オーディオ再開!レコードで音楽を楽しもう

オーディオ、シアター、ゴルフ、etcみんな中途半端な趣味だった、もう一度このブログと共にオーディオを再開!

我がシステムのコメントを頂きました

2024年09月16日 23時09分24秒 | オーディオ

我がシステムを楽しみに多くの方が見えられます

が、なかなかコメントが頂けませんでした

 

先日お見えになった音に厳しいオーディの先輩にFBでコメントを頂きましたのでそのまま投稿させて頂きます

 

 

Tさん宅をお訪ねしました。
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Tさんは、オールホーン・システム。大変なオーディオ遍歴を重ねられてきた方で、その果てにこのシステムがあります。古典的なユニットに真空管アンプで、アナログオンリー。とにかくハンドメイドの独自の世界観があるオーディオです。
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そもそもは、私が「立体音場再生」と題して投稿した記事へのレスのやり取りです。Tさんが「オールホーンのマルチウェイでも立体再生はできる」「リアルサウンドでステージを実現できている」というので、それでは是非聴かせてください…となったわけです。
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…というわけで、訪問のテーマはあくまでも「立体音場再生」。
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到着までに一波乱。
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励磁スピーカーの電源のひとつが壊れてしまったとのこと。予熱を入念にと準備中に物が落下して電源に当たってしまったそうです。車で旧知のショップで応急修理。私が駅に到着するまでに間に合いましたが、その重い電源を車内に積んでのお出迎え。
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オーディオルームに入ってからも、いろいろとお取り込み。午前中からの入念な準備と十分な予熱という思惑は大ハズレ。アンプ類も励磁電源も全て到着してからの点灯というわけです。もうお気の毒と言ってよいほどのドタバタです。
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案の定、最初はなかなか安定しません。言い出せばキリが無いほど気になる点が満載なのです。Tさんも最低でも2時間はかかると仰います。
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しかし…
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最初からおや?…と思いました。先入観として持っていたホーンのマルチウェイのイメージとは違う。確かに、音の拡がりとナチュラルなハーモニーとステージ感があります。
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私の耳慣れた音源ということで、持参したレコードを優先して聴かせていただきました。上述のような暖機不足ですのでいろいろと思うところはありましたが、次第にこちらの耳も慣れてきて、このオールホーン・システムの本質が見えてきました。
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最初にかけていただいたショルティ/シカゴのワグナー。
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国内廉価盤なのですが、これがこういうハイクラスのオーディオにはけっこう鬼門。やっぱりそうかとちょっと落胆はしたのですが、ホルンやトロンボーンなどには気がつかなかったリアリティ。このLPは、暖機の進捗にともなって何回かかけ直しました。そのたびにこのシステムの素晴らしい素性を感じさせるようになっていきました。
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次にかけたのは中本マリのボーカル。
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Tさんは、低音の量感を求めないと公言しています。低域であってもあくまでも弾むような溌剌としたリアリティを追求。ユニット2本のショートホーンは巨大なもので、多少のご謙遜はあるとは思いますが、確かにとてもタイトで低域の遅れが音に被ってしまうことが皆無。ただし、周波数の加減なのか、このLPはかなり低音が気になりました。東芝音工の力作プロユース・シリーズ――洒脱なボーカルと原田政長の弾むようなウッドベース、ビッグバンドのパワフルなサウンドが魅力ですが、気になったのはキックドラム。ガツンと甲高い衝撃になってしまって低音にならない。――この原因は最後の最後に、低音ユニットの励磁電源の電圧が上がっていなかったことと判明しました。
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驚いたのは、シャルランレコードが見事に鳴ったこと。
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たいがいのシステムには鬼門のはずのこのレーベルが見事に鳴ったこと。ヴィヴァルディの四季ですが、これほどアンサンブルがほぐれて輝かしい弦楽器の蠱惑的な音色が立体的に再生されたのはあまり聴いたことがありません。この演奏にはコントラバスが含まれていないので、バランス上、前述のウーファーが悪さしなかったということもあったのかもしれません。
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4way10ユニットのオールホーンをこれだけマネージするというのは大変なこと。しかも、アンプやプレーヤーもかなりの年代物です。その大変さの一端をはからずも目撃することになりましたが、大変さを苦労とせずに嬉々としてやっておられる。これこそ趣味のオーディオ。
 
 
Tさん宅をお訪ねしたオフ会の報告の続きです。
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訪問のテーマは「立体音場再生」。
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「オールホーンのマルチウェイでも立体再生はできる」のか??という、こちらでのやりとりが、きっかけでした。
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実際にお伺いして聴いてみれば、「立体音場再生」の思いも目指す方向性も、私と同じ、ということでした。
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「立体感」というと、奥まった音場空間に幽霊のような音像がホログラフィックに林立するというイメージが一般には多いようです。特に「ハイエンド」を標榜するような人々。ここでの「立体音場再生」というのはそういうことではありません。もちろん録音によってはそういうものもあるのでしょうが、むしろ、それはコンサートフィデリティということではかえって人工的で不自然。
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ひと言で言えば、眼前のステージが拡がる感じ。ホールにワープするような感覚。決してシャープでキレのあるということに限らない。音楽が部屋いっぱいに展開する。空気の共有感…。
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どのようにしてそれを目指すのか?ということをTさんに聞いてみました。普段心がけていることとか、どんなことに注意を払っているかとか…。
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一番のキーワードは『音圧』なのだそうだ。
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実は、これまでもブログなどでTさんが『音圧』ということを仰っていることは知っていました。ところが、その言葉の意味がピンと来なかったのです。今回、直接お聴かせいただきながら会話させていただけたことでわかったような気がしてきました。
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まず、強調されていたことは〈タイムアライメント〉。
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ドライバーの振動面を合わせること。
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各ユニットの設置位置を厳密に合わせる。それはドライバー振動面とリスニングポジションまでの距離を厳密に合わせるということ。言い換えれば、ドライバー振動面を仮想的に点音源とするように面を厳密に合わせることになります。中核となっている中低音ホーンの開口部が突出していて、しかもワンターンの折り曲げホーンになっているので見た目では気づきにくいのですが、ドライバー面はぴったり合っているそうです。ウーファーも後の壁際にあたりまえのように置いてあるのですが、よく見ればツィターも後の壁際にあって、すべてのユニットの振動源は後の壁際の二次元面にぴたりとそろっています。
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勝手な思い込みかもしれませんが、『音圧』の意味合いは、全てのユニットがタテヨコぴったりと合っていること。タテ(片chの上下)だけでなくヨコ(両chの対応する左右)もピッタリと合わせてある。ネットワークも相当に年季の入ったもので時間をかけてバランスを細密に調整されてきたのではないでしょうか。
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つまりは、レガッタのエイトのオールみたいなもの。
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ボートは、複数のオールで漕ぐもの。エイトともなると8人で8本のオールを合わせる。ひとりひとりの体力と技術もさることながら、8本のオールをぴたりと合わせることでとてつもないスピードの差を生みます。スピーカーで全ての振動源がぴたりと合うことがすなわち『音圧』。
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ホーンスピーカーの振動板は小さく、スロートを絞っているので点音源に近い。数理的に計算されたホーン形状で抑制された拡散なので干渉や反射の無い純粋な波動が得られる。その点ではコーン形よりもずっと有利です。純度の高さという意味では平面型も近いものがありますが、点音源ということではホーン型には敵わない。
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ホーンスピーカーの欠点、扱いの難しさは山のようにあって、なかなか一般的普及には耐えないわけです。さらにウーファーまでホーン型というのはなかなか実現できない。たいがいはコーン型ウーファーを使うのですが、それだけでつながりが悪くなり致命的にバランスを崩してしまう。その点でもTさんは徹底しています。お聞きするとネットワークは6dB/octの一次フィルターなんだとか。これも驚きです。帯域はかなり被ってしまうわけですが、それを丹念に調整してきたのでしょう、結果として各ユニットの位相や音色のつながりが完璧に近い。しかもドライバーユニットは全て励磁に改造してあるという徹底ぶり。
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振動源を合わせ焦点密度を高めたことから生まれるサウンドのエネルギーと純度は素晴らしいものがありました。もちろん、「立体音場再生」という点で部屋全体をホール音響で満たし、その中に包み込まれる。そういうオーディオの豪奢な愉悦は極上のものでした。
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もうひとつ共感したのは、ジャンルの幅の広さ。
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よく、クラシック向き、ジャズ向き、ロック向きだとか、ジャンルに合わせてシステムを何通りも使いわけることを自慢する人がおられます。完璧なオーディオなんて存在しないというのはわかりますが、かといって何か特定のものに合わせたものというのは主客転倒の独りよがりに過ぎないと思うのです。どんなジャンルであっても音楽ソースの隅々までバランスよく鳴らすことができてこその完成度。様々な音楽ソースを聴いてチューニングを重ねるということがオーディオの本道だと思うのです。ソースによって多少の調整をしたければトーンコントロール(あるいはグライコ)による帯域バランスの調整で十分だし、それが本道。
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立体音場再生のテーマからは外れますが、モノラル再生あるいはカートリッジの比較なども楽しませていただきました。特にEMTやデッカのカートリッジのキャラクターの違いが面白かった。デフォルトはオルトフォンですが、そのことにも納得。それと比較すると、なるほどこういうことだったのかと、その違いがとても鮮やか。認識を改めました。これもまた趣味のオーディオ。ジャンルや自分の好みという独り合点の型にはめるというのではなくて、ユニットそのものの音味の違いを楽しむということ。それもオーディオの趣味性だと思うのです。
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最後に、昭和歌謡をリクエストさせていただいたら、取り出したのは何と因幡晃の「わかって下さい」。低音はご謙遜だったのに、そのイントロのパイプオルガンのサウンドにはあっけにとられました。
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残念だったのは、やはり、アンプや励磁電源、ネットワークのコンディショニングでしょうか。次回はぜひ、トラブル無しで安定したベストチューニングでお聴かせください。
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楽しい時間をありがとうございました。
 

とういうコメントを頂きました

他人の評価は大変勉強になります、また音に厳しい方はほんとに怖いと感じました

仰る通りネットワークは右と左でコイルが違っています、WE7Aをこぴーしたものですが

巻きが違っています、Tオーディオに転がっていたのを、もらってきたのですが、

二つと同じものが無く、似たようなものを使っていますが大体同じクロスになるようにしていますが

その、帯域の違いをピタリと聴き分けられまし

脱帽です

大変勉強になりました、もっと自分に厳しく煮詰めなおします

ありがとうございました、大変勉強になりました