明鏡   

鏡のごとく

微熱のような

2009-09-13 20:44:49 | 
微熱のような夏のおわりに
ともは旅に出ると言う
そういえば
ともとともに
旅に出たのは
十年ほど前の
いまごろだったと思う
ふたりとも
いきづまりながら
なにもかもなくなってしまったような
時をたどりたかったような

太鼓をたたいて
赤土の器でチャイをのんで
噛みタバコを噛む男達の歯がやけに紫で
坂道の途中
夜を吸い込むような目玉の澄んだ子牛を見つけたり
菩提樹のした
ただただ
かぜをみかけて
座っていたような

今は
またあたらしい
旅をみつけて
どこまでいけるかと
おたがいみとどけているような
微熱のような夏の終わりに