グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

見かけなくなった侵入害虫。

2014-06-23 17:20:12 | Weblog
見かけなくなった侵入害虫。

樹齢250年にも及ぶという、なまえの知れ渡った貴重なお寺のイヌマキ や
宮崎神宮の境内に植えられていた30本以上のイヌマキ を枯らしたことでも
有名になった、南方からの侵入害虫である キオビエダシャク 。

2009年と2010年に 宮崎県内で大発生し、生息域を広げていたはずの
この大害虫の姿を

 今年にはいって見かけなくなった

ことが、宮崎県の樹木の関係者やガーデナーの間で話題となっています。

とにもかくにもこの虫の繁殖力は脅威そのもの でしたから、ここ数年にわた
って大切な樹木を守ろうとして奮闘させられた関係者にとっては、うれしい大
ニュースといえそうです。


 こちら → キオビ・ニュース

この大発生していたキオビエダシャクを見かけなくしたのは、なんといっても
冬の寒さ。まずは 2010年以降の 冬の最低温度が下がっているのです。

さらに追い打ちをかけたのが、降雨の回数。[通常では旱魃といってよいほど
に乾燥するはずの]冬期の宮崎で、昨年からは降雨の回数が増えているのです。

ということで今回は、どんな防除法よりも気象要因が一番効いたというケース
のお知らせでした。


◎ ただし、降雨が多いと逆に被害をもたらすものも。たとえば こちら
  葉もの野菜の、球の中などに入るものなどは特に厄介です。

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




生垣を食べる侵入害虫・北上中。

2014-06-23 17:06:12 | Weblog
生垣を食べる侵入害虫・北上中。

次回の関連記事として 2009年7月分の再掲載です。

 ↓

生垣を食べる侵入害虫・北上中。

生垣や街路樹に使われることの多いイヌマキを食べる虫の北上です。年に4~
5回孵化するといわれているこの虫の幼虫がたべるのは新芽。新芽がすべて食
べ尽くされることによるイヌマキの枯死被害が、2007年前後から南九州の
鹿児島県や宮崎県で目立ってきています。

このキオビエダシャクとよばれる害虫の、もともとの生息地はインドやマレー
半島。その後、温暖化の進行とともに北上。南西諸島を経て、2000年夏に
は鹿児島県薩摩半島南部に上陸。その後、鹿児島県を経由して宮崎県への侵入
につながっているわけですね。

[たとえば台風の風などに乗っても]南方からはいってくることも多い日本へ
の侵入害虫。

このキオビエダシャクに関して言えば、

 じつは1955年、いまから50年前にオス2匹が確認されていた

という記録もあるそうです。・・・ただ、そのときは越冬できなかった。

しかし、このところの暖冬です。この 冬の最低気温の上昇が、北上した個体
を生き残らせ、さらには棲息エリアを拡大させている
と推測されています。

2007年には宮崎県の串間市で大発生した、このキオビエダシャク 。

身体に黄色の帯状の縞がはいった枝にとまるシャクトリムシの仲間・・・とい
うことになりますよ。この姿をみたときは、お近くの役場などにご一報を。


◎メス一匹当たり千個ちかくの卵を産む というキオビエダシャク。
  その強い繁殖力こそが最大の脅威なのかもしれません。

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染