今夜は、スラットキン先生による「チチェスター詩篇」オーケストラ合わせ。
いやあ、美しかった。
もちろん、ピアノでの練習も素敵ではあったのだけれど、オーケストラによって描き出される色彩感と根源的なリズム感には、やられました。この美しさは録音や録画で味わえるものではありません。「チチェスター詩篇」は生に限ります。
大フィル合唱団も、その美しいオーケストラの響きに導かれるように、これまでの労苦が花開いた感があります。本番が俄然楽しみになってきました。
また、オーケストラのみの稽古では、コープランドの交響曲第3番を聴かせて頂きましたが、これも魅惑的な作品。我々はついついアメリカ音楽をヨーロッパ音楽より下に考えがちですが、そういう先入観を根底から覆してくれる名曲との出会いに感謝。
さて、目の前にあったスラットキン先生の指揮は熟達の技。一点の疑いも呼ばない明快な指揮。その示唆は極めて正統的でありながら、味わいの深いもの。徒に人目を引くパフォーマンスとは対極にある本物の音楽がここにはありました。
1人でも多くの方に、本物の音楽家による本物の音楽を体験して欲しいものです。