ABE GUITARS

ギター・ウクレレ制作
フレット楽器全般 修理調整

D-35 ナット作成

2009年02月07日 | ナット・サドル作成・調整
D-35はナット作成に入りました。幅を決めてラフに成形した後、1・6弦の位置を決めます。オリジナルは、指板の端から弦までの距離が1弦側3ミリ、6弦側3/32インチでしたので、それをそのまま採用します。


1・6弦の位置が決まったら、弦の内側の距離を計測します。1.420"です。


2・3・4・5弦の太さ分を引いて、それを5等分して各弦間の距離を出します。カスタムライトゲージ使用ですので、(1.420"-0.015"- 0.022"- 0.032"- 0.040")÷5=0.262" という値になりました(*)。


溝の深さを決めて、


高さを調整し、


磨いて完了です。


以前は高さを決めてから溝を切っていたのですが「高さが足りなくなって再作成」という経験をしてからは、溝を切った後で高さを調整するスタイルに変えました。その方が微妙な調整がしやすいと考えたからです。

(*)これは今回のD-35とカスタムライトゲージとのコンビネーションでの固有の値で、ギターと弦によって値は異なります。たとえ同じメーカー・同じ機種でもナット幅は微妙に違い、また、1・6弦の位置は個人の好みも考慮に入れる必要があるため、弦間の距離が全く同じ、ということは原理的にありえません。ですので、弦の位置を決めるテンプレートや、溝がすでに切ってあるナットなどは、かなりナンセンスな代物です。量産のギターの場合は致し方ないのだとは思いますが…。

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