福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

「チチェスター詩篇」への嬉しいご感想

2019-03-24 23:55:47 | コンサート

わたしと同じgooブログ所属の「静かな場所」というお部屋に、先日の「チチェスター詩篇」のご感想が書かれておりました。

後半に触れて頂いている「水のいのち」の映像ともども、「ああ、このように受け取って頂けると嬉しいなあ」という文章でしたので、ここに紹介致します。

(前略)

そして、(バーンスタイン作曲の)「ミサ」の雰囲気を思わせる、やや混沌とした第3楽章の出だしから、やがて合唱の虹のようなユニゾン(だったかな?)が繰り広げられ、圧巻は終結前2分ほどからのア・カペラ以降。

「見よ、兄弟が共に座っている。
なんという恵み、なんという喜び。」

アーメン

 バーンスタインの願いと祈りが集約された、希望を感じさせるフィナーレですが、ここでの大阪フィルハーモニー合唱団は特にすごかった!
 私は聴いていて、この合唱でこそマーラーの「復活」の合唱の入り部分を聴いてみたいなどと思ったりもしました。
 第2楽章で藤木氏が会場に放った空気はまだ残っていて、故に2楽章以降、私はずっと涙目でステージを観、耳を傾けていました。

 合唱指揮の福島章恭氏と合唱団のご活躍は、ネット上でうかがい知る程度だったのですが、今回実際に耳にして、その充実ぶりに大いに感銘をうけました。

 You-tubeにこのコンビによる「水のいのち」(全曲)がアップされています(下に張り付けてあります)。
 アマチュア、プロを問わず、これほどに楽譜と言葉のみを大事にした演奏を聴いたことがありません。
 多くは、もっと細部に仕掛けがあったり(その程度はまちまちですが)何かしら工夫を凝らしたりという演奏がほとんど(少なくとも私が聴いてきた実演や録音に関しては)ですが、この演奏では指揮者も合唱も驚くほど意識されることなく、ただただ高野喜久雄と高田三郎の世界にだけ対峙できるのです。
 そのスタンスは自己主張主体スタイルの対極であり、大変厳しい営みの賜物であることは間違いありません。
 こんな合唱団と指揮者ですから、今日のような驚くべき「チチェスター詩篇」が実現したのでしょう。
 指揮者のスラットキン氏も、合唱を絶賛していたとのことです。(後略)


「静かな場所」大阪フィル第526回定期(スラットキン指揮)でバーンスタインとコープランドを聴く その1

https://blog.goo.ne.jp/lbrito/e/15982de5f7d01d19a228f86723887c87?fbclid=IwAR30kSkf4jBKuK29OBqhwTNHU2PWMTSDD8vuzHXp44qyPWT8lE2YQgILKoc


スラットキン先生&大フィル「チチェスター詩篇」追加情報

2019-03-24 00:15:36 | コンサート

今回共演し、渾身の歌唱を披露してくださったカウンターテナーの藤木大地さんが、Facebookに以下のように書いてくださっています。

大フィル合唱団の皆さん、失礼しました。藤木さんが聞き取ってくださった赤字の部分は聞き逃しておりました。

肝心のフレーズが耳に入っていなかったとは、なんたる不覚・・・。

「アメイジング! 心から素晴らしかった」といって最敬礼されただけで、胸が一杯になっていたのでしょう。どうぞお赦しを!

大フィル合唱団の皆さん、本当に胸を張ってよいですよ。世界的なマエストロにこんな言葉をかけて頂いたのですから。

この記事を書いてくださった藤木大地さんの友情に心より感謝したいと思います。

(あいにく藤木さんとのツーショット写真がないので、マエストロとの横長バージョンでご勘弁ください)

「Bernstein’s Chichester Psalms with Osaka Phil. under Mo. Leonard Slatkin #2 - Final

ずっとやりたくて次いつやれるかわからない大好きな曲チチェスター詩篇が終わってしまったよ。これが最初で最後の機会になったとしても、こんなマエストロ、こんなオーケストラ、こんな合唱団、こんなホールでやらせていただけたので悔いはありません。

2日間、大阪でご来場いただいた皆さま、お世話になった皆さま、感想を書いてくださった皆さま、誠にありがとうございます。

舞台袖でマエストロが、合唱指揮の福島さんに「心から素晴らしかった、ファーストクラスだった」とおっしゃっていました。わたくしもそう思いました。

そんなマエストロは、わたくしには何もおっしゃりませんでした。もっとこう歌えとか、指揮見なさいとか、ずれてるとか、もっと聞けとか、いいとか悪いとか、何もおっしゃりませんでした。リハの初日に「テンポこれでいい?」と訊いてくださっただけでした。随分何回も歌ってから、一回だけ短い言葉で褒めてくれました。そういえば舞台に出る前には「おぅ、その衣装いいね」ともおっしゃっていました。本番は、一瞬の目配せと指揮棒で自由に泳がせてくださりました。職人でした。

終演後、合唱団のソロの方々が写真を撮りにきてくれました。たまたま入ったお店でも合唱団の方々が写真を一緒に撮ってくださいました。オケの方も話しかけてくれました。心のあたたかい方々に囲まれて、なんて楽しい音楽人生だろうかと思いました。

きっとバーンスタインの音楽の一部になれました。

ありがとうございました。

Thank you, Osaka!!!

次回関西への登場は、4/20京都でのロームフェスティバルです(藤木大地)」