明鏡   

鏡のごとく

五つのゆびのそこには

2010-01-05 15:05:00 | 小説
五つのゆびのそこには
ひとつのてがあり
その先にはひとつのしたいの夢があるということを
想起させてくれたのは ある作家であった

それから
匍匐するような歩みの中
たどたどしくもしずかなる語りとともに
そこを辿っていたような

昔 お聞きしたかったのは
黒い太陽とは太陽のかげではなかったのかということ
ある女の魂のようなものを
そこで感じられるものならば

黒い夜の真中のこと
そこに川は流れておるのだろうか
そこに光のうろこははうておるのだろうか
繰り返し見る重苦しくも変わらない夢のごとくに