年度始めの学級PTAやPTA総会等で、この学校には多くの保護者が出入りする機会があります。
私も本校の在籍が長くなってきたので、顔見知りの保護者が増えてきました。
そんな保護者と顔を合わすたびに、この時期は同じ話題になります。
「先生、担任してないんですって!びっくり~」
「そうなんですよ~」
こんな話題です。
そして、この話題をする保護者の、ほとんどの方が同じ言葉を口にします。
それは
「もったいない~」
担任をしないことを「もったいない」と言うということは、ある程度担任時代の自分を評価をしてもらえてるということでしょうから(勝手な解釈ですが)これはうれしい言葉かな?と思って受け止めています。
「そんなことないんですけど、ありがとうございます。」
みたいな返しを毎回しています。
「下の子をもってもらいたかったんですけど~」
なんて言ってもらえると、なおさらうれしくなります。
と、同時に、この保護者たちのリアクションの裏を返せば、自分がしている役職に対しては、それほど評価をしていない、というか、重要性を感じていないということなのかな?とも思いました。
まず、校内では「教務主任」という立場が一番に立つわけですが、体外的には
「算数の先生」
ということになっているのでしょう。
だって、教務主任なんて言われても、学校関係者以外の人たちはぴんとこないはずです。
少しでも学校の事情に精通している人なら分かるのでしょうが。
「算数の先生」
≒「算数しか教えない先生」
≒「自分のクラスをもたない先生」
≒「算数は得意だけど、担任としてはいまいち?」
≒「子どもとの関わりも少ない」 ・・・・
そんな印象でしょうか。
ちょっとひねくれた想像ですが(笑)
これではやっぱり悔しいので、対外的にも「教務主任」という立場をアピールしようかなとも思いました。
「それってどんな仕事ですか?」
と、もし聞かれたら…
ちょっと答えに困りますね。。。
いや、もちろんこの仕事を説明できないわけではないんです。
「先生たちが仕事をしやすい環境をつくる」
「学校のスケジュールを管理する」
「校長先生、教頭先生の下で動く」
そんな感じになるのでしょうが、そんなこと真面目に保護者などに言ったところで…
なんかいやらしくないかなぁ。
えらそうで。
そんなえらそうなことを言えるほど、まだ自分にこの立場に対する自信がないんでしょうね。
だからと言って、冗談っぽく
「職員室の端っこでパソコンばっかりしてるんですよ~」
「担任を任せられないから外されちゃったんですよ~」
って言ってみたこともありますが、それも虚しく響きました(笑)
うーん
やっぱり、対外的には担任の先生が一番ですね。
それは絶対に揺るぎないことでしょう。
担任をしてないくせに、そこを追い抜こうなんてしてはいけないし、できないということをまず確認しました。
教務主任という立場がすごく重要なことは学校内では誰もが知るところですが、それを対外的にも理解してもらう必要は、別にないと思いました。
逆に、自分が有名になるのではなく、担任の先生方の評判がもっと保護者なんかに対して上がっていくように、自分は影のサポートをしていくことだろうと、そう思いました。
正直、さびしさや悔しさも感じますが(笑)、そうすることにやりがいを見出していくべき役職だと理解します。
妻もよく友達に尋ねられるそうです。
「今年、ご主人何年生の担任になったの?」
妻は、正直に答えます。
「今年は担任してないんだって。算数の先生してるらしいよ。」
すると、当然友達は
「あらぁ、そうなの…」
と、それ以上話題が盛り上がらないそうです(笑)
「こんなとき、なんて答えたらいいの?」
って妻が私に聞いてきましたが
「いや、別にそれでいいよ。」
と答えました。(笑)