「地下たびと花火と」 2017-05-21 22:30:22 | 詩小説 地下たびを取り替えに無法松に行き 教えていただいた川沿いの温泉につかり その帰り道 日田の花火が上がるのを見た 1年ほど前にも見た 福島の花火を思い出した あの時は鍵を探している人と 津波にのまれた木々と出会ったのは たびの途中のことだった 時間は花火よりも早く散り散りになり 瞬きしている間に すっと暗闇に消えていくが 山の暗闇にも慣れて 怖いものなどなくなったように ひょっこり現れた タヌキに出会うように 偶然に感謝して 坂道を登り詰めたところで 生き延びていくのだ