「泥をかぶった りんごたち①」の続きを書くべきだが、ニュースは生ものなので、こちらを先に。
新型コロナウィルスが猛威?を振るっている。
強毒かと言われれば、そうではないかもしれないが、どうも感染力はかなり強いようで、当初の予測を裏切り被害は拡大し続け、それに伴い茹でガエルの国民は兎も角も、海外が日本の対応に怒り始めた。
強毒かと言われれば、そうではないかもしれないが、どうも感染力はかなり強いようで、当初の予測を裏切り被害は拡大し続け、それに伴い茹でガエルの国民は兎も角も、海外が日本の対応に怒り始めた。
<「浮かぶ監獄」海外メディアがクルーズ船乗客の発信を紹介> 産経新聞2020.2.7 17:39より引用
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で確認された新型コロナウイルスの集団感染には海外メディアも高い関心を寄せている。
「豪華なクルーズじゃない。まるで『浮かぶ監獄』だ」。仏国際ニュース専門テレビ局フランス24などは6日、乗客の英国人男性がSNSで発信した言葉を紹介した。
英BBCも、乗客らのSNSへの投稿を基に、船内の様子を報じた。デッキに出る際は「マスクを着用し、他人との間隔を1メートルは空けてグループで集まってはならない」などのルールがあることや、「服は繰り返し着なくてはならず、下着はせっけんで手洗いしている」といった生活ぶりを伝えている。
米CNNは「(船内では)地上よりも急速に感染が広がるとみられる」とする専門家の見解を紹介したほか、新婚旅行のためにクルーズ船に乗っていた米国人女性にも取材。女性は「安全とは感じられていない。すでに感染しているクルーズ船ではなく、消毒された安全な環境で隔離されるべきだ」とした上で、「トランプ大統領、助けて」と訴えた。
(引用終わり)
新型ウイルスや災害によるパンデミックものは近年多く出版されており、災害パンデミックの先駆者として名を成された高嶋哲夫氏にも致死率六〇%の強毒性インフルエンザを描いた「首都感染」がある。高嶋氏の作品は日本原子力研究開発機構の研究員であった経歴を生かした作品や災害パンデミックものが、恐ろしいまでの先見の明を感じさせ、又 理系作家さん特有の理路整然とした筆致が臨場感を醸し出し、非常に読みごたえがあるので、新作がでれば必ず読む作家さんである。だが、(どのような官僚と政治家を御存知なのか知らないが)高嶋氏の作品は、どれほど危機的な状況であろうと、すっばらしい官僚や政治家の大活躍で絶体絶命の危機は回避され、世界中からその対応が称賛されて物語が終わる、というお決まりがあるので、その一点で現実味が薄れてしまうという難点がある。
そんなことを思い出させる現状に、先月読んだ本を思い出していた。
「サリエルの命題」(楡周平)
同じく新型ウィルスのよるパンデミックを描いてはいるものの、こちらには、正義のヒーローは登場しない。
本の帯
(表の帯より)少子化は正しい。問題は長寿だ。突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬の備蓄が尽きる時……。助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。
(裏の帯より)悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使――。
日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?
そもそも本書で「サリエル」と名付けられたウィルスは、自然発生ではなく、人為的に作られたもので、しかも復讐を目的にばら撒かれたところからして、通常のパンデミックものとは異なるし、政治家や官僚たちが、正義のヒーローぶりながら、あるいは正論を振りかざしながら、結局我が身のことしか考えていない醜さを描いている分、悲しい説得力がある。
この手の話に魂を揺さぶられるような名言というのは見つけにくい事や、本書と同時期に読んだ本が(本書も含めて)暗澹たる日本の未来を予測しているので、年明け早々ブログに書くのが躊躇われたのだが、本書がオリンピック開催を間近に控えて浮かれている日本を襲った新型インフルエンザの話だったので、記録しておこうと思った次第である。
来たるべき人口減社会こそが日本を崩壊させるという危機感をもつ楡氏らしく、本書を通じて著者が訴えたかったことが、「人口減を抑えるために、(ワクチン接種や治療など)優先させる命の順番を考えよ」「限りある資源(人もの金)を優先的に若者に投資せよ」であることは明白なのだが、同時期に読んだ本数冊がすべて同様のことを訴えているので、新年早々考え込んでしまい、感想を書くことができなかったという事情もある。
それについては、又つづく?かもしれない。
そんなことを思い出させる現状に、先月読んだ本を思い出していた。
「サリエルの命題」(楡周平)
同じく新型ウィルスのよるパンデミックを描いてはいるものの、こちらには、正義のヒーローは登場しない。
本の帯
(表の帯より)少子化は正しい。問題は長寿だ。突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬の備蓄が尽きる時……。助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。
(裏の帯より)悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使――。
日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?
そもそも本書で「サリエル」と名付けられたウィルスは、自然発生ではなく、人為的に作られたもので、しかも復讐を目的にばら撒かれたところからして、通常のパンデミックものとは異なるし、政治家や官僚たちが、正義のヒーローぶりながら、あるいは正論を振りかざしながら、結局我が身のことしか考えていない醜さを描いている分、悲しい説得力がある。
この手の話に魂を揺さぶられるような名言というのは見つけにくい事や、本書と同時期に読んだ本が(本書も含めて)暗澹たる日本の未来を予測しているので、年明け早々ブログに書くのが躊躇われたのだが、本書がオリンピック開催を間近に控えて浮かれている日本を襲った新型インフルエンザの話だったので、記録しておこうと思った次第である。
来たるべき人口減社会こそが日本を崩壊させるという危機感をもつ楡氏らしく、本書を通じて著者が訴えたかったことが、「人口減を抑えるために、(ワクチン接種や治療など)優先させる命の順番を考えよ」「限りある資源(人もの金)を優先的に若者に投資せよ」であることは明白なのだが、同時期に読んだ本数冊がすべて同様のことを訴えているので、新年早々考え込んでしまい、感想を書くことができなかったという事情もある。
それについては、又つづく?かもしれない。