ワンコが天上界の住犬になって、ちょうど4年目のお告げの本のタイトルが、とっても寂しいものだったから、
だから感想文が書きにくかった、ということもあるけれど、
一月後半、私はぶっ倒れていたんだよ
だから感想文が書きにくかった、ということもあるけれど、
一月後半、私はぶっ倒れていたんだよ
なぜか二月か三月に一度盛大に倒れるのが、近年 恒例となっているのだけれど、
自分でもこれはマズイと思うほどのオーバーワークだったせいか、今年のそれは早く、一月の最終週三日ほどぶっ倒れていた
こうでもならない限りゆっくり寝ることが難しかったことを思うと、仕方がないけれど、
ひとたび休むと、疲れが滾々と湧き出てくるので、質が悪い
そんな一月最終週の週末、図書館に予約していた本が数冊まとめて入ってきたので、
ワンコお告げの本については、さりげなくスルーして、そちらの感想を書こうかと思ってしまったよ
それくらいワンコお告げの本のタイトルと、そこにあった言葉にショックを受けたんだよ
「さよならの儀式」(宮部みゆき)
これは、作者宮部氏によると「初めてのSF作品集」らしいのだよ
宮部氏というと、「蒲生亭事件」や「この世の春」などを筆頭にSFのような作品が多いという印象があるけれど、
宮部氏というと、「蒲生亭事件」や「この世の春」などを筆頭にSFのような作品が多いという印象があるけれど、
本作は、それらしきものを集めた作品集ということが、初めての試みのようなんだ
特別養子縁組を深化?進化?させたようなマザー法が親子のあり方の問題を炙り出す「母の法律」や、
老人の生きがいを問う「戦闘員」などの短編で始まる本書だけれど、
本書のタイトルとなった「さよならの儀式」にあった言葉は、
それがワンコからの四年目のメッセージかと思うと、胸が痛んだんだよ
心臓が鷲摑みされたくらい胸が痛んだんだよ
「さよならの儀式」はね
身近な作業は何でもロボットがしてくれる近未来を描いたものなのだけど、
そんな時代でも、人は感情をうしなっておらず、壊れたロボットに愛着をもっていて離れがたいと感じるんだよ
古い型、壊れたロボットは危険なので、新しいものと交換しなければならないという法律があるのだけれど、
かわいがってきたロボットと離れがたい人々が、廃棄を担当する窓口で名残を惜しむ場面が描かれているんだよ
窓口担当者に、なんとか直らないか(治らないか)と切々と訴える主人公に、
ロボットが最後に語り掛けるんだよ
「帰りなさい」
「わたしを、死なせて、ください」
この言葉を読んだ時、
ワンコ
四年たってもワンコを想わない日は一日としてない私は、胸が塞がれる思いがしたよ
よく人間界だと、いつまでもメソメソしていると故人が成仏できない、なんて言葉があるけれど、
ワンコも困り果てているのかな?
でも、ワンコも知っているだろう
たしかにワンコを想わない日はないけれど、
それは、
ワンコと過ごして楽しかったこと嬉しかったこと可笑しかったことを想う、とても和やかな時間なんだと
だから、
絶縁、みたいな「さよなら」を迫らないでね ワンコ
でも、ワンコが、そんなつもりじゃないことは、
ワンコお告げの歌でも分かったよ
本書を読んで少し呆然として、「さよならの」と打とうとすると、
こんな歌が流れてきたからね
’’星’’のことからはじめる歌詞だから、本当にワンコからのお告げの歌に思えたよ
ワンコが約束の星を通じて、弱り目な私に贈ってくれたんだと思えたよ
そうして落ち着いて本書を読むと、今度は違う言葉が心に入ってきたんだよ
それは、「わたしとワタシ」という短編なんだよ
久しぶりに実家を訪ねたわたしは、母校の制服をきている女子高生に会う、というお話で、
宮部氏らしい、三十年前のワタシと現在のわたしが色々いろいろ本音をぶつけ合う、というものなんだよ
仕事も私生活もパッとしない、女子高生からすれば「干からびちゃってる」みたいなわたしが、
30年前のワタシに、「これがわたし。でも、わたしは今のわたしがけっこう好き」と言う場面にハッとしたんだよ
ねぇワンコ
わたしもさ、他の誰でもないワタシに、今のわたしがけっこう好き、だといえるように生きたいと思うよ、
そう生きるのに手遅れってことは、まだないよね ワンコ
そんな、今のわたしの年齢に合う前向きな方向性を示してくれたワンコに
感謝だよ
Thank you for your everything さよならのかわりに!