14日世田谷区は、世田谷区庁舎建て替え工事期間が「再・再・再延伸」で、完成が約二年間遅れることを発表した。
NHKを始め報道機関は、大きく取り上げた。但し「しんぶん赤旗」だけは、報道していなかったので、赤旗編集局読者係に抗議した。
保坂展人区長は『本日(7月14日)本庁舎等整備工事の「2期・3期工事」にかかる大成建設株式会社東京支店の検証結果を踏まえた工期に更なる遅延の見込みが報告されました。第1期工事は、すでに8ヶ月の延伸が明らかになっており、さらに2期工事で6.5か月、3期工事で8か月と14.5か月に及ぶ長期の延伸であり、全体では22.5ヶ月の申し入れとなります。世田谷区本庁舎の機能が、約2年にわたって契約時よりも大幅に遅延することでの影響は計り知れません。本庁舎は区民サービスの拠点であるだけでなく、災害時の司令塔となり、また区民が集い利用する機能も有しています。残された「2期・3期工事」で既に出ている8か月の遅延をいくらかでも取り戻すことを期待していただけに、さらに14.5か月という遅延の見通しが示されたことを深刻に受け止めています。施工計画の不具合や無理な点があれば、是正するのは当然ですが、同時に計画の工夫により、最大限合理的に進められる必要があると考えます。今後、大成建設から提出される「2期・3期工事」の遅延理由の詳細を検討しつつ、区で専門家を交えた技術的アドバイスもいただきながら、同社と協議していきます。なお、今回の事態にかかる損害の対象と内容、期間などについても同社と協議を行い区民負担の生じることのないよう交渉を進めます。』という、発注者の責任をうやむやした酷いコメントだ。
請負契約違反で、大成建設と解約して入札二番札だった、鹿島建設に発注したらとも考えられるが。(応札した鹿島建設、大成建設、清水建設の中で、鹿島建設は、技術評価点が一番だった。)
世田谷区庁舎整備担当部長は、昨年12月14日付けで大成建設株式会社東京支店常務執行役員支店長宛ての文書で『本工事は、住宅地に近接した現地において、庁舎機能を維持しながら、解体と新築工事を繰り返す難易度の高い工事であることから、技術提案型総合評価方式による入札を実施し、高い技術力とともに組織体制が評価されて、貴社を落札者として決定しています。しかしながら、1期工事の完成日変更に至る経過において、区から再三にわたり、会社挙げての要員支援などの体制強化を要請しておりましたが、結果として、今回の完成日の変更により、技術提案である1期工事の前倒しの完成は達成されないこととなります。本工事は、工事と部署移転(ローリング)を同時に行う、非常に調整の難しい事業であり、こうした事業特性に対し、区との連絡体制を重視することは入札時の実施要領にも評価の視点として明記したところです。そうした中で、このたびの貴社の提出資料「2.工程進捗の経過」においては、「ⅲ)全体工程表(変更その2)提出時点において(中略)すでに50日の工程遅延が生じておりました。」との記載があります。これについて、工事月間報告書に添付されている工事日誌を確認しましたが、施工手間増の影響により遅れが生じたとする集会室棟解体工事については、概ね、承諾していた全体工程表(変更)の通りに完了したことを確認しており、遅延が生じた事実はありません。こうした虚偽とも捉えられる内容の提示は、受発注者間の信頼関係を損なう恐れがあるものと考え、このことに断固として抗議します。今後、貴社の責によらない施工条件の変更が生じたと判断する場合は、クリティカルパスにおける工事への影響を検証の上、速やかに監督員に報告するよう要請します。併せて、今後の工程の円滑な推進に向け、作業所任せでない、貴社一体となった支援を改めて要請します。』傍線は管理人。
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「世田谷区ホームページ」より
令和5年7月14日(金曜日)、大成建設株式会社より「世田谷区本庁舎等整備工事における工程遅延に係る経緯等報告書(2・3期工事)」を受領しました。資料は以下の通りです。
世田谷区本庁舎等整備工事における工程遅延に係る経緯等報告書(2・3期工事)
「工程検証委員会について 」
委員会は、建築生産の分野の学識経験者4名を中心とし、区の建設部門を担う職員4名を加えた8名で構成する。
委員構成
外部委員
石田 航星 早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科 准教授
遠藤 和義 工学院大学建築学部建築学科 教授
小見 康夫 東京都市大学建築都市デザイン学部建築学科 教授
角田 誠 東京都立大学都市環境学部建築学科 教授
内部委員
松村 浩之 世田谷区 技監
佐々木 康史 世田谷区 施設営繕担当部長
佐藤 絵里 世田谷区 庁舎整備担当部長
鳥居 廣基 世田谷区 庁舎整備担当部庁舎建設担当課長
3 工程検証委員会での検証内容について
「工程遅延に係る経緯等報告書(2・3期工事)」の内容を確認し、大成建設に対して、下記項目について事情聴取等を行い、その実効性等を検証する。
(1)主な検証項目
・2期及び3期工事の詳細工程表
・再発防止策等、今後の確実な工程履行に向けた取組み
(2)工程検証委員会に出席を求める説明者
大成建設のほか、大成建設が立案する2・3期工事の詳細工程表、その根拠となる施工計画、再発防止策等について、設計者・工事監理者である㈱佐藤総合計画(以下、「佐藤総合計画」とい。)」に対しても、見解を求めていく。
【出席予定者】
・大成建設 :建築第二部長、統括所長、事務センター長 他
・佐藤総合計画:主任技術者、主任監理者、構造設計担当者 他
4 今後の予定
工程検証委員会の開催日等、今後の予定は以下の通り。なお、検証結果については、区が取りまとめを行い、令和5年9月のⅮⅩ・地域行政・公共施設整備等推進特別委員会において報告する。
7月 21 日(金) 検証委員会(第1回)開催
7月 24 日(月) 検証委員会(第2回)開催
7 月 28 日(金) 検証状況について報告(ⅮⅩ・地域行政・公共施設整備等推進特別委員会)
8月 1日(火) 検証委員会(第3回)開催
8月 8日(火) 検証委員会(第4回)開催
9月初旬 検証状況について報告(ⅮⅩ・地域行政・公共施設整備等推進特別委員会)
9月下旬 検証結果について報告(ⅮⅩ・地域行政・公共施設整備等推進特別委員会)
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議会人だった管理人からみれば、世田谷区議会は9月開催予定の第三回定例会を待たずに、この問題を議題とした臨時会を開催すべきであり、尚且つ「全員協議会」も開催すべきだと考える。
しかし、世田谷区は「ⅮⅩ・地域行政・公共施設整備等推進特別委員会」への報告と審査のみとするのであれば、この特別委員会は、予算・決算特別委員会と同じ12席の傍聴席を設けるべきと考える。同特別委員会は6席の傍聴席である。
(了)