今日は研修で「いじめ問題」について意見交換をしました。
常に真剣に取り組むべき,学校の最重要テーマの一つです。
研修の内容も,新しい何かがあったわけではありませんが,毎回恒例の内容であっても,また気を引き締めなくてはいけません。
文部科学省や地方自治体が示している「いじめ対策の方針」のようなものを読み合わせするだけでも価値があると思います。
何度も耳にした文章であっても,もう一度本気で噛み砕く思いです。
今回の研修の中で,各学年部で話し合ってみるグループワークの時間が設けられました。
私は五年部。
各担任から,これまでの事例を出し合ったり,最近の子どもたちの変容について出し合ったりしました。
そして
「いじめに発展しそうな状況,子どもたちの関係はないか?」
などと確認し合いました。
担任の先生方が難しそうな顔で
「う~ん」
としていると,ふと別の先生が声を上げました。
五年部には,担任の先生以外に算数専科の先生が一人入っています。
この先生は,まだ経験が浅く,研修のような場ではあまり発言をすることもありませんでしたので,少しびっくりしました。
そして教えてくださいました。
「五年生の子たちの特徴は…」
「男子は…という子が多くて,女子は…」
「以前にクラスの前の廊下を通った時に…」
「担任の先生が大きな声で指導されているのを耳にしました。そのとき…」
「4月から比べると,子どもたちも変わってきていて…」
さすが五年部というだけあって,とても注意深く五年生の子たちを見てくださっていたのです。
どのご意見も,子どもたちの事実をはっきりとらえられていたように思いました。
思わず
「先生,ありがとうございます」
って言っちゃいました。
専科の先生は大変恐縮されていましたが。
思いました。
自分のクラスを,自分じゃない別の人の目から客観的にみてもらうことも大切!
そのクラスの子たちのことを一番分かっているのは,もちろん担任です。
しかし,
・子どもとの距離が近すぎて,見えなくなっている部分がある
・クラスを一方的な側面からしか見ておらず,多面的に見ようとしていない
・無意識のうちに,個々の子どもに偏見をもってしまっている可能性がある
・子どもは担任の前でだけ表情を使い分けているかもしれない
ということが考えられます。
担任の弱点です。
このことに危機感を感じずに,担任として一生懸命であることだけを自負して,独りよがりな学級経営をしてはいけません。
客観的な目で,このクラスを評価してくれる目が必要です。
別の視点から,子どもたち一人一人を見てくれる目が必要です。
そんなとき,専科の先生など,子どもたちに何らかの関わりのある別の先生の存在がとても重要になってきます。
この先生方は,クラスの子たちと接する中で,絶対に何か感じるところがあるはずです。
いい面も,そうでない面も。
問題は,それを担任の先生が積極的に教えてもらおうとするかどうかでしょう。
専科の先生などは,「学級経営にまで口出しをするなんて」と遠慮している人も少なくありません。
でも,大切なことに気付いていることもあります。
だから,担任から聞くべきです。
「最近,うちのクラスどうですかね。」と。
そしてすべて出してもらって,自分の学級経営に対するフィードバックとしたいきたいです。