読書の秋。 ピッチがあがってきた。
コキョウボウジガタクソウロウ
豊臣秀吉の朝鮮出兵:1597年
混乱の中、日本(鹿児島)へたどり着いた一族の400年の生きざまと望郷の念を描く。
司馬遼太郎の文章は生きている。
あたかもそこに人が生活しているような
自分もその場所にいるような感覚になる。
それは日本人だけでなく、韓国人、中国人、ロシア人に対しても同じである。
つまり”日本人”ではなく”人間”としての文章描画である。
”人間とは何か、人間とはどう生きるべきか”ということを
考えさせられると同時に「元気」を与えてくれる。
なぜなら司馬遼の小説に登場する人物は、すべて(主役・脇役かかわらず)生き生きとしているからだ。
”生き生きとしている”というのは決して好いことばかり描いているのではない。
むしろ文章の大半はそれぞれの人生の”挫折、ため息、葛藤”で占められている。
喜怒哀楽を率直に表現しているからこそ親近感を覚えるのであろう。
次は「最後の将軍」徳川慶喜の物語である。
おもしろい。司馬遼得意の?!幕末ものである。
「竜馬がゆく」では坂本竜馬、「世に棲む日日」では高杉晋作・吉田松陰
「花神」では大村益次郎・・・と同時代の人物をそれぞれの目線で描く。
なんという観察力、洞察力だ!
そしてこの徳川慶喜。
一日で読み終わった。
秋の夜長、おすすめです!