クラスの男の子がけんかをしました。
同じ日に2つ。
どちらも,暴力がともなったり,激しい暴言が飛び交うようなものではなく,当事者二人の間で,少し行き違いがある程度のものではありますが。
1つ目のけんかは昼休み。
クラスのリーダー格となる元気者の二人でした。
昼休みになり,私もいつものようにサッカーをしに運動場に出たのですが,
「あら?」
お決まりの場所を陣取ってサッカーしているはずの子どもたちの姿がありません。
元気なさそうに端っ子の方でボトボトとボールをけっていた数人の子たちをつかまえて聞いてみると
「太郎と次郎がけんかしちゃった」
と。
すごく仲良しの二人で,これまでにもこの二人がけんかをしたというのは,私の知る限りではなかったので驚きましたし,リーダー格の二人の分裂に,他の子たちもしょぼんとなっていました。
原因を聞くと,サッカーを始める前に,本当にちょこっとした意見の行き違いがあったようでした。
遠くを見ると,校舎の方へ方を落としながら帰っていく太郎の姿が見えました。
「ふ~ん」
私もどうしようかと思いましたが,
「とりあえずサッカーするぞ!ほれ,やる人集めろ!」
と,ちりちりになった子たちをできるだけ集めて,サッカーをしました。
そして,この太郎と次郎については,二人に任せてみようと思いました。
この二人の心のつながりというのは深いものがあると思っていましたし,けんかをどう解決していくか,自力でなんとかできそうな二人だと判断したからです。
そして,その昼休み,二人がサッカーに戻ってくることはありませんでしたが,掃除時間。
私はわざとけんかのことを知らないふりして,教室掃除をしている二人のもとに行ってみました。
すると,少し距離を置いてぞうきんがけをしていましたが,
「だれか,ゴミ箱のゴミを捨ててきてくれないかな。」
と話をすると,すぐに太郎が
「ぼくが行きます」
と落ち着いた様子で出てくると,それに続いてすぐに
「ぼくも行きます」
と次郎が。
もちろん二人で行く必要はないのですが,
「じゃあ頼むね」
と二人に持たせました。
これで安心しました。
けんかのあと,やはり仲直りしたい気持ちは二人にあって,そのきっかけを探していたところでしょう。
ゴミ捨てはナイスでしたね,我ながら(笑)
この後は「雨降って地固まる」
男友達の絆がより深まっていくことでしょう。
珍しいけんかに慌てて,昼休み中に呼び出して話をしたりせずによかったです。
そうしても仲は戻ったのかもしれませんが,「先生が取り持った仲」と「自分たちで取り持った仲」は意味が違います。
自分たちで取り持つことができれば,その深まりはより深くなるし,お互いに自信がつくし,また同じようなけんかがもしおきてしまったとしても,大丈夫だと思えます。
子どものけんかに先生が首をつっこむかを見極める!
子どものけんかはあちこちで勃発するものですが,まずはそこからですね。
二人の人間性や成長の度合い,周りの友だちの関わり方,そんなことを加味しながら,すぐに仲裁に入るか,遠くから見守るか,先生の役目を探ることからです。
さて,この日はもう1つ別のけんかがありました。
(そういうと,うちのクラスがすごく荒れているように聞こえますが 笑)
今度は遠くから見守るわけにはいきませんでした。
・・・また次回。