何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

まるちゃん達お空組が歌う LAST CHRISTMAS

2016-12-26 20:50:55 | ひとりごと
これからは、天上界で「ラストクリスマス」が歌われることになった。

<英歌手ジョージ・マイケルさん死去、53歳> ロイター 12/26(月) 8:37配信より一部引用
英歌手で、ポップデュオ「ワム!」やソロシンガーとして多くのヒット曲を放ったジョージ・マイケルさんが死去した。53歳だった。
マイケルさんの広報担当者が「私たちの愛すべき息子、兄弟、そして友人であるジョージが、このクリスマスの期間に自宅で亡くなったことは大きな悲しみだ。家族はこの困難な時にあってプライバシーを尊重してほしいと望んでいる。現時点でこれ以上のコメントはない」と発表した。英警察は、マイケルさんの死について「原因の説明は不可能だが、不審な点はない」としている。
1963年にロンドンでギリシャ系移民の両親の下に生まれたマイケルさんは、1981年に「ワム!」を結成し「ラスト・クリスマス」などの大ヒットを飛ばした。

昨日まさに、’’去年の今頃(クリスマス)’’はワンコがいてくれたと思い堪らない気持ちになっていただけに、寂しさを強く感じている。

この時期になると御大は、高3の担任が二学期の終業式に宣ったという「クリスマスは苦しみます」という寒いセリフを必ず言うのだが、どのクリスマスソング(流行語)が心に浮かぶのかは、世代により違うのだと思う。

私の場合、クリスマスソングといえば、ワムの「ラスト・クリスマス」だ。
クラスのなかに、アイドルの話をする同級生がちらほら現れ始める頃、チェッカーズや光GENJIが流行り始めていたのだと思うが、そんななか、ワムやカルチャー・クラブが好きだという友達が一人いた。
もとより熱血チビッ子野球派の私は、アイドルでもワムでもよいのだが、他の同級生より一足早く大人の階段を登っているような友人に興味をもち、初めて聞いたのが、ワムの「ラスト・クリスマス」だった。

今年もまた、私の頭に「ラスト・クリスマス」が流れていたのだが、この曲の冒頭の「LAST CHRISTMAS」が浮かんだだけで、もう堪らない。

去年のクリスマスには、ワンコがいた。
季節が一巡りしても、寂しさは募るばかりで、どうしようもない。
だが、ワンコのおかげで違う視点を持つことができたことを感謝しなければならないと思う一節に出会った。
このところ読んでいる短編小説「サファイア」(湊かなえ)の中の唯一の連作「サファイア」「ガーネット」の一節だ。

人に甘えるなど滅相もないと思っている主人公の真美は、他人におごってもらう事もタダでもらう事も嫌いなので、まして人に何かをねだる等ということはしたことがなかったのだが、旅先で出会った修一とは不思議なほど感覚が合い心を許し、20歳の誕生日のためにと人生で初めて指輪をおねだりしたのだった。
だが、修一は、誕生日当日事故に遭い、亡くなってしまう。
後日、修一の家族から真美の誕生石であるサファイアの指輪を手渡された真美は、その指輪を買うため修一がしたアルバイトが悪徳商法だったことを知る。
修一自身は悪徳商法と知らずにしたアルバイトだが、それにより恨まれていたのではないか、事故ではなく被害者に殺されたのではないか、と不信をもった真美は、『たった一度のおねだりは、これほどまでに罪深いことだったのか』 『もう二度と「欲しい」なんて口にしない』と心に決めて、何年もたつ、というところで話が終わる、「サファイア」

10年経ち、真美は、人のイヤな部分を炙り出す書きっぷりがウケる売れっ子作家になっていた。
その10年の間には自責の念から自殺未遂もはかったこともあったが、時々夢に現れてくれる彼を支えに、大学を卒業し、食品加工会社で流れ作業の一部となる仕事をし、なんとか生きていた。
だが転機が訪れる。
夢のなかの彼が、中に何も書かれていない本を手渡してくれたのを契機に初めて書いた小説が受賞するのだ。
夢のなかで、受賞作を彼に渡すと、彼は真美の頭を撫ぜ、ぎゅっと抱きしめ、背中をトントンとたたいてくれたが、やがて、次作を書かない真美を、夢のなかの彼は寂しそうに見るだけになってしまう。
そんな時、真美の活躍を妬む者により、肌身離さずつけていた遺品のサファイアの指輪が盗まれたり、階段から突き落とされたりという事が真美の身におこるのだが、この経験をもとに、人の憎しみや不幸に酔いしれる人の醜い復讐などを書いた作品が、ベストセラーになり映画化される。
そして、その映画の対談を読んだ読者からの手紙により、真美は真実を知るのだ。
かつて修一が売りつけた悪徳商品の買い手は、決して修一を恨んでいたわけでもなければ、その後の人生を不幸に生きていたわけでもなかった。
それどころか、10年前の修一が真美をいかに愛していたかを、知ることになる。

修一はお客に、何かを切っ掛けに違う世界が見えることがある、それが自分(修一)にとっては真美だと語っていた。
『彼女を通して見える世界が好きなのだ。同じ景色を見ているのに、彼女の語るその景色には自分に見えない色があり、匂いがあり、空気がある。それは自分一人では気付くことができないけれど、彼女を通して見えたとき、ずっと探していた世界のように感じることができる。だから、一緒にいたいのだ』と。

この言葉を聞いたお客(手紙をくれた読者)は、違う世界を見せてくれる何かを欲しいと思う。
『自分の目に映る世界にまだ向こう側があることを教えてくれる、映画監督や作家のような存在かな、と。
 世界の向こう側・・・・・。わたしの目にはくだらないと思えるこの世界も、何かを通せば変わって見えるのだろうか。
 それは人なのか、モノなのか。モノならば、指輪(悪徳商法の品)ということもあるんじゃないか』

悪徳商法の品である指輪は確かに粗悪品だったが、修一の言葉により新たな視点を得た購入者は、その後良い人生を歩むことになり、今では、その悪徳商品が「人生を変えた品」というべき物となっていた。
それを知った夜、真美の夢に修一が現れた。
彼は、真美の頭を撫ぜ、強く抱きしめ、にっこり微笑み、そして光のなかに消えていった。
真美は、『多分、もう、夢の中で彼に会うことはないだろう』と思うが、鞄に本を入れておけば、きっと彼は読んでくれるだろうという安心感と安らぎのうちに終わる「ガーネット」

ワンコ、長々と二編を紹介した私の意図が分かるかい?
心配事がある時、褒めてもらいたい時、彼が夢に現れてくれることが、羨ましかったんだよ ワンコ
もう一つ、ワンコのおかげで私も、ずっと探していた世界に通じる何かに出会えたと伝えたかったんだよ ワンコ
それを伝えたくて、この忙しい時期に、長々と概略を書いたんだよ ワンコ

ワンコを通して見ることで、確かに世界は変わって見えたな。
何気なく歩いていた道に、色がつき、匂いがして、季節の移り変わりに敏感になり、ワンコ仲間もできたな。
生活に密着した何気ないそれは、意外なことに大切なことだったと、今ひしひしと感じているよ ワンコ

黙って、ただ黙って寄り添うことの優しさを教えてくれたのも ワンコだったな。
ワンコを通じて、本当の優しさや愛を感じることができたことは学びだったよ ワンコ

ワンコは、『自分の目に映る世界にまだ向こう側があることを教えてくれる』存在だよ ワンコ

ワンコが、もう((下界の家族は)大丈夫だと思ったら、安心してお空に居座ってしまいそうで、寂しいけれど、
私が泣き言ばかり言っていたら、ワンコは、お空世界を楽しめないのかい?
じゃあ、繰り言はなるべく控えるから、ご褒美を届けにきておくれよ ワンコ

クリスマスの朝、布団のなかにワンコの匂いがして、サンタ・ワンコが遊びに来てくれたんだなと分かったよ ワンコ
きっと、(お空生活11日)先輩まるちゃんと一緒に、地上にプレゼントを届けに来てくれたんだろう ワンコ
私にとっては、ワンコのあの匂いを感じることができたことが、一番のプレゼントだったよ ワンコ

でも、これから年明けの、その日が近づくにつれ、きっともっと辛く辛くなると思うんだよ ワンコ
それは、毎日’’去年のこの日のまるちゃん’’を見つめ続けている、まるちゃんママさんにとっても、キツイことだと思うんだよ ワンコ
だから、まるちゃんと一緒に地上へパワーを送っておくれよ ワンコ

そして、年末年始には、まるちゃん ワンコ お空組さんたち
皆仲良く、「ラスト・クリスマス」を歌いながら帰っておいでよ

お空で皆で楽しくやっていると知ることで、地上組も元気になるからね
帰省しておくれ 
まるちゃん ワンコ お空組さんたち

追伸
まるちゃんママさんへ
まるちゃんが、「ラスト・クリスマス」を好きかどうか分からないのに、勝手に帰省のお伴の曲に決めてしまい、そのうえタイトルにまで登場してもらい、申し訳ありませんでした。
少し前から、まるちゃんの優しい目や足元をブログで見るたび、ちょうど一年前のワンコと同じだな、と感じていました。
だからこそ、これからその日が近づくにつれ、きっと辛さが増してくるだろうと、私の気持ちを重ねていました。
でも辛さばかりではありません。
年齢にして一歳先輩で、お空組としては11日先輩のまるちゃんが、ワンコをリードしてくれると思うだけで、どれだけ心が救われているかしれません。
ありがとうございます
これからも、どうかワンコともども宜しくお願い致します。