明鏡   

鏡のごとく

「サワガニとカエル」

2017-05-09 19:40:52 | 詩小説
雨が降っていた。
カエルがないていた。
溝の掃除をしているとサワガニが出てきた。
すぐ近くの川から登ってきたのか。
小さいが威勢がいい。
さらった溝の土は黒くよく肥えている。
それを縦に割った竹ですくい上げて山に返そうとしたら
カエルがいた。
緑黒肌に白い斑ら模様の大きなカエル。
じいっと背中を向けていた。
大きな複眼に見られているように。