明鏡   

鏡のごとく

長距離走者の

2017-06-16 21:29:39 | 詩小説
今日 私は赤い鉄針を持って走っていた
ひたひたと走っていると
どうしても
アラン・シリトーの長距離走者の孤独
を思い出す癖がある
刑務所にいるが早朝に走ることを特別に許された男の話
走ることが 唯一 男の自由であったような話


小学生の団体の中をすり抜けて走っていると
男の子がわざわざ立ち止まって
頑張ってくださあい
と言った
孤独とは程遠く
まして短距離であったが
なんだか心持ち体が自由であった