経済同友会主催:第36回夏季セミナー
場所は名古屋城に隣接するウェスティンナゴヤキャッスル。
本日の講師は第一部が建築家の安藤 忠雄(あんどう ただお)氏:テーマ「東日本大震災から日本の環境を考える」
第二部が元 内閣総理大臣 細川 護熙(ほそかわ もりひろ)氏:テーマ「細川家 美と戦いの700年」という著名な顔ぶれであった。
安藤さんは70歳、細川さんは73歳・・・先日24時間テレビでマラソンを走った徳光さんも70歳・・・みなさん元気だ!
ここ数日で70代という年齢に対するイメージが変わった!
安藤さんは現在世界で60のプロジェクトに参加しているそうだ。国内は10程度であとは全世界をかけまわる。
そうして外から日本をみて思うことは「日本人は元気がない・・・」ということだそうだ。
復興会議のメンバーでもあった安藤さんは2030年の日本像を具体的に数値目標をかかげ提言したが
結局意見がまとまらなかったそうだ。
その数値目標とは2030年までに再生エネルギーを7.5%増やしさらに7.5%の省エネを実施・・・
その結果、現在30%の原発依存率を15%まで削減する・・というものだ。
ほとんどのメンバーが「実現不可能だ・・・」といったそうだが、不可能なことを可能にしようと努力することを”チャレンジ”という!
今の日本に一番必要のは「チャレンジ精神だ!」・・と息巻いたそうだ。
またサミュエル・ウルマンの「青春」という詩を引き合いに出し熱く語る。
青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。~中略~
年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
安藤さんがいうと説得力があるね・・
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一方、細川さん・・・こちらは本物の殿さまだ!(肥後細川家第18代当主)
ルーツは愛知県岡崎市”細川町”の出で「清和源氏」の流れをくむそうだ。
戦国大名として名が高い細川幽斎から順に歴史物語を聞かせていただいた。
東京の目白に「永青文庫」という美術館があるらしい。そこには細川家伝来の美術品や歴史資料が数万点あるそうだ。
司馬遼太郎さんも生前はよく来て資料を見ていたそうだ。
講演のあと、質問コーナー
・当主として一番大変なことはなんですか?また、今後の目標は?!
>資金です。美術品や資料を保存・維持するにはそれだけでたいへんな費用がかかります。
目標と言うのはとくにありません。静かに生きていくだけです。
・元総理として今の日本の政治をどう思いますか?
>あまりにもたくさんのことをうち出し過ぎている。民主党の代表選が近くなって毎日のように候補者から電話があるが
私が言っているのは、「震災復興と税と社会保障の一体改革」この二つにしぼって集中してやるべきだ!ということです。
また、あまり先のことまで考えないほうがいい。今は目先の問題を解決することだけに全力を注ぐべきだ。
なるほど・・・政界を引退して15年。今日も90分間、歴史と文化の話しかしなかったが・・そこはさすがに元総理だ。
ご意見番として日本を俯瞰(ふかん)している。
≪永青文庫 official site≫