自由の女神が見たいというので、我々は、自由の女神を目指して、フリーのフェリーに乗り込んだ。
一時間に一度、自由の女神を遠くから眺める為に、多くのものがゲートに集まっていた。
まるで、子宮内の卵子を目指す精子のように、わらわらと船に入っていくのだ。
もちろん、目指したいのは女神の胎内なのだが、あまりに遠く、眺めるだけの、ちょっとした女神ストーカー気分を味わった。
手出しはしない。
安全な我々。
女神は、微笑んでいるようで憂いを帯びているようにも見えたのは、すこしの年季と塩害からか、色あせたガラスに阻まれているのもあるが、遠くにいることの、想像の範囲を出るものではなかった。
ずっと、手を上げて、インドの修行者のように、何をか待っているようでもあった。
確かに、その手をあげる自由はあっても、下げる自由はないのだった。
潮の流れは摩天楼から遠ざかり、我々を乗せて、向こう岸まで運んでくれた。
自由の女神、爆破予告があったと知ったのは、帰ってからしばらくしてのことだった。
我々ではない、どこかの真のストーカーのしでかしたことだ。
一時間に一度、自由の女神を遠くから眺める為に、多くのものがゲートに集まっていた。
まるで、子宮内の卵子を目指す精子のように、わらわらと船に入っていくのだ。
もちろん、目指したいのは女神の胎内なのだが、あまりに遠く、眺めるだけの、ちょっとした女神ストーカー気分を味わった。
手出しはしない。
安全な我々。
女神は、微笑んでいるようで憂いを帯びているようにも見えたのは、すこしの年季と塩害からか、色あせたガラスに阻まれているのもあるが、遠くにいることの、想像の範囲を出るものではなかった。
ずっと、手を上げて、インドの修行者のように、何をか待っているようでもあった。
確かに、その手をあげる自由はあっても、下げる自由はないのだった。
潮の流れは摩天楼から遠ざかり、我々を乗せて、向こう岸まで運んでくれた。
自由の女神、爆破予告があったと知ったのは、帰ってからしばらくしてのことだった。
我々ではない、どこかの真のストーカーのしでかしたことだ。