福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

「チチェスター詩篇」は生に限る

2019-03-20 23:10:59 | コーラス、オーケストラ


今夜は、スラットキン先生による「チチェスター詩篇」オーケストラ合わせ。 

いやあ、美しかった。
もちろん、ピアノでの練習も素敵ではあったのだけれど、オーケストラによって描き出される色彩感と根源的なリズム感には、やられました。この美しさは録音や録画で味わえるものではありません。「チチェスター詩篇」は生に限ります。

大フィル合唱団も、その美しいオーケストラの響きに導かれるように、これまでの労苦が花開いた感があります。本番が俄然楽しみになってきました。

また、オーケストラのみの稽古では、コープランドの交響曲第3番を聴かせて頂きましたが、これも魅惑的な作品。我々はついついアメリカ音楽をヨーロッパ音楽より下に考えがちですが、そういう先入観を根底から覆してくれる名曲との出会いに感謝。

さて、目の前にあったスラットキン先生の指揮は熟達の技。一点の疑いも呼ばない明快な指揮。その示唆は極めて正統的でありながら、味わいの深いもの。徒に人目を引くパフォーマンスとは対極にある本物の音楽がここにはありました。

1人でも多くの方に、本物の音楽家による本物の音楽を体験して欲しいものです。