小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

思いきった授業の転換を図っています

2015-06-05 22:16:44 | 授業中の攻略法
私が受け持っている6年生算数で、いわゆる習熟度別クラス編成による授業をスタートしました。
担任の先生が、理解の遅い子たちが集まるクラスを。
そして指導法改善の立場にある私が、理解の進んでいる子たちのクラスを受け持つようにしました。
人数比でいくと、担任側に1/3で私側に2/3ほどです。
平均的には学力のなかなか高い学年なので、こうなります。

学力の高い子たちを受け持つ私の目標は、より発展的な力を身に付けさせることです。
昨年度から、いわゆる「活用力」というところも強く意識しながら、授業の改善を試みていましたが、今年もそのシーズン2といったところです。

6年生の「分数のわり算」という単元がスタートしここで、少々思いきった授業の転換を図ろうと思いました。

第1時
ここでは、分数÷分数においては逆数をかけることを学習する場面で、本来なら
「分数÷分数はどのように計算するのだろうか」
のような学習のめあてが立つところですが、変えました。
「分数÷分数では、なぜ逆数をかけて計算するのか、説明できるようになろう」
としました。
というのも、さすがこのクラスの子たち、既に逆数をかけることを知っていることがほとんどだったからです。
授業の最初でそれが確認できたので、問いを変えました。
問いが変われば、当然授業も変わります。
ゴールは「逆数をかけて計算できるようになる」ことではなくて、「逆数をかけて計算する意味を説明できるようになる」こととしましたがから、みんなそれを理解するために必死になっていました。
数直線や式の変形から、どうにかそれを理解しようと、子どもたちの本気度が高まっていたのを肌で感じ、今回の授業の転換に手応えを感じだしました。

第2時
ここでは、分数÷分数のわり算においても途中で約分できることを学ぶ場面で、本来なら「計算を簡単にする工夫を考えよう」あたりのめあてが立つのでしょうが、変えました。

「分数÷分数の計算において、途中で約分をしなかったらどうなるのだろうか」

授業の出だしで約分が含まれる問題を試しに1問解かせてみると、全員が途中で約分できることに気付いて、すでに教える前から約分していました。
前のかけ算の学習が生きているわけです。
「そうだね、途中で約分すると計算が簡単になるので、次からの問題でも約分を見落とさずにやってみよう」と続く授業では、この子たちは飽きてしまうことが私には簡単に予想できたので、ひねりました。
「途中で約分したくないという子がいました。この子は途中の約分がめんどくさい、最後に答えを約分するほうが簡単だと言っています。さて、この子に、途中の約分を勧めたいのですが、あなたならどうやって勧めますか」
そして、子どもたちには自分で「例題」から考えさせ、そして「解説」を考えさせました。
すると子どもたちはまたまたいい顔つきでノートに向かいました。
問題すら与えられておらず、問題すら自分で考えるこの活動に、本気で脳みそをフル回転させています。
要するにここでは、途中の約分をせずに商を出してしまうと、莫大な大きさの商が出てきてしまい、それを約分するのは相当大変である、というその「相当大変である」状況をうまく表すことができるかというところです。
どうじに、同じ例題において途中で約分をすれば、なんともスッキリとした商がでてくることも示し、両方をもって説得力を出したいところです。
これまた子どもたちもおもしろそうに取り組んでいました。
できた子からどんどんノートを交換させて、◎ ○ △と評価をさせるとまた盛り上がりました。
そして推薦させ、上手なものをテレビで紹介し「どこが上手なのか」
という問いをすると、いろんな視点から意見が出て、私としてもおもしろいと感じました。

なるほど、この子たちにはこのほうが合っている、こんな問いに飢えていたのだろうと、思わされました。

そして第3時以降も、思いきった転換を図る授業を続けました。
(次回へ続く)