
オーディオのリスニングルーム・チューニングで重要なのは
どんな音をイメージして、それを目指すかだと思います
目標とした理想の音を奏でようとチューニングしますが、必ずしもその結果が
その目標とした音になるとは限りません
が、目標は大切ですよね
私の部屋もそうですが、ほとんどの方のリスニングルームが四角い部屋だと思います
その四角い部屋が奏でる、音害、フラッターエコーと定在波を除去して
理想のリスニングルームを目指しています

響きの無いデッドなスタジオの雰囲気で、
ソフトに入った音楽を聞くのでは無く
私はスピーカーの再生音を、「更に響きのいいホール感を出して奏でる」を目指にしてチューニングを行っています
そんな理想は前回も書きましたが、40畳、天井高7メートルなんて到底無理ですから
仮想的に広げて、「尚、且つ響きのある」ホール感を目指しましたので
結局、「デッドニングとライブを兼ね合わせた」折衷ルームチューニングとなってしまいました

仮想的に空間を広げるのには、「早く動く高域」のチューニングが重要だと思います
音が早く反射も大きい「高域は出来るだけ反射を遅らせ」て
「中低域はLIVEに弾ませる」そんなチューニングを考えました
私のスピーカーはオールホーンスピーカーではめずらしく
各ユニットの振動板の位置を物理的に合わせて、
タイムアライメントをとっています

ですからウーハーのヴォイスコイル位置とツイーターのヴォイスコイルの位置が
上下で同じ位置にあります
フロントホーン方式の後方にあるウーハー位置、と同じ位置にツイーターがありますので
ツイーターのバックスペースが非常に少ないのが気になっていました
ホーン型のツイーターですので、音の特徴として前方への指向性が強く
バックスペースの容量はあまり音に影響しないように感じますが
さにあらず
やはりユニット後方の音の反射は重要であり
この距離が短いためギラつきやキツさ、音の硬さが出てしまいそれが少し気になっていました
今までもこの空間を仮想的に広げるために、様々な物を後ろに置いてみました
吸音材等の吸音効果の高いものは、静かにはなりますが、
高域がぼけてしまうような気がしました
QRDボードを設置して拡散しても、何か癖があるような、
偏ったような高音になるのが気になりました
今回は、乱反射で拡散し、多少の消音効果もあるボードを作り設置してみました
経験上、一定の方向に拡散するQRDや棒状の拡散は何か音に癖が出ますが
凸凹乱反射方式は意外に音に癖が出ません
多くのスタジオでも実績のある、凸凹乱反射方式のボードを
奥行き感の演出を更に得るために斜めにカットして

ツイーターの後方に設置してみました
狙いはピタリです
音は死なずに、活きた活力のある音で
明らかに反射時間と量が効率的に軽減され
音が柔らかく、それでいてクリアーになりました
やったー!
これはイメージ以上の効果がありました
やはりツイーターの後方スペースは重要ですね
二枚目のボードは片側の凸凹が大きくなっていますが、これはコーナーに設置して
部屋の角の音の濁りを解消しようと思いましたが、
これも狙い通りに効いているようです
予想以上の効果がありました
我がスピーカーはホーン型でありながら、モニタースピーカー並みに、
音像の定位が定まって聞こえます

ボーカルの声の位置は、中央の850ホーンの上の辺で今まで歌っていた歌手が
声の位置がかなり下方に下がりました、805ホーンの下のところまで、下がってきて
何とも優しい歌声になってきました
これは余分な響きが消えて、音が乱れず綺麗に奏でられているように思えます

因みに、ホール感を出すために
スピーカーの後方はディフェーザーで拡散しますが、
「スピーカーの横側と前方は一切拡散はしません」
本当は合板を少し斜めにして敷き詰めたいのですが、見た目もありますので
「木製ブラインドを交互に片側だけ垂らして」

フラッターエコーの解消のみとしています
横の壁はこれ以上やったら、音が死にます
両壁に垂らさず片側のみ設置、これが私はベストだと思っています
両サイドにブラインドをさげると、音がボケました
定在波は我が部屋では気になるレベルではありません、
今日の曲は、多い低音の位置で聴くか
タイトな低音の位置で聴くか程度で、椅子をずらして楽しんでいます
私の仮想空間の創造は
ツイーターの後方の乱反射拡散を行うことで、仮想空間の実現ができたと思っています
仮想空間の創造のポイントは、高域の反射音をいかに
「癖無く、乱さず、奇麗に、遅らせる」かだと思います
私のところで効果のあった方式も試してみてください
QRDや拡散ボードは部屋の下のほうに設置せずに、
ツイーターのある上の位置にに設置してみてください
あとは木製のブラインドでフラッターエコーだけを防ぐ必要最小限の拡散
これがベストだと思っています^_^