明鏡   

鏡のごとく

「霧の道」

2017-05-24 22:00:21 | 詩小説
夜に出かけることはほとんど無いのだが
今日は用事があり
山の麓まで行く

最初 
誰かの亡霊かと思った
ゆらゆらと蠢めくものが近づいてきた

前が見えなくなった
柔らかい霧が漂うていた
雲の上に住んで漂うているような日々のただ中

山の裾野まで霧衣が
雨と風にあおられてゆらゆらしていた
山の道は霧の道