グラモフォン111 6LPs(復刻盤box)を入手。第一の理由は、ベーム&ウィーン・フィルのモーツァルト「レクイエム」を復刻された音で聴きたかったからだ。先日聴いたSACDの音がどうにも腑に落ちなかったのである。
そういえば、バーンスタインのマーラー「1番」もオリジナルを未架蔵であったし、カラヤンの2枚にも興味がある。
というわけで、まずは、ベーム&VPOによるモーツァルト「レクイエム」とロストロポーヴィチ(vc) カラヤン&BPOによるドヴォルザーク: チェロ協奏曲を聴く。
音質の良いのは断然後者だ。オリジナル盤は未聴だが、凌駕しているような予感がする。そう思わせるだけの目の覚めるような鮮やかな音。ベルリン・フィルの鮮烈にして雄渾なサウンドがバンバン迫りくる。「どうだ、これが俺のベルリン・フィルだ!」とばかりに豪快に音を鳴らしまくるカラヤンと対等に渡り合えるソリストも多くはあるまいが、ロストロポーヴィチは流石に素晴らしい。この名演、剣豪同士の果たし合いのような面白さと言えようか。
ベーム「モツレク」の音質については、やや期待はずれ。コーラスがオーケストラより手前に聴こえたり、コーラスの特定の歌手の声が目立ったり、オーケストラの中低音が不鮮明だったりと、「あれ、昔聴いたのは、こんなだったっけ? 」という戸惑いがあった。しかし、それを超えて迫る感動は本物。コーラスのビブラートを伴った発声や極端に遅いテンポ感など、最近脚光を浴びているクルレンツィスとは対極にある名演だ。
それにしても、00002番とは随分若いシリアルナンバーだ。いったい何セット販売されたのだろう?