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チチハルの日本軍遺棄毒ガス被害者は農民工だった「中国の戸籍『農民工』」

2022年12月20日 | 日本と中国

12月17日付朝日新聞「中国新世 人口減少が始まる4」に厳善平・同志社大学大学院教授が「もう農民工頼みでは 新世代の希望職とミスマッチ」との論考を読みました。

2003年8月4日、中国黒龍江省チチハル市内において、団地の地下駐車場建設現場から5つのドラム缶が掘り出され、中から漏れた液体が周辺の土を真っ黒 に染めていました。掘り出された時点では、これが何の液体なのかわかるはずもありません。ドラム缶の撤去作業や、真っ黒な土の上で作業は続けられました。 その場所で、15人がドラム缶や土から液体を浴びてしまいました。さらに、工事現場の従業員が、くず鉄の再利用をする目的で、このドラム缶を近くの廃品回収所に持ち込んだ結果、ドラム缶を解体する作業に参加した10人が液体を浴びてしまいました。ドラム缶は、無害化処理のために化学工場へ運ばれましたが、この化学工場でも、1人がドラム缶に近づき、被害にあいました。地下駐車場建設で被毒した15人は、全て「農民工」でした。詳細は「化学兵器被害解決ネットワーク」をご覧ください。

当時、管理人は「毒ガス被害者をサポートする会」事務局長でしたので、弁護団とチチハル市の被害現場を訪問しました。「農民工」という戸籍制度があることを初めて知りましたが、「社会主義国」を標榜している中国で何故このような戸籍制度があるのか大きな疑問でした。一定の金額があれば「農民工戸籍」から「都市戸籍」になれるので一生懸命に働いていたのに、その夢が断たれたと嘆いていました。

「ゼロコロナ対策」の中国で、毒ガス被害者の方々の健康を心配しています。

中国チチハル被害者が日本政府に対する損害賠償請求裁判の東京地裁入廷行進

チチハル被害現場の弁護団調査

中国人毒ガス被害者を支援する故野中広務氏

2022年12月17日付朝日新聞

(了)

 

 

 

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