「A級戦犯:「東郷神社が受け入れを」前宮司、著書で提言へ」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080525k0000m010096000c.html
東郷神社の前宮司は『東郷神社境内の「海の宮」にA級戦犯を合祀するよう提唱。神社本庁などの主張通り靖国神社に「御霊(みたま)」が残っても、東郷神社に「移った」と見なして「ご遺族は心おきなく新しい座にお参りすることができる』といっていますが、戦死者ではない東郷平八郎や乃木希典を祭神とする神社ではなく、楠木正成を祭神とする別格官弊社第一号の「湊川神社」に分祀するというのであれば神道宗教者としてそれなりの理屈も成り立つかとも思いますが・・・。
(東郷神社も乃木神社も空襲で本殿が焼け落ちてしまいました。)
しかし、本家本元の靖国神社が「所謂A級戦犯分祀案に対する靖國神社見解」として『本来教義・経典を持たない神道では、信仰上の神霊観念として諸説ありますが、昔より、御分霊をいただいて別の神社にお祀りすることはあります。しかし、たとえ分霊されても元の神霊も分霊した神霊も夫々全神格を有しています。』と分祀・分霊をすることを神道教義上から否定をしているのですから遺憾ともしがたい状況です。
「所謂A級戦犯分祀案に対する靖國神社見解」
http://www.senyu-ren.jp/1MOKU/1603.HTM
以前にも投稿をさせて頂いていると思いますが「天皇のご裁可」が基本問題だと管理人は考えています。
『靖国神社の合祀に当たっては、天皇のお手許に必ず戦没者合祀名簿が天覧に供されれ。・・・戦没者合祀は今に到るまで天皇陛下の叡慮を受けているのである。』と遊就館展示室「招魂齋庭」の説明文にあるように天照大神教義の祭祀継承者である天皇が分祀・分霊を裁可しない限りあり得ない話なのです。
しかも、昭和天皇はA級戦犯14柱の合祀に「心の中では」反対したかったのに「上奏・裁可」せざるを得なかったのです。(日経新聞スクープ)
「戦死公報」の紙切れ一枚が納まっているお墓よりは、靖国神社の社頭で亡き父や夫に会えると参拝しているご遺族のお気持ちはいかばかりでしょうか。総理大臣もいない、軍服のコスプレもいない静かな佇まいの境内を多くのご遺族は願っているように思っています。
友人の桧山紀雄氏から提供された「大東亜戦争」開戦一周年記念写真。讀賣新聞社発行(昭和17年3月)
『靖国の遺児達は廿七日神と仰ぐ父と晴れて九段のみ社に対面した はじめてみ
る東京 無言の父のみ姿に、小さな心は膨らみ、去るにしのびない風情であった』