
やはり上演のある日とない日では、ゼンパーオパーから発せられるオーラが違う。


さて、今宵の「こうもり」。我が座席は2列目中央なれど、1列目を潰して花道を作っているため、実質には最前列。
上の写真は第3幕前の休憩時間から酔っ払い牢番フロッシュの役に入るヴォルフガング・シュトンフ。ドイツでは著名な役者とのことで、ムチャクチャ芝居が上手い。その神憑った演技(即興を含む)に聴衆は吉本新喜劇の客のように爆笑につぐ爆笑。他の歌手を完全に喰ってしまうほどの喝采を浴びる。
それはともかく、この目線、この距離感で観劇できたのは、最高の贅沢であった。

序曲が終わると、劇場支配人らしき男が現れて口上をはじめるのだが、いきなり「リヒャルト・シュトラウスの『こうもり』へようこそ」などと、大ボケをかました上、「テノール歌手がまだ家にいるから開演できない」などと小芝居を打ったりする。
本編は文句なしに楽しかった。
指揮者こそ力み勝ちで、外面的なところもあったけれど、経験豊かなオーケストラがそれを柔らかな音楽に転換し、ほぼすべての歌手の歌と芝居も堂に入っていた。
オルロフスキー公爵が吸血鬼ドラキュラの出で立ちで、さらに第2幕後半には、タキシードの上を脱ぎ捨て下着一枚となって、女性を強調するという色っぽい場面もあり。
キャストは以下。
Musikalische Leitung
Marius Stieghorst
Inszenierung
Günter Krämer
Bühnenbild
Gisbert Jäkel
Kostüme
Falk Bauer
Licht
Jan Seeger
Choreografie
Otto Pichler
Chor
Cornelius Volke
Gabriel von Eisenstein
Hans-Joachim Ketelsen
Rosalinde
Hulkar Sabirova
Alfred
Mert Süngü
Prinz Orlofsky
Jelena Kordić
Adele
Carolina Ullrich
Dr. Falke
Sebastian Wartig
Frank
Michael Eder
Dr. Blind
Gerald Hupach
Ida
Andrea Schubert
Froschさ
Wolfgang Stumph
Sächsischer Staatsopernchor Dresden
Sächsische Staatskapelle Dresden