パソコンはSONYのVAIO DUO11というタブレット兼用のノートです。
液晶画面がスプリングの補助によって片手でスライドして起こせるのが便利です。
我が家には2年前に買ったASUSのキーボード付きのアンドロイドタブレットがありますが、アンドロイドの日本語入力では長文入力が無理なので、キーボードなしの単体で、もっぱら自炊したPDFの閲覧用に使用してきました。
動画編集は8年前に組み立てたMSIのベアボーンノートの仕事ですが、結構時間がかかり、重いのでモバイル用途にも不適。なので、外出先でもブログの更新や文章作成、パワポの編集などができるノートが欲しくなってきたのです。(←言い訳モードです (^^;)
購入の条件となるスペックは、現在3時間近くかかっている動画のエンコードやオーサリングの作業時間短縮のためにCPUはコアi5クラス、携帯性を考えて画面サイズは12インチ以下、Win8用にタッチパネルも欲しいということで、結局前記のSONYのVAIO Duo11にしました。
ハードウェアとしてはキーボードが手狭とか、将来的にはメモリの増設ができないのは痛いとか、ディスプレイの角度が変えられないとか、SSDの容量が少ないとか、それほど軽くないとか、けっこう不満な点もありますが、まあびっくりする程きれいな液晶と、処理速度の速さでそれらは帳消しとします。
購入後さっそくエンコードとオーサリングなどの動画編集を試したら作業時間はMS-1057の3分の1、Superπの104万桁計算も同45秒から13秒に短縮されました。
超低電圧CPUでも侮れませんね。
しかしインストールされていたWindows8は疑問だらけのOSです。
まずタッチパネルのないパソコンでは全く8へのアップグレードは意味がありません。
パソコン購入のため、量販店の店頭に並んでいる新型パソコンをチェックしましたが、展示されていたWindows8搭載パソコンのうち、タッチパネル付のものは2割程度。Windows8の目玉はタブレットのようにタッチパネルで専用アプリ(ウィンドウズ・ストアアプリというそうです)を操作できる新OSというところにありますから、それが使えなかったら意味がありません。
そして、その売り物のタッチパネルOSの作りこみが未熟です。使えるストアアプリもまだ少なく、あっても大半がコマーシャルベースの「なんちゃってアプリ」(笑)なので、iPadやアンドロイドタブレットに比べたらしょぼい感じが否めません。
例えばブラウザはグーグル検索だけ(グーグルの追加機能メニューも出ない)でお気に入りなどは設定できず、メールソフトも機能不全。画像閲覧アプリもPDF閲覧アプリも機能が限られていて使いにくい。これではタブレットとして積極的に使う気がしません。
でも、パソコンを起動したらまず現れるのがそのタッチパネルが前提の「スタート画面」なので、通常のパソコンとして使いたければその中から「デスクトップ」のタイル(ボタンのことです)にタッチするか、ウィンドウズキーを押して切り替える必要があります。
何もしなくても1分程度でデスクトップに変わりますが、せっかく早く起動するようになったのに余計な切り替え操作が必要なのは面倒です。
もっと重要なことは、Windows8のデスクトップの実用性がWindows7に比べて大幅に落ちること。
その最たるものが、「スタートボタン」がなくなったこと。このため、これまでのOSでウィンドウズボタンを押すと出てきたプログラムメニューが見られないのです。
プログラムの一覧フォルダはOSの内部にはありますが、表示できないのです。
あくまでタッチパネルの「スタート画面」からすべてのアプリを起動させるため廃止したようですが、これが使いにくい。
↓スタート画面の右端にデスクトップアプリが固められていて、起動時に右にスクロールしなければならない
Windowsの終了も、画面右端を右から左にスワイプすると出てくる「チャーム」とかいうメニューから「設定」→「電源」→「シャットダウン」とたどらないと電源オフできないのです。
馬鹿げています。
先に触れた「メール」ソフトも、自動振り分けもファイルの添付も転送も迷惑メール対策も新規フォルダー作成もできない低機能のものしかWindows8には付属していません。
また、デスクトップのエクスプローラーで、デジカメ画像やPDF、動画、音楽などのファイルをクリックすると、いきなり全画面表示になってストアアプリで開いてしまうのも大迷惑です。これを防止するには、ファイルの関連付けを変更してデスクトップのアプリで開くようにいちいち変更しなくてはなりません。
他にも改悪としか思えない変更があったりで、今回の8へのアップグレードは、7を平穏無事に使っている人にはお勧めできませんね。
というわけで、私もまずこれらの不便な点の解消から始めました。
まずデスクトップから消えたスタートボタンの回復から。
これは、フリーソフトの「Classic Shell」が最適です。超簡単に「7」か「Xp」風のスタートボタンが選択できて感激します。エクスプローラーのメニューも使い慣れたものに変えてくれます。これらがフリーとは有り難いですね。
↓ウィンドウズキーを押すと、Windows7のようなスタートメニューが表示されるようになりました
次に、極悪メールソフトの代わりに、マイクロソフトの無料ソフト集の「ウィンドウズライブエッセンシャルズ2012」の中にある「ウィンドウズ・ライブメール」をインストール。
あとはデスクトップのショートカットアイコンの矢印の消去とかの細々とした調整。
そして上記の強制ストアアプリ起動ファイルの関連付けを解除・変更して、何とか使えるようになってきました。
雑誌の情報では8にすると7より起動時間やベンチマークテストの結果が早くなるとのこと。でもそんな僅かばかりの恩恵目当てにアップグレードする人がどれだけいるでしょうか。確かに起動は30秒程度で、すぐ無線LANが使えるのは便利ですが。
実際、年末商戦を当て込んで発売されたWindows8ですが、余り売れていないようですね。
ただ、SONYのVAIO DUO11は、冒頭で触れたように、フルハイビジョンの1920×1080の解像度の液晶が素晴らしい出来で、小さい文字がくっきり見えるのがすごいです。タッチパネルの感度も良くチューニングされていて、事務用のオフィスソフトが指で操作できるのが感動モノです。
細かいマウス操作(キーボード中にあるシンクパッドのポインティングデバイスのような「オプティカル・トラックパッド」はあまり使い勝手が良くなく肩が凝ります)と併用したら快適でした。
というわけで、新しいWindows8は、どうしてもパソコンでもタッチパネルを使いたいという人以外にはすすめられませんね。
今後サービスパック適用時に上記の問題がデフォルトで解決されればアップグレードもアリですが、それまではまともに使えるようにするのは結構手間がかかります。
結論としては、使えないOSでも使えるようにするのが楽しいという奇人変人(笑)以外は買わないほうが吉です。ストレスがたまります。