なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

RE碁石海岸

2007-07-11 16:13:02 | Weblog
 以前正倉院御物の海の向うからやってきた宝物の碁盤と石の話を書いたときに「普通人の対局は、当然こういう宝物の道具ではなくて、海岸で拾った石を使ったらしい。それでそういう石を拾える海岸が全国に何箇所もあって”碁石海岸”と呼ばれている・・・」みたいなことを書いたのですが、全くの間違いは無いにしても、伝聞をそのまま書いた部分もあり、少しニュアンスが違うようです。
 この件は気になっていたのですが、伊能忠敬みたいに全国の海岸線を歩くわけには行かず・・・
 今回も時分の目と足で確かめた話ではないのですが、幾分(大幅かな)訂正の意味を込めて囲碁海岸の話をします。
 まずは「全国に何箇所も”碁石海岸”という地名が残されている」という部分について。
 地名ですから地図を見ればいいのですが、正式な地名というものと通称と言うものもあり、狭い範囲でしか呼ばれていないとか、ある目的を持った小さなグループでの呼び名のこともあるでしょう。
 ですからこれは余程精巧な地図が無ければ無理で、あいにく私はそういうものを持っていません。
 昔一緒の職場に居た若い同僚ならきっと”国会図書館に行けば”と言うに違いないない・・・そこまでのエネルギーはないのですよ。
 私に見合った努力では「碁石を拾える海岸」みたいなキーワードでネット検索、
キーワード「碁石海岸」結論から言うとこれでとんでもない汗をかくことになりました。
 労力的な汗と、ろくに知らないことをブログに書いてしまった冷や汗です

 さてグーグルで・・・「碁石海岸」の検索結果は40ページでギブアップした。
 マラソンの40kmと比べないでくださいね・・・トホホ
各ページに7件くらいから10件くらい記事が出ていますからそこまでで300件くらいはあると推察できる・・・これを一応皆読んでみた。
 そして5,6件を除いて全て陸中海岸の碁石海岸関係の記事でした。
確かに写真で見ても素晴らしい景色・・・碁石海岸の「本家」「元祖」「総本家」(表現が拙いけれど)「碁石海岸」と言えば大船渡とか陸中!
 それでは「全国に碁石海岸と呼ばれる地名が・・・」が嘘になるから必至で記事を読み漁って・・・しかし40ページ地点でダウン!
 ともかく”全くの嘘を書いたのではない”というアリバイみたいな話を始めましょう

 とりあえず98%くらいは陸中碁石海岸。
  ココでは綺麗な黒い石が特徴のようです・・・となると白い石は何処からか拾ったのでしょうね。
 同じ碁石海岸の名前では、新潟県岩船郡山北町というところがあると書いてある。
 こちらは白石も黒石もあるらしい、そして現実に採取していた話も伝わっていると書いてある。
 海水浴場としても地元では有名らしい
 名前は少し違うが伊豆の下田の近くには「碁石浜」と言われる海岸がある。
  多分こういう地名が残るということは「碁石に適した石をを拾ったか、碁石みたいな小さな丸い石でできた浜」でしょうね。
 それとも海で使えそうな石を拾うという行為が一般的なものだったのかな?
  それなら余程の産地でなければ、わざわざそういう名前では呼ばないでしょうから、結果として(海岸で石を拾わなくなったのですから)残っている所が少ないとしても理解できる。
 この辺のことは分かりません。
 ここでは土地柄だけあって、石の話より別荘としての分譲の話ばかりですね
多分綺麗な海岸なんでしょうね、なんと言っても南伊豆ですからね、別荘を持てる身になったら・・・なれるはずが無いか・・・

 海では他にヒットしない・・・小石が拾える海岸は全国的に見たらたくさんあったと思えるのに・・・地名としては残っていないのだろうなと都合よく解釈。
 ココまでに出てきたのが越後、伊豆、陸中ですから少し東に偏っています。
  西にもあったはずですよね、時代が古いほど消費地は西ですから
 ところで、川にもあるのです
 バテ気味ですがキーワードをシンプルに「碁石」としてもう少し粘ります
 宮城県の名取川の支流に碁石川という川があり、そのほとりに碁石小学校という小学校もある。
 HPもあるから確認できます。
 碁石川は古代にココで石を集めて献上したことがあるといいますから、そういう史実が地名になったのか、地名からそういう伝承が残されたのか・・・

 後は雑多な知識で言いますと
 石川県には碁石ヶ峰という地名
 茨城県の霞ヶ浦の近くの石岡に碁石沢という地名がある
 石岡はその名の通り石の産地だから、きっと碁石が取れた川なんだろうと想像
 三重県の熊野から和歌山県境にかけての20数キロの海岸では美しい小石が取れるらしい。
 いや、以前はたくさん取れたと言う過去形が正しいのかも
 三色の石で、黒は那智黒白は白那智、模様のある石はみはま小石と言うのだそうで、これは碁石でなく庭などに撒く石なんだそうです。
 那智という名前がついていますがこれはニアミス

 しかし、繰り返すけれど他にもあるはずですね。
 私の生まれ育った所とその近くの海>>三保、駒越、安倍川河口、用宗、大崩海岸・・・石が多いと思うのだけれど、駿河湾は波の力が弱いかな?
 それなら四国の太平洋に面した海岸とか、九州とか
 いずれにせよ何処かの時代に、瀬戸物みたいに焼いたもので碁を打つようになったと思うけれど普及品としては当然ですよね、那智黒+ハマグリの高級品は勿論自然石を拾ってそろえるのだって凄い手間でしょうから、何の変哲も無い碁石も、そうだからこそ宝物だったでしょうから。
 もしかしたら軽自動車くらいの価値はあったのでは・・・考えすぎ?
 1日10個しか拾えなかったら・・・いや10個も拾えたとしても1ヶ月はかかる・・・
 1ヶ月分の収入に相当すると考えるか、30人分の日当と考えるか・・・これにマージンを熨せれば50万円くらいにはなるかな?
 尤も1日10個という前提も根拠が無い・・・

 さてオマケに変わった所で
 四国の山の中で「碁石茶」なるお茶が名物だそうです。
 名物で全国発送しているらしい、写真で見ると黒光りしているから、そこのところが名前の起源かも
 お茶は後発酵茶とか言ってプーアール茶の仲間になるらしい
 ウーロンの仲間なんだろう、一度飲んでみたいですね。
 飲んで強く成る!なんって言うキャッチフレーズがついていれば即注文ですが、さすがにそういう効能書きはないだろう・・・さて話の種に「自分にお中元」というところかな