直木賞受賞作ということで、この作品を知った。
1952年~1972年までの沖縄を描いているらしい。
私は沖縄が好きだ。
以前、仕事で担当していたので何度も訪問したが、
美しい自然と、人間味あふれる人にふれ
自分の中にある人間らしさというものを
いつも気付かせてくれた。
TVでは、今回の辺野古移転など、
米軍基地の話題が多いが、
一部の地域を除き、沖縄の日常は平和だという印象がある。
1952年は日本が連合軍の占領から解放された年だ。
しかし、沖縄は例外として引き続き占領下におかれた。
それから1972年に本土復帰するまでの20年間。
沖縄は日本ではなかった。
もちろんこの物語はフィクションだが、
当時の史実を参考にしている。
私が初めて沖縄に行ったのは1988年。
復帰から16年後だった。
この間、急速な円高で(1$=360円→120円)
明らかに米軍の消費支出も落ちたと
現地の人が言っていたが、
内地とはまったく違う、
”アメリカ”の雰囲気をいたるところで感じた。
それにしても、作者の真藤氏は1977年生まれ
しかも、東京出身だそうだ。
自分が生まれる前の縁もない土地の話を、
よくもここまで生き生きと鮮やかに描いたものだ。
作家というのは、そういうものだと言えばそれまでだが・・
まだ、60P/541Pしか読んでいないが、
タイムスリップして、ドローンで上空から眺めているような感覚を覚えた。
続きが楽しみだ。