でも屋だね」
と。

「何でも屋」
これ,実は昨年も後輩に言われた言葉で,言われたときにすごくうれしかったんです。
ってことは,確かその頃ブログにも書きました。笑
教務主任として「何でも屋」になりたいと思っていましたし,実際周りの人からもそういう風に見てもらえていることが分かったので。
それ以降も,自分の仕事に線引きすることなく,学校のため,先生たちのためになると思ったことは,せっせとせっせといろんな仕事をやってきました。(つもりです。笑)

それが今年になって,校長先生に
「何でも屋」
をもらえたので,またまたうれしかったです。

実際,CRCをいすにしているときは,
「よし!これも何でも屋として先生たちのために…」
なんて意識は全くありませんでした。
意識はなくても,もう自然とこんなことをやるようになったことに,あとから気付きました。
自分で言うのは恥ずかしいですが
「俺もずいぶん教務が板についてきたな」
なんて。笑

でも,まだ気付いていないことがあるはず。
自分がすれば,他の先生たちが助かるようなこと,あるはずです。
アンテナを高く張っていきたいと思います。

11×11には要注意

2016-07-19 22:35:46 | 授業中の攻略法
6年生の算数。
1学期最後となる「円の面積」の学習も終わり,単元のテストがありました。
テストの前の時間,一通りの復習はしたので,ある程度大丈夫かなという感はありました。

そして採点してみると…
まあある程度はできていて,それなりの結果は出ているのですが,どうも引っかかる問題がありました。
それは,半径×半径×円周率を使って面積を求める単純な問題なのですが,やたらと間違いが多い問題が1問。
間違いの理由はただ1つ。
「計算ミス」
小数のかけ算なので,それがあっても不思議ではないのですが,採点の途中に気付いたのが
「同じ計算ミス」
をしていることです。
要するに,間違っている子の答えがみんなそろっていました。

なぜだ???
ちょっと分析をしてみることにしました。
「半径は11cm…
 だから式は11×11×3.14…
 この立式は簡単なことだし,実際みんなできている…
 じゃあこの式のどこで計算ミスをするのか…

 あっ」

見つけました。
決定的な原因を。
答えを間違えている,ある子のテスト用紙をよーく見てみると,筆算のあとが残っていました。
そこに今回のミスの原因が!
   11
   ×11
   11
  11 
  111

なんじゃこりゃ~!
上の方から1がいっぱい並ぶものだから,最後もきれいに1を並べてるってことか~
だから,間違えている子たちの答えは全部
「348.54」
になってるわけか…

安易なミスに腹立たしくなったり,自分の指導不足が情けなくなったりしましたが,同時に,なんか面白く思えました。笑
1をたくさん並べる子たちがかわいく思えてしまって。
いや~ そうでしたか,そうでしたか。

でも,算数の先生として新しい発見でしたし,これから気を付けなくてはいけないことが分かりました。
「11×11」には要注意!

教頭先生… かっこいいこというじゃん

2016-07-14 20:59:17 | 教師力UPの攻略法
前回の記事で校長を持ち上げたので、今度は教頭を。笑

少し前から,保健室から苦情が出ていました。
養護教諭の先生が言うには
「最近,保健室の使用の仕方がよくなくて…」
どうも,保健室に訪れる子どもたちの態度や,各学級担任の保健室利用の方法に問題があるようでした。
私に何度か相談に来ていたので
「管理職を通して,職員全体に投げかけてもらいましょうか」
と提案しました。
「そうしてもらえると助かります」
ということだったので,私が教頭先生に通しました。

教頭先生も理解のある人なので,すぐに引き受けてくれました。
そして数日後。
ちょうど学年主任が集合する会議があったので,その場を利用して教頭先生が言ってくれました。
「先生方にお伝えしたいことがあります。
それは,最近の保健室利用についてです。
先生方や子どもたちの利用の仕方について問題があると感じています。
例えば~や,~や,~といったことです。
これらのことについては,私の目から問題があると思っていました。
今後,~という風に改善していってほしいと思いますので,学年主任の先生方にお願いです。
このことを必ず今週中に各学級の先生方に下ろしてください。
よろしくお願いします。」

これを読んで,気付いたでしょうか?
教頭先生は,すべて「自分からのメッセージ」として話していたのです。
「私が問題があると思っている。」
「改善について,私が提案する。」
そういう話しぶりでした。

本当は,養護教諭の先生が言っていることなのに。

私的に
「教頭先生かっこいいな~」
そう思いました。
普通なら
「養護教諭の~先生から~という苦情が出ています」
みたいな話しにしてしまいそうです。

話しの内容からしても,各担任から反発があるかもしれない内容です。
そうなった場合も,それは「自分が受け止める」そういう姿勢が教頭先生に見えます。
影ながら,養護教諭の先生を守っているわけです。

さりげなく,かっこいい。
それが私にはものすごくかっこよく見えました。


校長のリーダーシップを見た瞬間

2016-07-12 21:55:31 | 教師力UPの攻略法
生徒指導的な問題が発生しました。
かなり深刻で,かなり重大な。
そのため,問題発生直後に緊急に職員全員を集合した次第でした。

本校でこのような事例は普段は少ない方で,今回の件に職員みんな驚きを隠せない様子でした。
関わっている子どもの在籍する学級担任の先生はかなりうろたえているようでした。
その担任の先生から一連の報告があったのち,校長が口を開きました。

ここで校長がどんなことを言うかが重要だと私は思っていました。
学校の緊急事態に際して,そのリーダーとなる立場の人が何と言うのか。

校長は,神妙で,かつ落ち着いた表情でこう言いました。
「今回の件は学校の緊急事態ととらえましょう。
今から言う5つのことをやっていきます。
1 被害に遭っている子の心のケア
2 状況の正確な把握
3 関わっている子への具体的指導
4 情報の共有
そして
5 保護者対応
です。
この5つを丁寧に,かつ迅速にやっていきます。
これは担任の先生が一人できることでは到底ありません。
学校としてチームで動きます。
みなさん,どうかこの件の解決に向けて気持ちを一つにしてください。

早速ですが,このあと,~先生,~先生,~先生… は校長室に来て下さい。
今後の対応について確認します。
以上です。」

短く,端的な言葉の中にも,今後の方向性と具体的な中身,そして職員を鼓舞するメッセージが十分に込められているように,私には感じられました。
難しい問題に対応していくそのスタートとして,見事にチームの結成がなされたのではないかという雰囲気を感じました。

普段あまり出番のない校長先生(というと失礼ですが)に,とても頼もしいリーダーシップを見ることができたような気がして,うれしく思いました。
私もこのチームの一員として,できることを果たしていきたい,そう強く思う一瞬でした。